片割れ探しの家事
全身鏡の裏側から靴下を見つけた。

息子がここで着替えたか、あるいは隠したのだろう。
* * * * *
息子には、ものをこっそり仕舞い込むくせがある。
はじめに気がついたのは、彼が2歳のころ。スマホが本当にどこにもなくて、家じゅう探し、出かけて場所にも電話したがない。
最後に見つけたのは、障子と窓の間だった。
この間は、絶対に寝る前にここに置いた!と記憶のあるめがねがどこにもない。
めがねのないわたし(視力0.1以下)は無力だ。
家族総出で探していると、書斎をごそごそしていた息子が「ママ、ここにあったよ!」と出してきた。

「また隠したな!」と8歳の姉。
「野生動物か……?」と夫は呆れていた。
さて、息子の隠した靴下の話に戻る。
それは、新幹線柄の青い靴下の、片割れだった。
数年前、わたしは毎日片割れを探していた。
洗濯は一日に3回回しているから、一日でもサボるともう、畳むのが追いつかない。なにより、子どもたちの靴下が問題だった。家のあちこちで脱いでいるので、洗濯したつもりが、片方ないみたいなことがよくあった。
その日、まず手に取ったのは娘のハイソックス。
膝下くらいまである長めの丈で、ユニコーンの模様が刺繍された、黒い靴下だ。
乾いた洗濯ものをまとめたカゴの中から、片割れを見つけ出すなければいけない。
ややあって、わたしは、黒いくつ下を見つけた。
「色、よし」
片割れと同じく、黒い。
「長さ……」
服の中からするする引き出してみると、その靴下は、脛くらいまでの丈しか無かった。
「あ、だめだ」
* * * * *
次に手にとった片割れは、色よし、長さよし。
「柄が違う……」
リボン柄の刺繍が施されたものだった。これは、ユニコーン柄の靴下と、3足セットで買ったときのもの。
* * * * *
次の衣替えシーズン。それはちょうどサイズアウトしたタイミングで、わたしは一気に5足の靴下を買った。
色と丈が同じで刺繍が違う3足セットでも、丈と刺繍が同じで色違いの5足セットでもない。
1足売りの黒い靴下。
色も丈も模様も、すべてが寸分の狂いなく同じ靴下を、5足用意した。
* * * * *
もうこれで、片割れを見つけ出す必要は無い。指さし確認の苦労が、ついに終わりを迎えるのだ。
わたしは、歓喜した。
これで完璧だ。
そう思っていたのに、片割れ探しの旅は、続く。
今日のワンポイント家事
・衣替えやサイズアウトのタイミングで、まったく同じくつ下をまとめ買いする。
・私服用だと服に合わせる必要もあると思うので、通勤・通学用くつ下推奨。
・種類違いの◯足買いセットではなくて、色も丈も模様も同じである必要がある。
・できれば予備も含めて10足くらい用意すると最高に安心。
・デメリットは「その日の気分で選ぶ楽しみ」がなくなること。
片割れ探しはまだ続くので、次の失敗談を読んだあとのまとめ買いがおすすめ。
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