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今からはじめる副業としてのLINEスタンプ2026

ちょうど2年前、「今からはじめる副業としてのLINEスタンプ」という記事を書きました。

当時はまだ、一つ一つ手描きで頑張るのが当たり前で、生成AIはまだ登場したての時代でした。
でも、2026年の今はどうでしょう?
上の記事を書いた当時とはかなり状況が変わってきているので、今感じている事と意見が違ってきてしまってるなぁと思う部分があり、再度、私が思う「今からはじめる副業としてのLINEスタンプ」を書いてみることにしました。

11年間LINEスタンプを作ってきた中堅クリエイターの視点から、今から参入する是非をぶっちゃけてみたいと思います。

1. 始まった「描画スキルの民主化」

これまで絵が描ける人たちが集まってスタンプを作り販売する、割と今思えば牧歌的な環境だったLINECreatorsMarketでしたが、昨今の生成AIの登場で、スタンプ作りの世界は完全に様相が変わりました。
今のスタンプ界で起きているのは、他業界がすでに経験してきた「スキルの民主化」です 。
例を挙げると、

  • IT業界

    • 以前はプログラミング言語を何年も修行する期間が必要でしたが、AIにやりたいことを伝えるだけでアプリが作れる「バイブコーディング」が主流になっています。実際に、私の本業の方でも私自身がコーディングせずに数千行のコードを生み出しています。

  • 音楽業界

    • かつては楽器を弾き、歌が上手くないと曲を作れませんでした。しかし、DTMや初音ミク、そして今の音楽生成AIの登場で、楽器が弾けなくても曲を生み出せる時代になりました 。

これらと同じことが、ついにLINEスタンプでも起きたわけです。
「絵を描く技術」はもはや特権ではなくなりました。「全員絵が作れる」ということが前提になったのです。
「描けることがアドバンテージではない」という、ある種、残酷な時代が到来してしまいました。

2. 「演劇」から「映画」の戦いへ

これからのクリエイターに求められるのは、自分で演じる「演者」の能力ではなく、全体を統括する「映画の制作総指揮・総監督(プロデューサーやディレクター)」の能力だと思います。

  • 演劇

    • クリエイター自身の表現力が全ての良し悪しを決めていました

  • 映画

    • 監督は自分で演技もしないし、カメラの技術、照明の配線も分かりません。でも、「どんな役者・スタッフを使い、どんな構図や照明で、どんなセリフを言わせれば観客の心が動くか」を把握しアウトプットをしています

今のスタンプ制作も同じじゃないでしょうか。
最高の役者にどう指示を出し、40個のストーリーをどうプロデュースするか。そのプロデュース・ディレクション能力こそが、勝敗を分ける唯一の鍵になっています。その役者が自分自身か、AIかの違いしかありません。

3. しかし現実は甘くない…維持費という壁

スキルが民主化した分、AIを使うライバルは爆増しました。現在、登録クリエイターは750万人を超えますが、その内の90%以上が売上ゼロという厳しい現実があります。

手描きとは違って、AIを使うなら考えなければいけないのが、「生成AIの維持費」というコストです。

  • サブスク代はバカにならない

    • ChatGPTやMidjourneyなどを使いこなそうと思うと、毎月約$20〜$30(約3,000円〜4,500円)の利用料がかかります。

  • 回収する覚悟はあるか?

    • スタンプ1セットの利益は数十円。月額料金を回収するだけでも、毎月100個以上を売り上げるヒットが必要です。

「AI代で赤字」というマイナスのスタートラインから、それでも戦う覚悟があるか、自分に問いかけてみてください。

4. 「勝てる」人の条件

手描きにしろAIにしろ、絵を作り出せることが前提になった今、大事なのは「綺麗な絵」そのものではなく、「人間らしさ」ではないでしょうか。

  • 人間的で個性的な、ギャグセンスや言葉選び、表情

    • AIは綺麗な絵は描けますが、生活に根ざした絶妙な表情やセリフ、そこに足される面白みや魅力は、やはり人間にしか設計できません。

  • ニッチを攻める嗅覚

    • 汎用的なスタンプは既にAIで埋め尽くされています。特定のジャンルやコアな趣味など、ターゲットを絞った刺さる企画を立てられるかが勝負です。

5. 今から始めるのはアリなのか?

私の結論は、「(AIを使うなら、利用料を取り返す覚悟をした上で)『総監督』としての楽しみを見出せて、結果を出せる自信があるなら、アリ!」です。

オススメできる人

  • 自分自身やAIを「最高の演者」としてプロデュースできる人

    • 自分のアイデアを形にするための「監督」としての役割を楽しめますか?

  • 独自のセンスやネタ、個性的な絵柄を持っている人

    • 赤の他人であっても「いい!」と思わせられるスタンプの企画ができますか?

  • 「数」を打てる執念がある人

    • 1〜2セットで諦めず、当たるまで続けられますか?

オススメできない人

  • LINEスタンプを「不労所得」だと思ってる人

    • 全然不労じゃないです

    • AIで全自動化したとしても今は人間らしさが勝負の分かれ目なので論外です

  • 「AIを使えばタダで楽に稼げる」と思っている人

    • 楽じゃないしAI代で赤字になる可能性がかなり高いです

  • どういうスタンプが「魅力的なスタンプ」なのかわかってない人

    • 自分が「いい!」と思うスタンプがどんなものなのか分からないままプロデュースはできませんよね

    • 逆に「良くない」スタンプも分からないとプロデュースできません

  • 自分の中に「売りたいアイデア」がない人

    • 「ただ綺麗なだけの絵」や「工夫のないテンプレで自動生成された絵」は、今はもう誰にも見向きもされません

先ほど例に挙げたIT業界では、AIにプログラムを書かせる(コーディングをさせる)ことが主流になったことで、人間の仕事は「AIに適切に指示を出し、適切に修正の指示をすること」になりました。
これは逆に言うと、「人間がコーディングする必要はなくなったが、コーディングも含めた周辺技術の深い知識が求められるようになったこと」に違いありません。
人間は手を動かさなくても良くなりましたが、手を動かしたことがある経験値だけは必要になってしまったという状況だと思います。

2年前と比べて、作るスキルはより身近になりました。
しかしその分、クリエイターとしての基礎知識は前提となった上で、プロデュース・ディレクション能力が今まで以上に試される時代になったという訳です。

己の描画能力かAI技術を駆使して、自分のアイデアを形にする監督業のワクワクを楽しめるなら、LINEスタンプは今でも挑戦しがいのある世界なのではないかと思っています。

さぁ、あなたはやりますか?やりませんか?


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