【60代の家計簿】一生減額の年金で足りる?元事務プロが実践する「不安を手放すやりくり黄金比率」
前回の記事を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
初めての投稿でしたので少し緊張していましたが、誰かに言葉が届くってとても嬉しいことですよね。
どこかで、誰かが読んでくれている。その事実に、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じています。
さて、今回は前回の予告通り、「お金」の話です。
「減額された年金だけで本当に生活していけるの?」
そう不安に思う方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、私は現在、とても穏やかで満ち足りた毎日を送っています。
ただし、私個人の生々しい金額をここで丸裸にするつもりはありません。
本当に大切なのは「いくら持っているか」ではなく、限られた予算をどうコントロールするかという「家計の仕組み(比率)」です。
長年、秘書や総務として書類と数字を管理してきた経験を活かし、私が実践している「不安を手放すためのやりくり術」をご紹介します。
世間の「平均データ」に振り回されない
ネットで「シニア 単身 生活費」と検索すると、「高齢単身無職世帯の平均支出は約15万円」といった公的データがすぐに出てきます。
かつてシンクタンクでアシスタントをしていた私は、こうした統計データを見るのが習性になっています。
しかし、家計管理において最もやってはいけないのは、この「世間の平均値」を見て、ただ闇雲に不安がることです。
平均値には、車を所有している人、高い家賃を払っている人、医療費がかさむ人など、あらゆる状況が混ざっています。
これは私の数字じゃない。私は私の基準で作ればいい
そう気づいた時から、私のスマートな家計設計が始まりました。
私が実践しているのは、家計を金額ではなく「パーセンテージ(比率)」で管理する方法です。
毎月の年金支給額(可処分所得)を100%としたとき、長年の試行錯誤を経てたどり着いた私の黄金比率はこうです。
固定費(住居費・光熱費・通信費など):約 50 %
流動費(食費・日用品・基本の衣服や医療費):約 25 %
お楽しみ費(カフェ、推し活、友達との交際費):約 15 %
特別予備費(未来への貯蓄、冠婚葬祭や家電買い替え):約 10 %
「あれ?お楽しみ費が15%もあるのに、貯金や臨時の出費はどうしているの?」と思われた方もいるかもしれません。
それらは最後に作った「特別予備費の10%」に加えています。
実は、これが私なりの「家計のリスクマネジメント」なのです。
冠婚葬祭や、数年に一度やってくる家電の買い替え、あるいは未来への備えとして、私は毎月必ず10%を「最初からないもの」として別口座にプールする仕組みを作っています。
友だちとの楽しいお付き合いや、とっておきのお出かけ着は「お楽しみ費」の15%の中でやりくりします。
多くの節約術では趣味や貯蓄を「余ったら回す」と考えがちですが、それだと家計のバランスが崩れて長続きしません。
この「未来の安心(10%)」と「現在の聖域(15%)」を同時に死守するために、私は元総務の知識を総動員して、固定費と流動費のスマートカットを行いました。
「通勤がなくなった」からこそできた最大の固定費カット
私が実践した見直しの中で最も効果が大きかったのが、「住居費(家賃)」のカットです。
私はずっと賃貸派でしたので、家賃は最も負担の大きな「固定費」でした。
しかし、2023年に会社を辞めたとき、私にとって最大のパラダイムシフトが起きたのです。
そうです!「毎日の通勤」が消滅したのです。
これは心身への負担を軽くするだけでなく、生活そのものに変化を与えていく最大の影響力を持っていました。
それまでは駅近くの便利な場所に住んでいましたが、「会社に行かないのであれば、駅の近くに住む必要は全くない」と気づいたのです。
そこで、思い切って駅から少し離れた、家賃を大幅に抑えられる物件への引越しを実行しました。
駅まではバスを利用する立地ですが(これについては、また別の機会に詳しくお話しします)、現在は健康維持も兼ねて、徒歩25分の道のりをのんびり歩いています。
通勤のために急ぐ必要のない25分の散歩は、季節の移り変わりを感じられる、贅沢な時間へと変わりました。
さらに、外出の頻度が減ったことで、外でスマホを使う機会も激減しました。
そこで、これまで使っていた格安SIMを自宅のWi-Fiメインで暮らす生活に合わせ「さらに安い、最小限のプラン」へと変更しました。
プランの比較検討は、元事務職の最大の強みです。
不安に駆られた「買いだめ」を突っぱねる
もうひとつ、流動費(食費や日用品)を抑えるために絶大な効果があったのが、「意味のない買いだめをやめる」という決断です。
「〇〇が不足している」というニュースが流れてくると、急に不安になって買いだめをしていませんか?
災害への備えはもちろん必要ですが、私たちはついついメディアの言葉に煽られて過剰な不安を抱き、使い切れない量の日用品や食料品のストックを家に溜め込みがちです。
その気持ちを断ち切るのは、結構難しいですよね。
ストックが不安を払拭してくれる……その気持ち、とてもよくわかります。
でも、そこに思い切ってメスを入れてみたのです。
すると、不安を払拭するために買い溜めていたものが、実は逆に起こりえない不安を自分自身で煽っていたことに気付いたのです。
「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」
このシンプルな考え方が、もうひとつのパラダイムシフトとなりました。
ただし、だからといって「夕食の材料を毎日その都度買いに行く」わけではありません。
毎日のようにスーパーへ足を運ぶのは、「目に付いた余計なもの」までカゴに入れてしまいやすく、家計管理においては非効率です。
私が実践しているのは、「1週間分の献立をあらかじめ計画し、必要な食材を考え、無駄なく使い切るためにまとめて買う」こと。
行き当たりばったりで買い物をせず、1週間の予算と食材を完璧にコントロールする。
この計画性こそが私のこだわりであり、最も効果的な節約術になっています。
まとめ:大切なのは我慢じゃない。「推し活」を聖域にする理由
家賃を下げ、スマホを絞り、買いだめをやめる。
文字にするとストイックな節約生活に見えるかもしれませんが、私の心は現役時代よりも遥かに豊かです。
なぜなら、削って浮いた分のエネルギーと予算(全体の15%)を、大好きなコーヒーの香りに包まれるカフェ代や、心ときめく「推し活」へと100%集中させているからです。
推し活にはそれなりにお金がかかりますが、私にとってこれは生きる活力であり、絶対に譲れない聖域です。
会社のために心を殺して勤務していた5年間、私はお金があっても使う気力すらありませんでした。
でも今は、自分でコントロールした予算の中で、自分の幸せのためにお金を使えているという「確かな手応え」があります。
仕組みさえ作ってしまえば、年金の繰上受給は決して怖いものではありません。
あなたもご自身のライフスタイルに合わせた「黄金比率」を、ぜひ一度計算してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
これが、私が試行錯誤の末に行き着いた、不安を手放して今を楽しむための「家計の黄金比率」です。
中でも、最後の「お楽しみ費15%」という数字は、一見するとこれからの年金細腕生活には少々贅沢すぎる、我が儘な取り決めのよう思われるかもしれません。
しかし、私にとってこの15%は、単なる余暇の予算ではなく、他人の悪意や組織の理不尽に決して侵食させてはならない、私の人生の「聖域」そのものでした。
次回は、私が「一生減額」というリスクを背負ってでも会社を辞め、年金を繰り上げてまで守りたかった、この聖域についてお話ししたいと思います。
梨乃
