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掃除機を買いにいったら最高のコーヒーが出てきた

掃除機を買い換えた。引っ越す前から使ってた電源をコンセントに挿して床を転がすタイプと、引っ越してから買った充電式の軽いのを両方やっと置き換えた。夫はドケチものもちがよく、使えるうちにものを買い換えることはまずない。ミシンとか、五十年ものではないだろうか。そうなると、逆にレトロで味がある。これからも壊さないように大事に使っていきたい。

処分した掃除機の古い方は、三年くらい前スパイスを台所の床にぶちまけた時それを全部吸わせて片付けた。もちろん中の袋はすぐ取り替えた。でも、それ以来、掃除の度にいわく言い難い悪臭を放つようになった。掃除すると家の中が臭くなる掃除機。客が来る時は、掃除は空気の入れ替えを十分に見積もってやらないといけない。はっきり言って買い換えるべき案件ではなかろうか。

夫はそれでもどこかに救いを探そうとのらりくらりやってきた。私が好きなやつを独断で買ってきてもよかったけど、そうすると後で必ず嫌な気分にさせられる。悪気はないけど、どこそこの店でもっと安く売ってた、とか、どこのメーカーのはもっと消費電力が低いとか、いろんな情報を出してきて、新しい物を買ってウキウキした気分に水を差される。掃除機に限らず、服でも何でも何か買って帰ると第一声は「いくらだった?」ですからね。英語で言うところのwet blanket というか、ドイツ語で言うところのSpaßverderber というか。日本語では、ピッタリ当てはまる言葉が思いつかない。そういう人が少ないのかな?

後でいろいろ言われるのが面倒なので、当時、掃除機の選択は夫に任せた。充電式の軽いやつは吸引力が弱く、吸い込みつつ吐き出してない?と思えるほどだった。なので十年弱ほとんど使われることもなく処分されることになってしまった。うちには私が買ったロボ掃除機もあって、こっちは子どものおもちゃと化した。なぜなら、スマホで操作できて掃除機から室内にいる人に話しかけることもできるため。それで下の子が犬を驚かせたりして遊んでいた。自動で掃除といっても、五分ごとぐらいにフィルターに毛が絡まっただのなんだのと止まってしまう。さんざんイライラさせられて、コレ自分で掃除した方が速くない?と気がついた。

買い換えのきっかけは思わぬとこからやってきた。掃除機から変な音がして漏電が疑われたからだ。私にはよくわからないけど、夫は車のモーターの音でも「今なんかイヤな音が混じってない?」とたまに言う。言われてみればそうかも…レベルで、私には故障かどうか判別できない。でも、漏電につながると非常に危険なので買い換えることになった。ヤッホー!

掃除はだいたい私がやっているため、今回は独断でダイソンを充電式のとそうでないのと二台買った。保証書ができるのを待っていたら、カプチーノ飲みませんか?とコーヒーメーカー売り場の人に声をかけられた。すぐできますから、と言われて、それなら、と。

コーヒーメーカーは、タッチパネルでボタン押すだけかと思ったらそうではなく、ミルクを泡状にする細い蒸気を出す管と、コーヒーが出てくるところは別れている。それだけでなく、挽かれたコーヒーの粉(?)が出てくるとこも別で、挽き終わったら、粉を受ける金属の道具を隣りのコーヒーをドリップするところに差し替える。そしたらコーヒーがドリップされてカップに落ちてくる。そんな感じ。やってみてください、と言われてやりましたよ。それでできあがった香り高いカップの底一センチくらいのコーヒーに、泡立てたミルクをカップを斜めにして注ぐとアラ不思議!ハート模様になった。

コレがもう、今まで人生で飲んだコーヒーで一番美味しかった。もう、ぶっちぎりに。給食のチーズを無理に食べさされてチーズ嫌いになったように、私がコーヒーを好きでないのはほんとうに美味しいコーヒーを飲んだことがなかったからかも、と思った。まさかこんな場所で、人生最高のコーヒーを飲むことになるとは。家電売り場ですよ。

コーヒーメーカー買っちゃおうか、と心が動いた。が、お値段四十万円。私はイーロンマスクでも前澤友作でもないので衝動買いは止めときました。近所のカフェが導入してくれないかしら。


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