生きてさえいてくれたらいい
——失って、壊れて、赦してきた先で知った愛の深さ
頭では、ずっと分かっていたつもりだった。
「生きていることが一番大事」
「居てくれるだけでいい」
そんな言葉は、何度も聞いてきたし、
自分でも口にしてきた。
でも、本当の意味では分かっていなかった。
あの瞬間が来るまでは…。
2020.12月
大切な我が子の命を失い、
世界が音を立てて壊れた日
そのとき初めて、
当たり前に「生きる」
「生きている」という事実が、
どれほど尊いことなのかを
頭ではなく、身体で知った。
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そこに辿り着くまでの道は、
決して穏やかではなかった。
正直、
自分と向き合うのは怖かった。
見たくない感情も、
認めたくない弱さも、
後悔も、罪悪感も、
全部そこにあった。
それでも、逃げなかった。
ひとつずつ、
本当にひとつずつ。
「あの時の私は、精一杯だった」
「分からなかったのは、悪意じゃない」
「知らなかった自分を、責めなくていい」
そうやって、
自分を赦す作業を重ねてきた。
時間もかかったし、
何度も立ち止まった。
それでも、
向き合うことをやめなかった。
そうして気づいた。
自分の中での
大切にしたい人に求めるものが、
静かに変わっていった。
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私の思う、愛の深さ
私が言う「愛している」は、
一緒にいたい、でも
分かってほしい、でも
変わってほしい、でもない。
もっと、ずっと手前にある。
生きていてほしい。
それだけ。
機嫌が良くなくてもいい。
立派じゃなくてもいい。
正しくなくてもいい。
何も成し遂げなくても、
何も返してくれなくてもいい。
ただ、
この世界に息をして
今日を生きていてくれたら、それでいい。
それが、私の思う愛の深さ。
この愛は、
相手を縛らない。
未来を要求しない。
役割を背負わせない。
だから、
近くにいなくてもいいし、
同じ道を歩かなくてもいい。
それでも、
存在を否定しない。
失って初めて、
「愛する」ということが、
何かを得ることでも、
一緒にいることでもなく、
存在そのものを尊重することなのだと、
私は知った。
私は、
誰かを変えるために
この愛を持っているわけじゃない。
変わらなくてもいい。
分からなくてもいい。
それでも、
生きていてほしいと願えること。
それが、
私にとっての愛
私は、
誰かを所有する愛を
もう知らない。
ただ、
命を尊ぶ愛を
静かに生きている。
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私は、元旦那のことを嫌いではない。
それはもう、
恋愛でも、復縁でも、
そういう話ではない。
家族の括りがどうとか、
もう、そういうことじゃなくて。
全ては愛だと言う事
その言葉が一番近い。
でもそれは、
一緒にいたい愛ではない。
分かってほしい愛でもない。
変わって証明してほしい愛でもない。
居てくれるだけでいい。
生きていてくれるだけでいい。それだけで十分。
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人はね、
壊れた瞬間にしか分からないことがある。
でも私は、
他の人には分かってほしくないとも思っている。
こんな経験、してほしくない。
こんな痛み、通らなくていい。
もし、
知らないまま幸せでいられるなら、
それが一番いい。
「分かること」よりも、
「穏やかであること」を選べたら、
それで十分だと思う。
私は、
誰かを変えようとは思っていない。
それはできないから。
ただ、
自分の在り方を整えて、
静かに生きていきたい。
願いも、祈りも、
誰かを動かすためじゃなく、
自分を壊さないために、ここに置く。
もし、
過去の痛みも、
間違いも、
未熟さも含めて、
「あの頃はいろいろあったね」と
形を変えても、家族として
穏やかに話せる日が来たなら。
それは、
この愛が報われたからじゃない。
それは、
勝ちでも成功でも、統合でもなくて。
それぞれが、
それぞれの足で立ち、
命を大切に生きてきた結果なんだと思う。
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「生きていてさえくれたらいい」
この言葉に辿り着くまでに、
私は多くを失った。
でも同時に、
自分を赦し、
誰も裁かなくていい場所に来た。
それだけで、
この人生は、もう十分だと思っている。
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🌿読んでくれた方へ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
この文章は、
何かを分かってもらうために書いたものではありません。
誰かを変えたり、
何かに気づかせたりするためのものでもありません。
もし、
読んでいる途中で
言葉にできない感情が動いたとしたら、
それは「分からなければいけないもの」ではなく、
そのまま置いておいていいものだと思っています。
知らないままでいられる優しさも、
分からなくても穏やかでいられる時間も、
どちらも大切だと、私は思っています。
この文章が、
答えではなく、
静かな余白として、
あなたの中に残ったなら嬉しいです。
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