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kago_fishing
【3つのお題に空想のひらめきを第56回】巨大な本の上で眠る猫.花びらの舟.ガラスの城と白い鳥|ショートショート
タイトル:ファーストステップは夢のページから
世界で一番大きな図書館には、一冊だけ誰も読み終えられない本があった。
その表紙の上では、一匹の巨大な本の上で眠る猫が、いつも気持ちよさそうに丸くなっている。
猫が目を覚ますと、新しい物語が生まれる。
だから誰も、無理に起こそうとはしなかった。
ある日、小さな少女ルナは、本の間から一枚の花びらを見つける。
それを水面へ浮かべると、不思議なことに花びらの舟へと姿を変えた。
「乗ってごらん。」
猫が初めて口を開いた。
舟は風もないのに静かに進み、やがて朝日に輝くガラスの城と白い鳥が見えてきた。
白い鳥たちは空へ舞い上がり、翼をひと振りするたびに、砕けたガラスは虹色の光へと変わっていく。
「きれい……。」
ルナが見とれていると、猫が優しく笑った。
「夢は見つけるものじゃない。最初の一歩を踏み出した人だけが、その続きを見るんだ。」
ルナは花びらの舟から降り、ガラスの城へ向かって一歩踏み出す。
その瞬間、本の白紙だった最後のページに、黄金の文字が浮かび上がった。
『ファーストステップ』
世界中の物語は、特別な才能から始まるわけじゃない。
勇気を出して踏み出した、その一歩から始まるのだ。
猫は再び目を閉じ、満足そうに眠りにつく。
きっと今日も、誰かの新しい物語が始まったことを知っているのだろう。
おしまい

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