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【青ブラ文学部】印象派の絵画|エッセイ


タイトル:印象派の絵画

風媒花という言葉が、やけに好きだ。
誰かに見せるためでも、狙って届かせるためでもなく、
ただ風に身を委ねて、花粉を放つ。

それは無責任にも見えるし、
同時に、とても誠実にも見える。

印象派の絵画を初めて見たとき、
私は「描いていない部分」に射抜かれた。
輪郭は曖昧で、形は溶けているのに、
なぜか確かに“そこにある”。

哲学も、きっと似ている。
答えを提示するのではなく、
問いの気配だけを残す。

風媒花のように、
印象派の絵は意味を直接投げてこない。
見る側の記憶や感情に、そっと触れて、
いつの間にか考えを芽吹かせる。

私は、はっきり言い切る文章より、
こういう余白のある表現に惹かれる。
射抜くようでいて、押しつけないもの。

考えることは、勝ち負けじゃない。
理解することよりも、揺れることのほうが大切な日もある。

印象派の絵画を前にすると、
私はいつも少しだけ、
風に近づく。



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