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【3つのお題に空想のひらめきを第30回】雲の上の待合室.消えない手紙.木の指輪|ショートショート
タイトル:雲が揺れるだけの時間
雲の上の待合室は、
椅子も机も、雲そのもの。
歩くとふわふわして、足元が笑う。
そこには誰もいないのに、手紙が一通、宙に浮かんでいた。
消えない手紙――開くと、
文字がゆっくり動きながら話しかけてくる。
「君の来るのを待っていた」
木の指輪が窓際の棚に置かれている。
一見普通の指輪だが、はめると記憶の扉が開く。
過去も未来も、触れたものすべて映る不思議な指輪。
部屋の隅にはガフの部屋。
扉は小さく、鍵もかかっている。
開ける勇気がある者だけが、
忘れかけた夢や秘密を手に入れられるらしい。
待合室の時計は動かない。
でも、時は確かに流れていて、
空に浮かぶ雲の影が、ほんの少しだけ揺れる。
ここは、誰もが通る場所。
だけど、通るタイミングは自分次第。
手紙を胸に、指輪をそっとはめ、
ガフの部屋の前で深呼吸をする。
雲の上の待合室は、今日も誰かの小さな勇気を待っている。
おしまい

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