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yukiko160830
【シロクマ文芸部】眠れない|エッセイ
タイトル:眠れない夜のやさしい理由
眠れない、そんな夜がある。
体は疲れているのに、
頭の中だけが静かに動き続けている。
今日のこと。
少し前のこと。
まだ来ていない明日のこと。
思考は、行き先を決めないまま、
ゆっくりと巡っていく。
無理に眠ろうとすると、
かえって遠ざかる気がして、
そっと目を開ける。
部屋の暗さにも、
少しずつ目が慣れてくる。
眠れない時間は、
どこか特別だ。
誰にも邪魔されない、
自分だけの静かな場所。
普段は見過ごしている気持ちが、
小さく顔を出す。
「ああ、そう思っていたんだな」と、
あとから気づくこともある。
眠れないことを、
悪いことだと決めなくてもいいのかもしれない。
そんな夜があるから、
自分の中をゆっくり見つめる時間が生まれる。
やがて、
思考の波が少しずつ穏やかになる。
いつのまにか、
呼吸も深くなっている。
眠りは、追いかけるものじゃなくて、
自然と訪れるもの。
そう思えたとき、
ようやく体の力が抜ける。
眠れない夜も、
きっと意味のある時間だ。
そうやって、
少しだけ自分にやさしくなれる気がした。
了

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