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【青ブラ文学部】桜を待つ梅|エッセイ


都会の冬の終わりは、静かにほどけていく。

ビルの隙間から差し込む光や、
少しだけやわらいだ風が、季節の変わり目を教えてくれる。

駅へ向かう途中、小さな公園を通る。
そこに一本、梅の木がある。

まだ桜の季節には早い。
けれど、その梅だけは、誰より先に春を始めている。

淡い花びらに、朝露が光る。
まるで天使のキスみたいに、やさしい雫。

立ち止まって見上げると、
忙しい都会の時間が、ほんの少しだけゆっくりになる。

桜は主役だ。
春になれば、みんなが待っていたように咲き誇る。

けれど梅は、
その前に、静かに春を知らせてくれる。

誰かに気づかれなくても、
自分の季節を知っているみたいに。

ふと、思う。

自己肯定感って、
桜みたいに華やかなものじゃなくていいのかもしれない。

誰より先に咲かなくてもいいし、
誰より目立たなくてもいい。

ただ、自分の季節を知っていること。

梅の花を見上げながら、
私は少しだけ胸を張る。

桜を待つ梅のように、
静かに、自分の春を信じてみようと思った。



*下記企画に参加させて頂きました


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