半年間SnowManと叫ばれ続けた夫の不憫さと愛おしさ。
美人女優やイケメン俳優、今をときめくアイドルとやらに似てるねと言われたら、似てないよ〜と謙遜はしてもちょっぴり嬉しくなる人がほとんどだろう。
だが、実際に似てるか似てないかは置いておいて、いま想像してみてほしい。
公共の場であなたに向かっていきなり「広瀬すずみたい!!」と叫ばれたら喜べるだろうか?
「横浜流星に似てる!!」 え、俺、横浜流星?!と天にも昇る気持ちになるだろうか?
その声を聞いてしまった他人が顔面を確認してくることは避けられない。
わたしならきっと褒め言葉であったとしても、え違う違う似てないからやめてと思ってしまう。他人が見てない場所でこっそり教えてほしい。
公共の場で某人気アイドルグループに似ていると言われてしまった為に、そんな好奇の目に半年以上晒されていた身近な人物がいる。
わたしの夫である。
夫の見た目は、くるくる天然パーマにくりくりの目元。あれだ。あのキャラクター。ベティちゃんにそっくりだ。

夫は身長がそれほど高くなく、本人はよく自身を小太りだとか太っちょだと自虐しているが、その丸さを最大限利用して踊ったりおちゃらけたりする姿はわたしを爆笑の渦へと巻き込んでいく。きっとわたしにしか見せていないその姿が妻のわたしには愛くるしい。お惚気投稿ではないのでこれくらいにしておこう。
見た目のまま「ベティちゃんだ〜!!」と言われるのならばまだ良いのである。いや、良くはないのかも知れないが良くないと話が進まないので良いって事にしておこう。
愛くるしいベティちゃんは公共の場で大声で言われてしまったのだ。
「SnowManみたい〜!!」

SnowManとはジャニーズからデビューしたアイドルグループだ。
お、おう…。
まずパッと目を引くのはメンバーの背の高さだ。SnowManの平均身長は178cmと高め。夫は上記で述べた通り。
ちなみにセンターを務めるラウールくんはグループ1の高身長で190cm。パリコレモデルも務めている。
そして、SnowManのメンバーはきっと自分のことを小太りだとか太っちょだとは自虐…しないよなぁぁぁ…。
顔か?夫の顔のパーツはハッキリしていて整った造形ではあると思う。あるが、SnowManか?と言われるとそれは違う。SnowManってわりと塩顔が多い印象なのだ。夫はソース…というかマヨネーズ顔。おいそれ、ふくよかな人の趣味嗜好に引っ張られてるやろ
と思ったけどこれ見ると実際マヨネーズかも知れない。

顔はとりあえずよく分からない。
あと夫の中で問題なのがSnowManの中で誰に似てると思われてるのか?
というのも夫は、センターのラウール氏と今をときめく目黒蓮氏以外は「痩せた俺の方がかっこいいやろ」とたびたび言っている。痩せてから言わないのが夫である。
だから似てると言われるならラウール氏か目黒蓮氏が嬉しい。
だが夫も自ら「…ラウールは…違うじゃん」と頼りなさそうに言って、わたしの脳内で愛くるしいベティちゃんと190cmパリコレモデルを並べさせ吹き出させたあと「目黒蓮かあぁぁぁぁ〜‥?」と頭を悩ませている。うん。たぶん違う。
これが夫とSnowManが掛け合わさる最初の日である。冒頭でも述べたが夫は半年以上にわたってSnowManだと言われ続けていたのである。
ここでやっと夫をSnowManだと言っている犯人について迫ろうと思う。
長男が通う保育園のお友達だ。
なんだよ子供かぁ。それなら仕方ないじゃんと思っただろうか。現実にはそんなに甘くない。
保育園だから子供ばかり…ではない。先生がいて、送迎する親がいる。そっちが問題なのだ。
例え「SnowManだ〜!」と言ったのが可愛い子供でも周りにいた大人はその声に反応し、勝手な想像をしたあと顔をそっと確認してくるのだ。
ましてや今ノリにノッているSnowManだ。わたしの友達にも何人かファンがいる。
勝手に笑われるまでがセットなのだ。
最初夫に「◯◯くんにSnowManって叫ばれたんだけど」の報告を受けた時は声をあげて笑ったが、子供の気まぐれだろうと思っていたし、そもそも普段は保育園への送迎はわたしがしていて夫が保育園へ行くのは月に数回程度。次に会う際には夫がSnowManだなんて忘れてると誰もが思っていた。
それが違ったのである。
夫は会うたびに「SnowManだ!」と叫ばれ、周りの大人には怪訝そうな顔をされているらしい。
そして他のお友達にまでSnowManだ!と言われるならまだしも「SnowManじゃないからな!!」と言われてしまったらしい。
二次被害が起きたのである。しかも否定されている。自分で言うたわけでもないのに否定されている…。微塵もSnowManだなんて思っていないのに否定されている…。不憫過ぎて震えてしまう。慰めるのも忘れて爆笑してしまった。
そこからはSnowMan疑惑に目立った動きはなかったが、いつものようにSnowManだと言われた際に我が子が「誰なのっ?!」と聞いてくれたようだがそこは無視だったらしい。なんでだよ。
我が家では無視だったことで今まで大っぴらには疑ってこなかったある仮説が信憑性を帯びてきている。
「単純に"雪だるま"って言われてるんじゃね?」
SnowMan直訳すると雪だるまだ。シンプル悪口⭐︎である。
さらに夫の肌は白い。アイドルグループのSnowManのシルエットには似ても似つかないが雪だるまのシルエットになら似ている。これはわたしも悪口なんだろうか。というか全て悪口だろうか。愛を込めて綴っていることだけは伝わってほしい。
半年に渡って我が家を困惑させた結末が雪だるまだったら慰めの言葉を用意しなければいけない。
長男は今年の3月で保育園を卒園した。卒園式までに真相を突き止めたいと妻は考えていたが、突き止められないまま卒園式を迎えた。可愛い園児たちの晴れ舞台。涙ぐむ親御さんや先生たちに囲まれた中、うちの夫が雪だるまかどうかなんてどうでもいい問題だ。突き止められないままお友達とはお別れとなってしまった。
しかし、お別れしても同じ市町村には住んでいる。いずれどこかで出会う日が来るかも知れない。その時は「SnowManだ!!」と叫んでくれるのを願っている妻のわたしは、夫の不憫さにも惚れ込んでいるのだ。
アルロンさんの「フビワングランプリ」に応募させていただきました!自分のエピソードには不憫さが足りなかった為、夫の不憫を借りてきました⭐︎
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