“ここあ”のなないろ町探検🐾|掌編小説
「次は、なないろ町〜、なないろ町〜」
飛び降りるように電車から降り、無人駅の改札に切符を投げ入れて駅を出る。降りたのはどうやらここあだけのようだ。
きょろきょろと辺りを見回す。
なないろ町には、都市伝説としてひそやかに噂されてきたN村があるという。そこでは年に1回、不思議なお祭りが開催されるそうだ。いつ、どこでやるのか、すべてが謎に包まれたN村。その鍵はこのなないろ町にあるという。
ここあは星明かりの中、ひたすら町の中心を目指して歩いた。

中心に着くと、町は静まり返っていた。
どうしよう..
どこへ向かえばいいのかな…
すると、少し先に一軒だけぽつんと空いているお店が見えた。

「いらっしゃいませ〜!夜だけ開く猫のパン屋さん、ただいま開店です!謎の島ミステリーツアーでいらした旅のお方、こちらで腹ごしらえをしていきませんか?」
すでにたくさんの猫たちが集まってにぎわっている。
わぁ、猫の形をしたパンがたくさんあるわ…!
どれもとってもおいしそう。
焼きたてのパンの匂いが漂ってきて、ここあのお腹がぐぅーっと鳴った。そういえば、あわてて出てきたから夜ご飯まだ食べてなかったんだった。
「すいませーん、ねこねこクリームパンと、ねこねなないろサンド、あと三日月レモンソーダをくださいな」
「はーい、ただいま」
ここあはパンを受け取ると、裏手にあるテーブルに座って食べ始めた。ハム、レタス、卵、トマト、きゅうり、ツナ、これで6つ。そして…ん?あとひとつは何かしら。パステルカラーのなないろで作られたクリームが、ほんのり甘くて不思議な味がした。三日月型のレモンを添えたレモンソーダのしゅわしゅわな喉越しに元気をもらう。ここあはぺろりと平らげた。
「ミステリーツアーの船は、明日の朝出航だよ〜!ご宿泊にはなないろホテルをご利用くださいませ〜」
宿屋の案内係が旗を持って大きな声で叫んでいる。
ここあもその集団について行き、宿を取ることにした。温泉に入って、ふかふかのお布団であっという間に夢の中。明日の朝が楽しみで仕方なかった。
🐾 🐾 🐾
朝になり、ここあは早起きして有名な観光スポットである『希望の丘』に登ってみた。すでにたくさんの人や猫たちがいて、朝日が昇ると空も海も一面赤く染まり、感嘆の声があちこちから上がる。
朝ご飯を済ますと港へ行き、謎の島ミステリーツアーのチケットを購入する。心地良い潮風に吹かれながら30分ほどで島に着く。
島に降りると、なないろ町の町長が出迎えてくれた。町長はなんと、猫!なのに人も猫も誰一人驚いていないのはなぜだろう。町長は挨拶もそこそこに歓迎の歌を歌い出した。…まばらな拍手に深々とお辞儀をする町長は、こう言った。
「ミステリーツアーのみなさま、ここはまだ謎の島ではありません。ここからは迷路のようにたくさんの島があります。皆様で探してください。自力で勝ち取らねば、ミステリーでもなんでもありませんからね」
そうか、自分で探さないといけないのね…望むところだわ。ここあは耳をピンと立て、鼻をヒクヒクとさせると、島の向こう側に歩き出した。だってあっちのほうから、なんだかいい匂いがするんだもの。
ここあのミステリーツアーおいしいものツアーは始まったばかり🐈💨
🐾 🐾 🐾
こちらの町に遊びに行きました。
ここ進めるとながーくなるので🐾
にゃんこは旅立ちのとこだけ🐈💨
※画像はAI作成です。
🌠おおもとの企画はこちら
