野菜室にはきゅうりが20本
とある夏の日のことだ。
きゅうりが5本100円で売っていた。
うん、 安い!
夏はサッパリした食べ物が食べたい。
頭の中で想像する…
冷やし中華を彩る千切りのきゅうり。
ビールと塩ダレきゅうり。
梅肉と塩昆布であえたきゅうり。
お茶漬けにきゅうりの浅漬け。
…何にでも使える。
私は得した気持ちで5本100円のきゅうりを買って帰り、冷蔵庫の野菜室を開けた。
5本きゅうりが入っていた。
あれ?思った瞬間にものすごい勢いで記憶がよみがえる。
私、昨日、きゅうり買ったわ。
今日と同じ店で。
実は昨日、買い物に行っていた。
サラダ油と醤油を買うついでにいろいろ食材も買った。その中で、5本100円のきゅうりを喜んで買ったのだが、肝心の醤油を買い忘れたのである。
そして今日、同じスーパーで同じように醤油と安いきゅうりを買い、帰って開けた野菜室のきゅうりにビックリしたのだった。
でもまあ、今は夏だ。
きゅうりなんてどんな料理でも使えるし、野菜スティックとして食べればすぐなくなる。
まぁいっか。そう思っていた。
次の日。
仕事に行くと、私のロッカーに何か入っていた。
それがこちら
↓↓↓

なんで?…てなった。
どうやら、ロッカーにきゅうりを置いたのは、職場で仲良くなった掃除のおばちゃん。私の為に家で栽培している畑のきゅうりを取ってきたらしい。
優しさが沁みる。めっちゃ嬉しい。
私は50歳以上のマダムが大好きだ。優しくて、強くて、みんなのお母さんって感じがする。
でも、これできゅうり合計14本なんよ…。
こんなことある?笑
私は掃除のおばちゃんにキラッキラの笑顔で感謝を伝え、家で控えている10本のことは心に秘めた。
それにしても、面白すぎる。
もちろん同僚に真っ先にきゅうりの話をして大笑いした。
14本のきゅうり、どうやって食べよう。
先輩達にも料理や味付けアレンジを聞いて帰ったら試そうと思っていた。
また次の日。
仕事が終わり、家に着くと、昔から仲良しの地元の友達から段ボールが届いていた。中にはカレーのルーや、野菜、紅茶、お菓子などが入っていた。
やったー!嬉しいーーっと思った途端に目に飛び込む袋、…きゅうりである。
なんで?ってなった。
袋いっぱいにぎゅうぎゅう詰めできゅうりが6本入ってあった。手持ちと野菜室と合わせて20本。
きゅうり祭りやん…。
あまりにも奇跡。私がきゅうりを集めているのか、きゅうりが私に向かってくるのか、なんかもう、よくわからない。
とにかく心を落ち着かせる為に、母にきゅうりの話をLINEで送った。
その時のLINEがこちら
↓↓↓

母も爆笑である。
冷蔵庫の野菜室、半分がきゅうりで埋まることなんてあるんだな。ちょっと面白い出来事だった。
〜 おわりに 〜
私はちゃんと無駄にすることなく全部美味しくきゅうりを食べた。同僚や上司や友達からレシピを聞いて毎日いろんなきゅうりを食べた。朝から晩まできゅうりを食べた。そして、ちょっと飽きた。笑
私はこういう優しさや面白さがたまらなく好きだ。人にはそれぞれ、優しさの形があって、似ているけれど少しずつ違う。その形に触れたとき、私の心も相手に流れ込んでいく気がする。
優しさを与えて、受け入れて。
時が来たら、また返して。
無理に押し付けず、拒まず、奪わず。
そうやって出来る範囲で大事にしていけばいいのだ。その加減もゆっくりと学んでいけばいいのだ。
