プールは泳ぐためにあるのだ
私はプールが嫌いだ。
I hate swimming pools.
思わず2回言ってしまった。
海はいい。砂浜で貝殻も拾えるし、防波堤から釣りもできる。
何なら、寄せては返す波を見るためだけに、山奥から数時間かけて海に行ったことがあるくらいだ。
でも、プールには足が埋もれるサラサラの砂も、ちょっとグロテスクな魚も、永遠に見ていられそうな潮の満ち引きもない。
なぜならプールは泳ぐためだけに造られたものだからだ。
何を隠そう、私は泳げない。
足も速かったし、ジャンプも得意だったが、水泳だけは昔から苦手だった。
私の通っていた小学校は、「25メートル泳げたら、水泳帽子が白になる(もともとは赤)」という謎のルールがあって、早い子は3年生で白帽に華麗なる変身を遂げていた。
そんな中、私は4年生になっても、5年生になっても、赤帽のままだった。その時点で赤帽の子は1割ほど。
サンタクロースならぬ、赤っ恥のトナカイである。
そんな私も、ほかの赤帽仲間と特別授業を受け、夏の終わりには無事赤帽を卒業。6年生は深刻な水不足で、水泳の授業がなくなるという幸運に恵まれた。
その後、「漫画に出てくるような、私立の女子校にいきたい!」という、なんとも単純な憧れで、名古屋の女子中に進学した私。
お嬢様学校と言われるその中学には、屋上にプールが設置されていた。
青く広がる空の下、女子だらけのプールに飛び込む。
メッシュの白帽からビニールキャップにグレードアップしたものの、肝心の泳力はアップデートされず。
むしろ1年のブランクを経て退化しており、これまた、特別授業を受けることになった。
プールの隅っこで、少人数での特別授業。
キャッキャという声が響く中、プールサイドに手をかけ、必死にバタ足を繰り返す。
「泳げるようになりたい」なんて気持ちは0.1%もないものだから、やる気も向上心もなく、体育の成績は10段階評価で3だった。
あれから20年以上経つが、40を過ぎた今でも、相変わらず泳げないままだ。プールにもいかないし、何なら水着すら持っていない。
でもひそかに、「プール付きのリゾートホテルに泊まりたいな」なんて思ってる。
プールサイドでカクテル片手に、セレブ気分を味わいたいだけだけど。
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