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トヨタ登場|情報持ち出しを「500円」から考えてみた@#6生きた教科書を読む


リスクコラム中井です。
 
イヤラシイ話で恐縮です。情報に価値があることを実感したのは、2014年秋です。
 
子供たちがお世話になっていた通信教育教材の会社から、お詫びの手紙と500円の金券が届きました。
 
登録していた我が家の個人情報が、外部に売られていたのです。
 
業務委託先の元社員が在籍時に顧客データを抜き取り、名簿業者に販売していました。データ数は3500万件(会社推計では約2895万件)とされ、当時<過去最大の個人情報流出事件として世間の耳目を集め>た案件です。この元社員は有罪判決を受けたそうです。(☞欄外①に出典)
 
500円は安い? いや、会社側から考えると、ざっと3000万件としても150億円です。
 
今回改めて調べてみると……諸々対応に経営資源を割かざるを得ず、しかも12年たってなお現在進行形。社内に情報セキュリティの監視組織を作り、対応状況と事件概要を公表し続けていました。
 
そのHPによると、流出した情報が利用されたと考えられるケース(2025年11月4日現在)について、<合計96社の事業者に対して、利用停止の申し入れや事実確認のお願いを実施>しているそうです。(☞欄外②)
 
鎖を断ち切られて闇に消えた「500円の情報」は、群れを成す猛獣のように暴れ続けていることが分かりました。

■前職の名刺500枚


ついでに、有名企業の入社式も思い出しました。教材会社の流出案件から数年後。業界紙に載った社長挨拶を読んで、脇が甘くないかと感じたのです。
 
別業種の営業マンから転職してきた新入社員が、前職時代に交換した名刺500枚以上を宝物にしているエピソード。それを、社長が実名入りで紹介していました。
 
即戦力新人の採用が嬉しいのは分かる。でも私の常識では、転職前の名刺は前会社のモノ。当時調べてみると、社会保険労務士法人も同見解でした。
 
広報担当の問題かもしれません。せめて社外に出る業界紙では表現を変えなきゃと感じました。内部監査にいてグループ内のリスクコラムを担当していたので、サクサク原稿にして情報共有したのを覚えています。(☞欄外③)

■日本は大丈夫か?


「情報」って危ないのに、私も含めて扱う側の意識は薄いですよね。
 
損保大手3社の社員が、出向先のトヨタ自動車から情報を持ち出していたと報じられました(☞欄外④)。詳細はまだ不明ですが、この件の処理は厄介かもしれないので、特に注目しています。
 
トヨタが出した「お詫び」を読むと、2016年~2025年ごろの間、<社内の組織表および議事録等のデータ>が持ち出され、取引先を含む関係者の情報が流出したそうです。
 
具体的には<会社名、部署名、役職、氏名、業務上の連絡先情報(電話番号、メールアドレス)および弊社従業員ご家族の弔事情報等>で、業務上の連絡情報にとどまるようではあります。
 
ただトヨタは、世界に冠たる技術を誇り、膨大な極秘情報を抱えています。「他にも重要情報を持ち出してはいないのか?」。損保大手3社には、徹底的な調査と情報公開で、ゲスの勘繰りまで一蹴する努力が求められます。

そもそも、生保・損保の業界では社員が出向先の企業から内部情報を持ち出す案件が多数報道されてきました。

例えば、経団連会長を出している日本生命。2025年9月12日のリリースで、銀行や代理店に出向していた社員が、窓販推進などに関わる情報約600件を無断で持ち出していたことを公表しています。

そんな生損保業界の悪い流れの中に、トヨタが登場したわけです。
 
気の小さい私がトヨタの広報担当であれば今ごろ、海外メディアに深掘りされないかビクビクしてるはず。見出しはもちろんトヨタ。生損保の杜撰な情報取り扱いを詳述して、「日本は大丈夫か?」という記事が想定できます。

ビッグネームの登場でステージが変わるので、トヨタと損保会社には今まで以上の手厚い事案処理が必要だと思うのです。

■新入社員をイジメないで

情報は使い方を誤ると恐ろしい。それが今回、私の読み取った教訓ですが、蛇足承知でもう一言だけ。
 
民放番組の新人スタッフが番組情報をSNSに流した事案がありました。もっと危ない橋を平気で渡る大人がたくさんいるんですから、あんまりイジメると可哀そうだと思うんですが、どうでしょうか。
 
          ◆  ◆  ◆
 
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。次の世代に後ろ指をさされないように、また、頑張ります。        <了>

【欄外①】出典:「企業不祥事インデックス第3版」(発行所:株式会社商事法務)P100
【欄外②】顧客への不審な勧誘を抑え込む努力は、ありがたい。実は不審メールが最近続くので、同社に電話しました。当時登録していたアドレスと、不審メールが届くアドレスは違うことが確認できたので、同社の情報漏洩とは別ルートでアドレスが闇に落ちているようです。この電話が今回の記事につながったので、やはり私は運が強い。
【欄外③】検索すると、いくつも所見が出てきます。例えば⇒退職した従業員が獲得した名刺の扱い方は? 管理や処理の方法・注意点を解説|SKYPCE(スカイピース)
【欄外④】記事⇒トヨタから情報持ち出し 法令抵触の可能性―損保大手3社:時事ドットコム トヨタの発表⇒弊社取引先関係者および弊社元関係者の皆様へ 業務上の連絡先情報漏えいのお詫びとお知らせについて
 
*ロクの祈り「あした天気になあれ」

「GIGIとBABAはGW中、孫のランドセルを買いに行くらしい」


 

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