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すこしですが おかねをもらってください|赤い羽根共同募金@生きた教科書を読む

 リスクコラム中井です。
 
ずっと前に、記事を書いて寄付を募ったことがあって、お金だけでなく手紙まで同封してくれる方もいらっしゃいました(noteで温かいコメントをいただく嬉しさに通じます!!)。
 
事務局からコピーを貰って読むと、いろいろ分かってきました。
 
「少ないですけど……」という控えめなニュアンスが、文面に共通して滲んでいます。また、金額のキリの悪さが、精一杯さを表しているようにも感じました。ありがたくて、コピーを捨てられません。

京都の女の子は、エレクトーンを弾く絵も添えてくれました

■賢者役
ここからは、ため息をつきながら、書きます。

赤い羽根共同募金を展開する北海道の組織が、集めた寄付金に最大1億8000万円の使途不明金があると発表しました(2026年6月15日)。男性事務局長が着服した疑いがあるのだそうです。
 
いま分かっている「がっかりポイント」は、少なくとも二つです。
 
一つ目は、会計をこの事務局長1人に任せきりだったこと。過去にいくつもあった金銭着服の典型的パターンと同じです。
 
二つ目は、日テレ系列局の幹部社員(2023年11月27日付で懲戒解雇)が「24 時間テレビ」の寄付金と会社資金を着服した件の教訓が、生かされていなかったこと。まともな組織なら「ウチは大丈夫か」と点検作業をしたはずです。
 
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶーーという格言がリスク管理の世界ではよく使われます。北海道共同募金会に、賢者役が1人でもいたら! そう強く思います。
 
■崖っぷち
日本の寄付文化は、崖っぷちかもしれません。
 
もちろん悪いのは個人だと思いますが、事実関係が解明されれば、共同募金会のシステムの問題点もハッキリしてくるでしょう。
 
世間は厳しく見ています。浄財を扱う全ての団体に、今度こそ徹底的なチェック作業と対策が必要だと思います。

不祥事が起これば、フォーマットに合わせて仕組みを見直して、「はい一丁上がり」……日本の組織は、そんなことをずっと繰り返してきたように思います。

でも今回は、対処を間違うと、寄付文化の深いところに不信の泥がたまるような気がするんです。
 
■天の配剤
こんな時には、せめて光明を探したいです。

都道府県共同募金会の連合会である「社会福祉法人 中央共同募金会」の役員欄に、会長として村木厚子さんの名前を見つけました。

厚生労働省課長時代に、大阪地検特捜部による冤罪事件で逮捕されたものの無罪を勝ち取り、復帰後には厚生労働事務次官も務めました。
 
修羅場をくぐった福祉の専門家が、いま会長職にあるのは天の配剤かもしれません。この難局で村木会長がどんな指揮を取るのか、注目したいです。
 
■「貧者の一灯」
事実関係の報道や批判はメディアにお任せして、最後にどうすれば良いかを考えてみます。
 
原点を見つめ直す。まずは、それだと思います。

募金活動なら、助け合う心です。困った人を助ける。助け合うーー寄付の文化の原点を辿ると、そういうことじゃないのかと思います。
 
冒頭で紹介した手紙のコピーは、30年以上たって、いま手元に8通残っていました。抜き出して並べて、1通ごとに思いを巡らせながら読んでいきます。
 
<微力ながら家族の全員の志を同封させていただきます>

<高校生のおこづかいから二千円貯まったので送ります。もっとど~んと送りたいのですが、まだ成人になっていないので…少なくてごめんなさい。少ないけど気持ちがこもってます!>

<少ないお金でごめんなさい>

<二万三千円程同封いたします。少しでもお役に立てれば幸いです>

<何にもできないですが、少しでも何かの足しになればと思います>

<貧者の一灯ですが、お取り扱い下さい>

<何もしてあげられない自分が悲しい。わずかですがお願い致します>

<すこしですが おかねをもらってください。くすりとかたべものを かってください。わたしとおとうさんとおかあさんの おかねです。あとからおねいちゃんとかおにいちゃんがくれました>
 
何度読み返しても、キリの悪い小さな気持ちは、温かくて大きいです。 

それを預かって、みんなに届ける仕事だという原点を見つめ直して、しっかり誇りを取り戻すことが、第一歩だと思います。

待っている人が、たくさんいます。一刻も早く立ち直って下さい。 
        ◆  ◆  ◆
 
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。次の世代に後ろ指をさされないように、また、頑張ります。<了>                           

*ロクの祈り「あした天気になあれ」

「GIGIは高脂血症薬もらいに内科行くので、今日は早めに投稿した。あわててたんで、帰ってからだいぶ書き直してたニャ」