どこのどいつだ!|濡れ衣⇒冤罪@#4生きた教科書を読む
リスクコラム中井です。
定番昼飯おにぎり2個は、コンビニのセルフレジで精算します。
店員さんの前を通るとき、388円の短いレシートを、わざと目立つようにヒラヒラ振りながら店を出ます。
「万引きでは、ありません!」 ささやかなアピール。
カミさんからは「どんだけ気が小さいの!」と引かれます。そうは言っても、性分なので諦めてもらうしかありません。

■証拠代わりのメール
濡れ衣は、罪深くて怖いんです。
4年前のあの時も、自分としてはかなりのストレスでした。
社長が主催する会議で、こちらの提案に対して、激しく指弾する声が同輩から飛んできました。
鳩に豆鉄砲的だったので、会議の後でその同輩とディスカッションしたところ、次の会議で“間違い指弾”はすべて撤回されました。お互いで事前に交わしていたメールを証拠代わりに突きつけたのが、効いたと思います。
■濡れ衣の先にある冤罪
レシートとかメールとか。そんなめんどくさい用意周到さが嫌いな人はたくさんいると思います。でも、想像力をグィーンと2段階延ばすと、新たな発見があるはずです。
まず、日本中のあらゆる組織・職場で、濡れ衣に苦しめられている人がいると思います。多くのハラスメントやイジメには、程度の差こそあれ、濡れ衣的な扱いが含まれていると思いますが、どうでしょうか。(☞欄外①=我流ミニ対策)
次に、そんな濡れ衣を極限まで引っ張った先にあるのが、無実の罪を着せられる冤罪(えんざい)です。比較してみると、会議での間違い指弾にムカつく自分はおそらく、体長0.05ミリのミドリムシよりも小さいヤツです。
■決めつけの凶暴さ
人が人を裁く現場を、苦く覚えています。
夫が実行役を使って妻を銃撃して殺害したーーという構図の裁判を傍聴席で取材していた時です。
殺害したのかどうかという「真実」を知っている人が、実はこの広い法廷で1人だけいる。殺害していないとしたら、凄まじい恐怖に締め付けられているはず。
被告人席に座る夫の端正な横顔を見つめながら、そんなことを考えていました。
1審では、実行役が無罪とされたにも関わらず、「他に実行役がいた」というムリ筋な理屈で夫に無期懲役が宣告されました。しかし、2審ではやはり、夫が逆転無罪を勝ち取って確定するのです。
昭和世代はお気づきかもしれません。この事件はメディア先行で大きく騒がれ、警察検察の捜査がその後を追う異例の展開を辿りました。
法廷でも揺れながら、結局は無罪確定です。最後の最後で審判が180度ひっくり返る現場に立ち会って、決めつけの凶暴さを実感・自戒させられました。
■一番悪いヤツ
法務省VS自民党でバトル討議して、冤罪をめぐる裁判ルール(再審制度)見直しが進められ、2026年5月13日に自民党部会が了承しました。
中身の分析評価は専門家にお任せするとして、私はどうしても許せない事を書きます。一番悪いヤツの存在です。
物事を裏から考えてみて下さい。さっきの事件とは別ですが、むかし取材した殺人事件の被害者遺族はとても気の毒でした。
長い時間が経過したあとで、加害者とされた側の無実が司法の場で確定しました。
すると、必然的に、犯人が別にいることになります。
警察の捜査を信じて仏壇にも報告した挙げ句、振り出しに戻されたご遺族に、かける言葉が見つかりません。そんな不条理な現実を、担当記者に記事化してもらいました。
真犯人は被害者遺族を苦しめ、犯人視された側をも苦しめます。警察、検察、裁判所、メディア、そして世の中を、あざ笑っているかもしれません。
そんな一番悪いヤツが、どこのどいつかは分かりませんが、この国にいるんです。
翻弄された人たちに対して率直にお詫びするのは当然として、警察や検察には「逃げ得」を許さない姿勢を見せて欲しい。
冤罪はもちろん、職場の濡れ衣だって、多くの人の人生を台無しにしかねないリスクをはらんでいます。
だから、濡れ衣や冤罪は罪深いと思うのです。
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ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。次の世代に後ろ指をさされないように、また、頑張ります。 〈了〉
【欄外①】我流ミニ対策 潔白を証明する証拠があれば、冤罪は回避しやすくなるはず。記録を取るというビジネスの基本は、濡れ衣対策でも有効かなと思います。内部監査にいたころ、日記的な記録を丁寧につけていました。後々面倒な展開が予想される場合には、口頭だけでなくメールでも記録を残したり、係争案件では双方承諾の上で録音したりもしていました。もちろん、普通の組織の普通の職場なら、必要ないと思います。時と場合による、という理解でお願いします。
■ロクの祈り「あした天気になあれ」

