あったかい南の国で「運転免許証」と「国民車マイヴィ」を手に入れるまで。金利3.1%の衝撃
1階は「G(グランドフロア)」、2階が「1階」。 かつてのイギリス植民地時代の名残が息づく南国のコンドミニアムで、私たちの新しい生活は始まりました。
窓の外には豊かな森が広がり、リスの家族が顔を出す。そんな穏やかな日々の裏側で、私たちは異国ならではの「手続きの壁」に直面していました。
銀行口座の開設、自動車の購入、そして最大の難関である「運転免許の切り替え」。 言葉も不十分、翻訳アプリもない時代。多くの日本人が高額な手数料を払ってエージェントに頼るなか、私たちはあえて自分たちの力で街へ飛び出しました。🚶♂️🚶♀️
そこで出会ったのは、損得抜きで私たちを助けてくれた現地の人々でした。
中古車センターの誠実な責任者・Cさん、そして、言葉の通じない役所で途方に暮れる私たちをタクシーに乗せ、時速100キロで「本土」へと導いてくれた、名もなき運転手さん。
今回は、人の善意だけを頼りに突き進んだ、波乱万丈の「足」確保までの物語を綴ります。
## 5階なのに6階?イギリス式の新居で始まった暮らし
私たちの新しい住まいは、豊かな森に囲まれたコンドミニアムの「5階(※5)」でした。 ……といっても、実際は6階。かつてのイギリス植民地時代の名残で、1階は「G(グランドフロア)」、2階が「1」と表示されるのです。最初はエレベーターのボタンを押し間違えては苦笑いする日々でした。
ベランダの目の前には大きな木があり、そこにはリスの家族が住んでいました。 セキュリティは万全。24時間体制のガードマンがネパールから働きに来ており、キャンティーン(食堂)のチャイニーズ夫婦は「日本が大好きだ」と私たちを歓迎してくれました。
## 「自分たちでやってみる」――英語力以上の武器は、誠実さ
この国で銀行口座を作ったり免許を切り替えたりするには、通常、高額な手数料を払ってエージェントに頼みます。しかし私たちは、あえて自分たちの力で取り組むことにしました。 当時は今のような便利な翻訳アプリもありません。頼りになるのは、先輩移住者のブログと、自分たちの足だけでした。🚶♀️🚶♂️
当初は、この国のドライバーの「交通マナーが荒いから」と車の運転を諦めていましたが、2年が経ち、遠くの市場へ行く不便さを感じて自動車の購入を決意しました。
私が生活をして感じた交通ルールが荒いと思うこと。
☆自動車とバイクの荒い運転
○方向指示器は付けないで急に曲がる車。
○人が横断しているのを見るとスピードを上げてくる。等
○バイクは左通行なのに右側を平気で走ってくる。
そこで出会ったのが、中古車センターの責任者・Cさんです。 彼は「お金のない日本人」だと思ったのか(笑)、無理に高い車を売るのではなく、燃費の良い国民車「マイヴィ(Myvi)」を勧めてくれました。

「プロドゥア・マイヴィ(Perodua Myvi)は、ダイハツ工業と共同開発されたマレーシアの国民的な5ドアハッチバック車です。2005年の発売以来、その高いコストパフォーマンス、広い室内空間、信頼性により、ベストセラーカーとしての地位を確立しており、1.3Lおよび1.5Lエンジンを搭載した第3世代が主力です。 安全と燃費性能からみると、衝突回避支援システム「ASA(Advanced Safety Assist)」を搭載し、高燃費性能(EEV政策適合)も実現しています。」
私達の求めている自動車です。この国の誰も欲しがる国民車です。ただ、値段が45,000RM~50,000RMと、この国の年収に値するので高級車ですね。

Cさんはさらに、驚くほど低い金利のローンまで、自ら銀行に電話して探してくれたのです。異国の地で出会った、プロとしての誠実さに心から救われました。
私の定期の金利は4.2%、自動車ローンの金利は固定で3.1%でした。
銀行預金の金利:4.2% 、自動車ローンの金利:3.1% この「借りたほうが得」という海外ならではの驚き。
## タクシー運転手と掴んだ、奇跡の運転免許証取得
一番の難関は、日本の運転免許から現地の運転免許への切り替えでした。 言葉の通じないJPJ(道路交通局)で途方に暮れていた私たちに、救いの手を差し伸べてくれたのは、偶然乗ったタクシーの運転手さんでした。
「番号札を先に取るんだよ」 「俺が代わりに書いてやるから」
彼は仕事そっちのけで書類を手伝ってくれただけでなく、窓口が閉まりそうになると「本土の役所の知り合いに電話してやる!」と、片道1時間のドライブを提案してくれました。

本土に向かう🚕タクシーの中は、誰もしゃべる人はいませんでした。本土の役所に到着し、彼が奥へ入っていくと……なんとその日のうちに、私たちの手には、現地の運転免許証が握られていたのです。私達は、お互いに信じられなくて、何度も現地の運転免許証を見ながら表記の間違いはないか、本当に自分のものかと確かめました。自分のものでした。両手を伸ばして「うれしーーーい!」😄

帰りの🚕タクシーの中で、「ラッキーだったね!」と笑う運転手さんの横顔を見ながら、何度も「Thank you so much.」と私も妻も言い続けていました。
どこに行っても、一生懸命に生きている人を助けてくれる人はいる。 日本で味わった「組織のしがらみ」とは無縁の、純粋な人の温もりがそこに(異国に)ありました。
言葉も不十分、コネも後ろ盾もない「異端児」の私たち。 でも、だからこそ、見知らぬ誰かの優しさがこれほどまでに心に染みたのかもしれません。 やっと手に入れた運転免許証と、2ヶ月待ちの新車。 いよいよ、マレーシアの公道へと走り出します。
次回は恐怖の初ドライブ。逆走バイクと方向指示器なしの右折。 ついに届いた「マイヴィ」。しかし、そこには日本の常識が通用しない「カオスな交通事情」が待っていました。 汗を握るハンドル、南国ドライブのリアルを綴ります。
