二度と撮れない写真
写れば写るほど、気づくことがある。
ポートレートには、二度と撮れない写真がある。
ロケーションや衣装は、また用意できる。
でも年齢も、外見も、表情も、
あの日と同じものは、もう出せない。
若い頃の写真を見返すと、「若い」と思う。
それは単に年齢の話じゃない。
初々しさとか、まだ何にも汚れていない純粋さとか。
そういうものが、顔に漂っていたからだと思う。
でも、今の自分の表情も好きだ。
重ねてきた年齢と、良くも悪くも積んできた人生経験。
恋愛でいっぱい傷ついたこと。
家族や人間関係で躓いたこと。
仕事で精神的な辛くなった夜があったこと。
嬉しかった出来事も、しんどかった出来事も、一つずつ通り抜けてきたから、悲しい時の気持ちも、楽しい時の気持ちも、前よりずっと分かるようになった。
全てが、今の顔をつくっている。
若い頃の表情には、純粋さがある。
でも今の自分には、陰影がある。
ふとした瞬間によぎる翳りも。
憂いを帯びた目元も。
全部、生きてきた時間がくれたものだ。
変わったのは、年齢だけじゃない。
そこに滲む、経てきた時間そのものだ。
若い頃は、肌が綺麗だったりする。
それはそれで、とても素敵だった。
でも、ふとした瞬間に翳りや憂いを滲ませられる、
今の自分も悪くない。
歳を取ることは、嫌じゃない。

——The Muse Archivesの写真集を更新するために、去年撮った写真を整理してたら、ふとこんなことを思った。
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いつも見守ってくれて本当にありがとう🫶