【飛鳥II 2024 世界一周】68日目その3:パナマ運河のミラフローレス閘門を通りました
2024年6月11日、飛鳥IIはパナマ運河を通峡しました。
68日目の続きの出来事について、お話します。
みらふろーれす
せっきん
ペドロ・ミゲル閘門を通過すると、すぐ前に最後の閘門、ミラフローレス閘門(Miraflores Lock)が見えてきました。
2つの閘門の間にあるのは、 ミラフローレス湖(Lago Miraflores)です。

湖を進行中、右手に船の先端らしきものが見えました。

先ほど通ったクレブラカットと太平洋を結ぶルートはふたつあり、一方は飛鳥IIが通るペドロ・ミゲル閘門とミラフローレス閘門があるルート、もうひとつはココリ閘門(Cocolí Locks)があるルートです。
大西洋とガトゥン湖を結ぶルートもふたつあり、飛鳥が通ったガトゥン閘門があるルートと、アグア・クララ閘門(Agua Clara Locks)があるルートです。
ココリ閘門とアグア・クララ閘門は、パナマ運河拡張プロジェクトの要として2016年に完成しました。
両閘門は従来よりも大きな閘室を3つ備えており、大型船の通航が可能となりました。

パナマ運河を通過できる船舶の最大のサイズは「パナマックス(Panamax)」と呼ばれており、長さ 約294メートル、幅 約32メートル、喫水 12メートルです。
ちなみに飛鳥IIは、全長 約240メートル、幅 約30メートル、喫水 約8メートルで、特に幅は差が約2メートルしかない、ギリギリのサイズです。
きかんしゃ
ミラフローレス閘門は、閘室が2つあり、太平洋の高潮位差を受けるために一番丈夫に造られています。
これまで閘門通過時は前進方向ばかり見ていたので、この閘門ではいろんな方向を見て過ごすことに決めました。

閘門に近づくと、電気機関車が近づいてきました。
電気機関車は、船首の左右に各2台、船尾の左右に各1台の計6台で、狭い閘門内での船の左右方向やブレーキを制御するために使用されます。
閘門への前進と閘門通過は、船のエンジンによっても行われます。
機関車は別名「Mule(ラバ)」と呼ばれていて、これはパナマ地峡を横断するのに伝統的に使われていた動物に由来しています。
さらにこの機関車は、川崎重工製の車両、三菱重工業製の駆動用ギアケース、東洋電機製造製のインバーターとモーターなどが使用されているそうです。
こんな遠く離れた場所で日本の技術が活躍しているなんて、嬉しくなります。

飛鳥Ⅱの船体と機関車をワイヤーで繋いだあと、船はゆっくり前進しました。
機関車の後ろに座っているおじさんが、とてもくつろいでいました(笑)。

びじたーせんたー
閘門のすぐそばに、ミラフローレス・ビジターセンター(Miraflores Visitor Center)があります。
地上階にテラス、1階に観覧席、さらに2階建の展望デッキがあり、運河の運行状況、閘門を通過する船の様子、そして船の動きを観察できます。
さらに、モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)がナレーションを務める、パナマ運河の歴史と運営に関する3D映画をIMAXシアターで鑑賞することもできるそうです。
見学しているたくさんの人たちと、船首にいる航海士さんを含めた飛鳥IIのクルーの方々・乗客の方々で手を振り合っていて、見ていてほっこりしました。

ビジターセンターの奥の方に、高層ビルが見えました。
パナマの首都パナマシティ(Ciudad de Panamá)の高層ビル群です。
高層ビルが立ち並ぶ光景に驚き、パナマシティの発展ぶりを実感しました。

もん
ひとつめの閘室に入ると、水位とともに飛鳥IIの船体もゆっくり下がっていきました。
閘門の側壁と中央壁には、閘室の水位を上下するための大きな主水管が埋め込まれていて、列車が通れるほどの大きさがあるそうです。
水は、閘室底部の穴を通って、主水管へ排水されます。
水が減っていく様子は、何度見てもおもしろいです。

水位が次の閘室の水位と同等まで下がったら、前方のゲートが開きます。
ここで、ゲートが二重構造になっていることに気づきました。
ゲートは相当な量の水をせき止めなければならず、破損すると下流で洪水を引き起こす可能性があるため、それに耐えられる十分な強度を備えています。
さらに、二重構造にすることで安全性を高めているそうです。

ここでふと隣の水路に目をやると、ゲートの上に鳥が止まっていました。
船も水もゆっくり動いていて、のんびりな空気を感じました。

閘門の中央にある建物には、パナマ運河庁(Autoridad del Canal de Panamá)のロゴや閘門の名前、完成年(1913)が記されています。
そういえば、他の2つの閘門にも同じものが建てられていましたが、前進する様子や水位の変化に夢中で、じっくり見ることができていませんでした。
最後の閘門でしっかり見ることができて良かったです。

次の閘室へ進むにあたり、電気機関車は坂道をゆっくり降りていきました。
坂道の高低差を見て、2つの閘室の水位差を実感しました。
ちなみに、この2段階の水門により16.5メートル昇降するそうです。

そういえば後方を見てなかったと思い、船尾へ回ると、先ほど通ったゲートが閉まっていくところを見ることができました。

こうして見ると、飛鳥IIの幅が、閘門の幅ギリギリであることを実感できます。
前述のようにその差約2メートルなので、電気機関車が両側でサポートしてくれているとはいえ、側壁にぶつからないように航行するのは飛鳥II側でも電気機関車側でも細心の注意が必要なんだろうなと思いました。

最後の閘室に入り、後ろのゲートが閉まった後は、排水が開始され、再び船体が下がっていきました。
間近でゲートを見て、その高さを感じました。

最後のゲートを抜けたら、そこはバルボア港(Puerto de Balboa)です。
遠くにアメリカ橋(Puente de las Américas)も見えました。
パナマ運河を抜けた先の太平洋は、すぐそこです。

ミラフローレス閘門の通航を動画撮影しましたので、よろしければご覧ください。
おわりに
飛鳥II 2024年 世界一周クルーズ 68日目の出来事について、お話しました。
最後のミラフローレス閘門では、電気機関車による誘導や二重構造のゲート、水位調整の様子などを間近で見学しました。
幅ぎりぎりの閘門を慎重に進む飛鳥IIの姿は迫力満点です。
パナマ運河を支える高度な技術を最後まで存分に体感し、その壮大な技術力に改めて感動しました。
次は、68日目の続きの出来事について、お話します。
