おじいちゃんからの500円
私が小学生だった頃、おじいちゃんがケートラを走らせて近所に野菜を配っているのをよく眺めていた。
当時からボーっとしている私は、おじいちゃんが仕事をしているって感覚は全くなかった。
「あんた、たまにはおじいちゃんと一緒に行ってきたなさい」
母親はボーッとしている私に仕事について肌で感じてほしかったんだと思う。
母親に逆らうことのできない私は、渋々おじいちゃんのケートラに乗った。
おじいちゃんのケートラはタバコ臭かった。
けど、私以外の家族がタバコを吸っているから、その匂いにも慣れていた。
私は助席から、左手で華麗にギアを動かすおじいちゃんの運転を見て
「僕には、真似できない」
とすでに諦めていた。
配達は90分程で終わり、やっと家に帰れると思うと、おじいちゃんから500円をもらった。
その頃の私はおじいちゃんが500円を利益上げるために、どのくらい畑仕事をしているか想像もできなかった。
どうせなら、私にお金を渡すのではなく、それこそマイルドセブンを買えばよかったのに。
けど、もらった私よりも心なしかおじいちゃんのほうが嬉しそうだった気がする。
次の週も私はおじいちゃんと配達に行った。
けど、小学生だった私はすぐに飽きて寝てしまった。
それでもおじいちゃんは500円をくれた。
当時の私は500円よりも遊戯王の放送が大切だった。
翌週からおじいちゃんの配達にはついて行かなくなった。
さっき、お墓参りにをしたときに線香の代わりにマイルドセブンでも買って行ったらおじいちゃんは喜んだだろうか。
もう少し、助席に乗っていたらよかったな。
素敵な企画を締め切りを過ぎた後に発見してしまいました。
たまたまお墓参りしたら思い出してしまって応募してしまいました。
間に合わないかな(笑)
読んでくださった方、ありがとうございます。
