ムダを嫌う「ピラカンサ」の戦略
こんにちは。
ピラカンサの真っ赤な実が鈴なりになっています。美しい。
このピラカンサの生存戦略が素晴らしいのです。
まずは、棘(トゲ)。硬く鋭いトゲのバリアが、捕食者から身を守ります。
次に、毒。種子に含まれるアミグダリンという毒が、捕食者・鳥へ警告を与えます。まだ食べちゃダメ。果実に毒はないのですが、渋みがあります。
だから、お腹がすいてどうしても食べたがる鳥には、丸のみさせて種子を丸ごとフンとして排出させて子孫を残します。
そして最後、鳥の食糧不足の時期(他の食料が尽きた頃)までに、種子の毒を薄め(寒さで毒が分解される?)、美味しい状態にもってきます。そして、「さぁ、お食べ」とわが身を差し出します。全面的にウェルカム。
食事に招かれた多くの鳥が、種子を遠くまで運んでばらまいてくれるというわけです。
まとめますと、秋から初冬は、赤い実をつけても食べられるのを拒否し、「待った」をかけて待機させます。晩冬から早春に、食べるなら「今でしょ」と言わんばかりに門戸開放。飢餓状態の鳥たちに、ごちそうを集中的に提供し、あちらこちらに種子を運ばせるんです。ダラダラさせない。
ムダの無い戦略だと思いませんか?
名前もね、面白いんです。
ピラカンサは中国原産のバラ科の植物。だから、鋭くて硬いトゲがあるんです。
この赤い実とトゲから、ギリシャ語で、ピル(火)アカンサ(トゲ)=ピラカンサと呼ばれています。
不思議なことに、中国語では「火棘」、英語では「ファイアー・ソーン」で、意味がいずれも「火とトゲ」なのに、日本語では「タチバナモドキ」「トキワサンザシ」で、全く火とトゲが出てこないんです。
日本では、どの植物に似ているかという特徴から名前をつけているんでしょうか。謎。
ピラカンサの「ムダを嫌う」戦略は、私たちに赤い果実を観賞する時間を与えてくれてもいます。「見て、見て」と誘惑するピラカンサに、まんまとひっかかって、ほれぼれいたしましょう。
*食べちゃダメですよ
それでは、またの日に。
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