起承転結は小説を殺す?
小学校や中学校。作文の授業では必ず出てくる起承転結。
この文章構造は、中国の漢詩にそのルーツを辿る事が出来ます。
孔子が編纂されたと言われる最古の詩集『詩経』は、紀元前6世紀~10世紀頃の発祥とされ、今でも使い続けられているのですから、その完成度は鉄板です。
物語の型とての起承転結とは、
起:話を始める 。
↓
承:詳しくする 。
↓
転:視点が変わる。(核心)
↓
結:意味が見える。
この構造は、「論理で納得させる」のではなく、 「流れを体験させて理解させる」ための構造設計です。
利点としては、
説教っぽくならない。
押し付けにならない。
反発を生みにくい。
情報処理の負荷が低い。
感情と理解を同時に動かせる。
対立なしでも成立する。(争い・問題設定が不要)
なので、日常、自然、哲学、随筆に強い構成です。
また、美的余韻、解釈の余地、深みなどの表現形式として日本人は大好きです。
小学~中学の初等教育に組み込まれているので、なんの疑問も持つ事が出来ないほど、日本人の思考のアーキタイプとなっているのです。
小説の三幕構成とは物語を「変化」と「葛藤」で進めるための世界標準のストーリー設計です。
第1幕:設定(Setup)
第2幕:対立(Confrontation)
第3幕:解決(Resolution)
映画・舞台・大衆小説。世界中で読まれ続けている物語の骨格として三幕構成は鉄板です。
アリストテレスが2400年前に発見し、ハリウッドが体系化し、世界中の脚本家と小説家が使い続けている構造。
あぁ、知ってる知ってる。
あの薄いハリウッド映画のパターンね。
なんで今更、大味な脚本形式を学ぶ必要があるの?
理由は明確です。
完成されたプロット手法を手に入れる事で、小説が完成するからです。
小説家志望の方々の99.9%は、一本の小説も完結しないままに断筆します。
ストーリーが迷子。
次のシーンが浮かばない。
キャラクターを出し好きで大混乱。
主人公の性格が途中で変わってしまう。
物語の辻褄が合わなくなってしまう。
伏線が回収できない。
大風呂敷を広げたけれど、どこに着地するか自分でも分からなくなってしまう。
戦いは続く―! で無理やり終わらせる。
そして世界は滅んだ。 で無理やり終わらせてしまう。
その他、屍累々……。
物語の三幕構成を「ハリウッド形式だよね」と軽んじる輩は、学習と研究のどちらかが絶対的に不足しています。
小説家のレベルは、最後まで書きあげた小説の本数です。
気づきましたか?
この記事は起承転結で書かれています。
短い文章、論説、ブログ記事には向いていますよね。
しかし八万字以上の小説には向かない。
なぜならば、次のページをめくらせる仕掛けを、連続的に織り込めない構造だからだ。
次回、三幕構成の全体像を公開します。
