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たとえ越えられなくても ~Endless SHOCK大千穐楽ライブビューイングを観て~

「自分には技術がないので、気持ちだけでやってきました」


光一のこの言葉が、僕の胸へと突き刺さる。



先日、KinKi Kidsの堂本光一が主演を務めるミュージカル『Endless SHOCK』が大千穐楽を迎えた。全国の映画館でライブビューイングが行なわれるということで、KinKi Kidsファン歴24年目の僕は当然応募し、見事当選。初冬の北海道特有のちょっとした吹雪の中、雪まみれになりながらライブビューイング会場に赴き、観劇した。そして感激した。客席の上空で飛翔するいわゆる"フライング"は、落ちないか内心ヒヤヒヤしたが、杞憂に終わった。

日本一チケットが取れないことで有名なEndless SHOCKだが、実は一度だけ生で観劇したことがある。5年前、大阪公演に応募し、見事当選。残暑の9月にロング丈ニットという厚着で、汗だくになりながら梅田芸術劇場に赴き、観劇した。そして感激した。生光一は文字どおり一番光り輝いていたし、生フライングは圧巻だった。自分の席に落ちてこないか内心ヒヤヒヤしたが、杞憂に終わった。

Endless SHOCKは、"Show must go on"(「(どんなことがあっても)ショーは続けなければならない」という意味)をキーワードに進んでいく、若きショーマンたちの物語。歌もダンスも演奏も、演技も殺陣も階段落ちも、なにもかもがとにかく素晴らしい。語彙力が足りなくて歯痒い。

そんなビューティフルなミュージカルが幕を閉じてしまうのは非常に残念だが、有終の美を飾る瞬間に立ち会えたことはファンとしてこの上ない喜びである。

大千穐楽というだけあって、カーテンコールはかなり長尺だった(体感で約1時間)。前田美波里や上田竜也(KAT-TUN)ら主だった出演者のコメントを聞いていると、それぞれのEndless SHOCKへの愛情がひしひしと伝わってきた。

その中で、冒頭の光一の言葉が、とても印象的だった。


「自分には技術がないので、気持ちだけでやってきました」


技術が、ない、だって?
ちょ、光ちゃんったら! 技術がなかったらお客さんなんて集まらないし、24年も続けられないでしょうが! やーねー!

でも、ストイックな光一のことだ。本当に心の底から思っているのだろう。


「自分には技術がないので、気持ちだけでやってきました」


この言葉がとてつもなく重く感じるのは、僕だけだろうか。



僕が物書きを名乗ってから、もうすぐ2年になる。

主にnoteで執筆活動を続け、賞を頂いたり、ほかのnoteクリエイターと交流したりと、ありがたいことに楽しく過ごしている。

一方で、満足のいく文章が書けなかったり、コンテストでなかなか成果が出なかったり、ライバルの活躍に嫉妬したりと、自分の不甲斐なさにやきもきすることも少なくない。

あの人もこの人も、みんな本当に素晴らしい文章を書き、活躍している。なのに自分は……

立ちはだかる壁が高く、そして多い。越えられなくて泣きそうだ。


こんなとき、光一ならどう思うだろうか。


「自分には技術がないので、気持ちだけでやってきました」


長く険しい道を走り、それでも満足することなく、さらに走り続けてきた光一なら……




……なんだ、答えはすぐそこにあるじゃん。


技術がないなら、気持ちで走り続けるだけだ。


光一と自分とを比べるなんて非常におこがましいことだが、芸事も文章も突き詰めれば同じところに行き着くような気がする。正解はないし、優劣もない。自分が良いと思うもの、自分が面白いと思うものを、ひたすらに追い求める。ただそれだけのことだ。

もちろん仕事である以上は、お客様のことも考えなければならない。が、それはそれとして、現状に満足せず自分が納得できるまで走り続けるのは、技術や評価よりも大切なことかもしれない。

その姿勢を、たゆまぬ向上心を、僕は光一から学んだ。
僕にとって光一は、ただの好きなアーティストってだけではなく、明るい未来へと導いてくれる存在、まさに一筋の光なのかもしれない。今更だけれど、大尊敬している相手を下の名前で呼び捨てにしてしまって申し訳ない。ごめんね、光一。


目の前にそびえ立つ高い壁。途方に暮れるほどたくさんの壁。たとえ越えられなくても、僕は走るのをやめない。書くのをやめない。

技術がなくても、気持ちで走っていけばいいのだから。

僕の人生もまた"Show must go on"なのだから。




本記事は、ことばと広告さんの企画「#モノカキングダム2024」の参加記事です。今年も参戦させていただきました。

テーマが「こえ」ということで、「え」をチョイスしました。
書くことに対する思いを、備忘録的な感覚で書いています。物書きの同志の皆さんになにか響くものがあったなら幸いです。


ことばと広告さん、今年も企画してくださりありがとうございます!!


#推しのいいトコ好きなトコ
#今年学んだこと


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