本物のヒーローは遅れてやってこない
女子「きゃー!」
悪者「ぐへへ、観念するんだな、お嬢ちゃん」
女子「誰か助けてー!」
悪者「ぶほほ、誰も助けになんかこねーんだよ!」
主役「待てーい!」
悪者「誰だ!?」
女子「あ、あなたは…!」
主役「こら悪者! その娘を放せ!」
悪者「むぐぐ、なぜお前が!? お前は我が部下が始末したはず…!」
主役「俺もダメかと思ったが、仲間が助けてくれたのだよ。そして、お前が油断する隙を狙っていたというわけさ。ヒーローは遅れてやってくるものだからな!」
じゃあないんだよ(ルシファー吉岡)。
決して、ヒーロー作品を批判するわけでも、勧善懲悪を否定するわけでもない。むしろ特撮ヒーローは大好きだ。本記事の主旨ではないので割愛するが、特撮愛を語らせたら10万字を優に超えるだろう。
しかし、「ヒーローは遅れてやってくる」という華々しい謳い文句に関しては、少々異議を唱えたいところである。
思うに、「ヒーローは遅れてやってくる」のではなく、「遅れてやってきた者がヒーローになる」のが正しいのではないだろうか。
もっと言うと、「遅れてやってきた者が目覚ましい活躍をしたからヒーローになる」のだろう。
遅れてやってきたのにもかかわらず大して活躍しなかったら、ただの遅刻した人だから。
整理すると、活躍することは大前提で、遅れてやってくることでその場の注目を浴びることになる。遅れることによって、見せ場ができるというわけだ。
ただ、よくよく考えてみれば「事件を未然に防いだ者」が最もヒーローらしいのではないか、というのが僕の意見である。
冒頭の茶番事例にしたって、女子がさらわれそうになった段階でもう事件は発生している。
仮に、たとえば悪者の侵入を阻止するなどして未然に防いでいれば、こんな大事にならなかったはずだろう。聞いているか、マリオよ。
ところが、事件を未然に防いだ場合、大活躍もないわけで。
ということは、ヒーローとして称えられるどころか、女子にとっては何も起きていないわけだから、感謝の言葉もないのである。
物語やゲームではそれだと面白くないので除外するとして、目立たないがゆえに最大の功労者に何の栄誉もないというのは、なんだか不憫だなぁと思う。
何が言いたいかというと、本当はヒーローなのにヒーローとして評価されていない人が、世の中にはたくさんいるということ。
誰かが忘れたことを、他の誰かがやっておいてくれる。
誰かが落とした物を、他の誰かが拾っておいてくれる。
そして、自分がやってあげたことを言わない。
言うなれば「地味なヒーロー」だろうか。
僕は「地味なヒーロー」がカッコいいと思うし、自分もこうありたいと思っている。
そして、なるべくそのさりげない行動に目を向け、気づいたときには感謝の言葉を贈る。
あなたの周りにも「地味なヒーロー」はいるはずだ。願わくば、その「地味なヒーロー」にささやかな感謝を。

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