私の投資方針:バーベル戦略を個人に落とし込む
ネイトです。100万ドル到達を目標に米国株投資をしています。
(10万ドル達成まで道のりは以下に記載。)
現在の投資方針の総括をしておきます。自分のための言語化が最大の目的ですが、誰かの何かのお役に立てたら幸いです。
尚、本記事は、特定の銘柄や金融商品の購入や売却等を推奨するものではありません。投資に関する最終的な意思決定は、読者ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。
0. 要約
現金+超短期国債で壊れない土台(安全)を厚く確保
少額×多回数の遠めコール(攻撃)で右テール(大当たり)だけ狙う
指数プット+VIXコール(ヘッジ)でクラッシュ時の損傷を限定
予想より構造。個別の当たり外れではなく、生存と凸性で戦う

1. なぜこのやり方か
ナシム・ニコラス・タレブの考え方を個人向けに要約すると、
左のテール(大損)は切り、右のテール(大勝)は開いておく。
予想ではなく構造で勝つ。
私はこれをバーベル戦略として実装しています。
2. ポートフォリオの3本柱
ポートフォリオは3つの柱から成り立っています。
安全
目的:左のテールを切ること、生存最優先
具体例:現金、SGOV (0–3ヶ月米国債ETF)
配分目安:通常 65% を目標
攻撃
目的:右のテールを開くこと、アップサイドの可能性を取り込む
具体例:コールオプションロング(FR/LEAPS)、現物
配分目安:30% を目標
ヘッジ
目的:反脆弱性を取り込む、事故時の損傷限定
具体例:SPY/QQQ プットオプションロング+VIXコールオプションロング
配分目安:常設 5%
3. 攻撃の仕込み方(ルールは機械的)
FR=遠めの買いコール
満期:7〜12ヶ月(DTE 180〜360)
デルタ:0.20〜0.35(右尾を取りに行く帯)
板:建玉1,000枚↑/出来高200↑/スプレッド≤10%(薄い板は門前払い)
週に1枚だけ、最も空いている枠に追加(深掘りせず、回数を増やす)
GTC利確(発注と同時に入れる)
2倍で1/2利確 → 5倍で1/4利確 → 残りはFR(走らせる)
45DTEになったら:OTMは撤収、ATM〜軽ITMはDTE180–270へロール
サイズ管理
FR総量の最終上限=口座の12%
1銘柄あたり≤0.8%(“幅”で増やす)
決算の3営業日前は新規建て禁止
4. セクター枠で管理する(偏りを強制的に防ぐ)
GICSの11セクターを土台に、1セクター=最大2枠でFRを置くことを最終的な目標とする。
枠の例:CyberSec / AdTech / InsurTech / Defense‑Software / AI‑Infra周辺 / Life‑Sci Tools / FinTech / Healthcare / Space / Crypto‑Infra / Nuclear …
「枠に資金上限を持たせる」「銘柄は枠の中身」と考えることで、単一テーマへの過集中を防止。
追加は枠の空きに週1枚。これだけで自然に分散が進みます。

5. 銘柄選定はvia negativa(落とす理由から)
門前払い(どれか 1 つで即不採用)
オプションの質が低い(上記の板・Δ・DTEを満たさない)
慢性的な希薄化(ATM・増資を常習)
負債が重い(ネットデット依存)
法務/規制のバイナリが近い(結果の分布が読めない)
顧客集中 or 会計の透明性に疑義
既存FRとテーマが被り過ぎ(相関が高すぎる)
採用の仮説は現状 2 つだけ
期待剥落→再評価:株価▲40%以上でも、売上20%成長+粗利/FCF改善
折れ点の加速:連続2Qで成長・ユニットエコノミクスが明確に良化
目標は「当てる」ことではなく、落とせなかった1件だけを小さく買うを積み重ねること。
6. ヘッジは常設・反射神経いらず
SPY/QQQプット+VIXコール合計で 5%±1%を維持
3倍になったら1/2利確 → 建値の60–80%で自動リロード(指値/GTC)
月間ヘッジ純コストは口座0.15%以内に抑える
7. 売買タイミングと買い階段
高値からの調整時は売値基準で −20% / −35% / −50%の買い階段(40/35/25%の配分が目安)
集中が7%を超えたら必ずトリム(生存が最優先)
記載時点では Duolingo が 7% 以上の集中となっているので、ポートフォリオ内ではアラートが出ている状況です。 Duolingo には現時点で大きな確信があるので即座にトリムすることが難しく、向こう 1-2 ヶ月で適正なサイズに調整する予定でアクションを組み込んでいます。
8. 記録と評価(毎週やること)
生存:Safety比率(≥65%)/単一銘柄比率(≤7%)
凸性:今週の2×/5×/10×の本数、到達までの日数
コスト:ヘッジ純コスト(≦0.15%/月)、FR在庫比率(段階表:8%→10%→12%)
運用日誌:追加した枠、落とした理由、次週の候補1位
直近実績:TEMのFRが自動で2×利確(+102%)。ルールで勝ちを拾う手応えを得ました。
付録:用語解説(保存版)
A. 戦略・設計の言葉
バーベル戦略(Barbell)
左端に安全(現金/短期国債)、右端に高凸性(小さな宝くじ)を置き、真ん中を薄くする設計。
目的:左のテール(大損)を切り、右のテール(大勝)を開いたままにする。Via Negativa(ヴィア・ネガティヴァ)
「落とす理由でふるいにかける」手順。
例:薄い板・常習的な希薄化・重い負債・法務バイナリ・顧客集中・既存FRと高相関 → 即不採用右尾/左尾(Right/Left Tail)
分布の端にある大当たり/大外れ。タレブ流は左尾を設計で遮断し、右尾だけを小口×回数で取りにいく。セクター枠(Slots by Sector)
GICSの11セクターを箱にして「枠」管理する考え方。1セクター=最大2枠/1銘柄≤0.8%。
B. 安全・攻撃・ヘッジ
安全(Safety)
現金+SGOV(米国超短期国債ETF)。口座の≈65%。暴落時の生存燃料。攻撃(Attack)
小口でコールロングを積む部分(FR/LEAPS+一部現物)。最終的に総量12%(FR)が上限。ヘッジ(Hedge)
SPY/QQQプット+VIXコールで5%±1%維持。3倍で1/2利確→建値の60–80%で自動リロード。
C. オプション実務の言葉
FR(Far‑dated Call/遠めの買いコール)
満期7–12か月(DTE 180–360)、Δ0.20–0.35帯で買うコール。
ねらい:小さな保険料で大きな上振れ(右のテール)を取る。
目安:原資産が+30〜40%で2×になりやすい(IV/時間価値に依存)。LEAPS(長期オプション)
満期1–3年のオプション。現物の代替(Δ0.60–0.75の質の良いコール)として使うことも。DTE(Days to Expiration)
満期までの日数。45DTEを切ったら
OTMは撤収
ATM〜軽ITMはDTE180–270へロール(期限延長)。Δ(デルタ)
原資産1ドルの動きに対するオプション価格の感応度。
FRの買いはΔ0.20–0.35/LEAPSの代替現物はΔ0.60–0.75が目安。Γ(ガンマ)・Θ(セータ)・Vega
ガンマ=デルタの変化率(動きが付くと加速)。
セータ=時間価値の減衰(買い手は不利)。
Vega=IV(インプライド・ボラ)への感応度。ATM/ITM/OTM
行使価格が現値近辺/有利側/不利側。FRは基本OTM、LEAPS代替は軽ITM〜ATM。IV Crush
決算などイベント通過直後にIVが急低下する現象。決算3営業日前の新規FRは建てない。OI(建玉)・出来高・スプレッド
OI≥1,000枚/出来高≥200/Bid‑Ask≤10%(または≤$0.20)を門前払い基準に。ロール(Roll)
期限や行使価格を延ばす/組み替えること。
ロールアウト(期限だけ延長)/ロールアップ(行使価格を上げる)/ロール‑アップ&アウト(両方)。GTC(Good‑Till‑Canceled)
取消まで有効の指値。FRは発注と同時に
2×で1/2、5×で1/4の利確GTCを置く(残りは走らせる)。RR(Reload & Roll)
利確で原資回収→次のFRにリロードしつつ、45DTEでロールする運用サイクル。
D. 銘柄選定・指標
期待剥落→再評価(De‑rating → Re‑rating)銘柄
52週高値比▲40%超、でも売上≥+20%、粗利・FCFマージン改善、ネットキャッシュに近い。
悪い期待を織り込み過ぎたところを狙う。折れ点(Inflection)銘柄
連続2Qの成長加速、NRR>110%、RPO>売上、ARPU↑、粗利+200bpsなど。
構造が変わり、右尾が開くタイミング。Rule of 40
売上成長率+営業/FCFマージン≥40が目安(SaaS等)。LTV/CAC
顧客生涯価値/獲得コスト。>3が理想。希薄化(Dilution)
新株発行・ストックオプションで既存株主の比率が下がること。恒常化している銘柄は門前払い。ネットキャッシュ/ネットデット
現金−有利子負債の差。ネットキャッシュ(または低レバ)が理想。
E. ルールの数値(運用チートシート)
FR:週1枚だけ、Δ0.20–0.35/DTE 180–360、総量≤12%、1銘柄≤0.8%
利確:2×で1/2、5×で1/4、残りは走らせる(GTC)
45DTE:OTM撤収/ATM〜軽ITMはDTE180–270へロール
買い階段(現物/LEAPSの追加):売値基準‑20%/‑35%/‑50%を40/35/25%で分割
集中上限:単一銘柄の時価総額比≤7%(超えたら必ずトリム)
ヘッジ:5%±1%(SPY/QQQ P+VIX C)/3×で1/2利確→自動リロード
決算3営業日前:新規FRを建てない
週次オペ:月=1枚発注、火〜木=via negativa選定、金=1位確定、土=レビュー
F. よくある疑問
「FRはOTMでもいい?」
はい。Δ0.20–0.35帯で7–12か月あれば十分右尾が働く。
一方で現物代替のLEAPSは軽ITM〜ATM(Δ0.60–0.75)の質が良い。「損切りは?」
FRの最大損失はプレミアム。原則時間で管理(45DTEルール)し、価格での強制損切りはしない。「Wash Saleは?」
米税制では30日内の同一/実質的同一証券の損失繰越が不可。適用国・口座で扱いが異なるため、税務は各自で確認。
G. ミニ例(FRの感覚)
原資産 $100、DTE270日、Δ0.30のコールを$5で購入。
原資産が+35%→$135、IV据え置きだとオプション価格は概ね2×前後($10前後)になりやすい。
ここで1/2利確→原資回収。残りは恩株化して右テールを開いたままにする。
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