しつこい家庭教師勧誘に、弟が東大生設定になった
「弟が、東大なんで」
私は、堂々と嘘をついた。
卒業アルバムや学校のクラス分け、
連絡網に住所や電話番号が書いてあった時代。
時代背景もあり、勧誘が多かった。
布団とかサプリとか。
家庭教師はとにかく多い。
実家にいたころ。
「家庭教師を…」
(まただよ、めんどくさい)
はぁ。
「それで…」
電話の向こうでずっと話している。
「すいません」
私は話を遮った。
「弟が東大なんです。
弟が教えているから結構です。」
スラスラと大ウソをぶっこく私。
だって、断っても断っても
「家庭教師が~」が、何度もかけてくる。
しつこい。
それなら、
かかってこないようにしないと!
ニヤッと笑って、電話を切った。
何回か繰り返すうちに、かかってこなくなった。
私の勝ちだ。
ただ、自分が東大とは言えなかった。
話し方で
「お前、絶対東大じゃないだろ」
と、バレる気がしたからだ。
だから、弟にその役を押し付けたのだ。
スラスラ嘘つく私を見て
母親は毎回、苦笑い。
誰に似たんだろう?
黒電話の謎のビニールっぽいレース
あれだけで一気に昭和。

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