ラボ任せだった私が、自分でフィルム写真を完成させるまで
フィルム写真、色味を構成する要素が謎すぎる。
そう思い、神奈川県まで足を運びワークショップに参加してみた。フィルムのスキャンからカラー現像の仕方が学べるものだ。
去年からフィルム写真がどっぷりと好きになり、日常も旅も作品撮りにも、フィルムカメラを使うようになった。段々と使い方に慣れてくると、いろんな疑問がうまれる。
露出の設定はあってる?
この色味はフィルムの特徴?それとも撮影条件?
一度撮ったものと同じ雰囲気で撮りたいけど、どうすれば?
現像やスキャンはいつもラボにお願いしている。フィルムの特徴や撮影者の意図、ラボの色などを写真毎にベストな条件で調整してデータ化してくれる。フィルムのデータが返ってくるたび、福袋を開けたときのように「たまらない…!すてき!」とうれしくなる。
プロが仕上げてくれて助かる反面、写真の色味の要因が特定できない。ラボやオーダー方法をときどき変えていることも原因だろう。
けれど、同じオーダーで依頼をしても、ちょっとした色味が異なるのは、どうしてだろう?返却されたネガをみただでは、迷宮入りである。
恋に落ちるよりも、色味の再現性がむずかしい……!と思うことがしばしばあり、撮れば撮るほどフィルムのことが益々わからなくなっていった。
もっと知りたい。
それなら、と自分でやってみることにした。
スキャンは化学実験
フィルムのネガスキャンには色々な方法や機械がある。今回は、デジタルカメラでのスキャン方法をまじまじと見ることができた。
スキャンにはデジタルカメラ、マクロレンズ、スキャナーなどが必要になる。この日は現像済みのネガを持参。
レンズの先に専用アクセサリーを装着すると、その姿はまるで顕微鏡。その佇まいに妙にワクワクしてしまった。
ネガの一コマをデジタルカメラでRAWで撮影し、データ化していく。水平やネガを撮影する設定が大事らしい。慣れれば36枚撮りの1ロールが5分ほどでスキャンが終わるそうだ。手際よくスキャンされていく様子を見ればみるほど、慣れる気がしない。

凝視してしまう
ネガが汚れていたら、薬品を使うことで洗浄ができると言う。きれいな写真をつくるのには、鮮度と仕込みが重要と聞き、大学のときの実験で道具の洗浄を徹底していたことを思い出す。フィルムは化学なのか、と当たり前のことを体感する。
スキャン後にはPCにデータを取り込む。ネガ特有のオレンジ色の写真データがぞろぞろと見れると、PCに前のめりに。

遂に、自分で調整できる日がきた…!
調整には、capture oneというソフトをつかう。(この日は無料期間のお試し版で対応)ボタンひとつで自動補正してくれる優れものである。
見慣れないパラメーターがあるけれど、Lightroom classicを普段使っているお陰か、感覚的な操作でフィルム写真に色をつけることができた。


色を自動補正してくれる

仕上げたもの
やり方に迷っても、講師のinoueさんが「この場所でネガポジ変換してもよさそう」と、写真条件に合わせて指南してもらえるので心強い。
何より、フィルム写真を自分の手で完成できることに、口元が緩んでしまった。まだまだ理想の完成には程遠いので、練習をかさねよう。
スキャン時の技術が色味に影響すると知り、また頭をかかえるかもしれない。それでも、自分の出来る範囲が増えることは、素直にうれしい。


これらの写真は自家現像、スキャンで
仕上げたそう

フィルムの知識が浅いまま参加を決めたので心配していたけれど、ひとりひとりの目指している写真に寄り添ってくれた2時間半。
自分の好きな色でもっと仕上げてみたい。
そう思えたので、今年もたくさんフィルムで撮ろう。参加したワークショップは、友人に誘ってもらったStudio neutralの写真展で知った。色んなところに足を運んでいくと、知識も広がるんだと実感。
ちなみに、このワークショップは大阪でも開催されるそう。フィルムがもっと身近に感じれる機会が増えるのはとてもうれしいし、わたしも微力ながらフィルム写真の文化を広げていきたい。
