【ウサギはどこへ】石川文化振興財団 現代美術館「ラビットホール」
2月末ぐらいにWeb版美術手帖で石川文化振興財団の現代美術館「ラビットホール」が岡山市内に開館することが取り上げられていた。
最初はふーーんと思っていたが、岡山行が現実になった瞬間、行ける!と時間予約制のチケットを購入。
建築は、青木淳氏。青森県立美術館の設計や京都京セラ美術館の館長を務める方。県立美術館とも近い。
ということで旅の初日、新幹線を降りた勢いで自転車を借りて岡山駅から出発。
誤算は坂。お城回りは坂が多いことを失念していた。
概要
はこんな感じ
2025年4月6日(日)に岡山城や後楽園、林原美術館などが立地する岡山市中心部のカルチャーゾーンである北区丸の内に財団として初となる現代美術館「ラビットホール」を新たに開館します。
「イシカワコレクション」を常設展示する新美術館で開館記念展を開催
2011年から蒐集を開始した現代美術のプライベート・コレクション「イシカワコレクション」は彫刻や大型インスタレーションをはじめとした国内外のコンセプチュアルアートで構成され、現在で総数約400 点を数えます。この美術館はそれらの貴重な「イシカワコレクション」がいつでも見られる場所となります。開館を記念した展覧会は黒澤浩美(当館ディレクター)がキュレーションした「イシカワコレクション展:Hyper real Echoes」。フィリップ・パレーノや、ヤン・ヴォー、リアム・ギリック、マーティン・クリードなど厳選した約40作品を公開します。
林原家の旧文化施設を建築家青木淳がコンバージョン改修
建築は、元々岡山で絵画や工芸品を蒐集した実業家の林原家(株式会社林原 ※現ナガセヴィータ株式会社)がゲストハウスとして建てたルネサンスビルで、近年は岡山映像ライブラリーセンターとして使用されてきたものです。この既存建築を、この度、青木淳の手によって美術館へとコンバージョン改修しました。場所が持つこれまでの歴史や当財団のビジョンを織り込み、新しい価値観を常に提示し続ける現代美術というジャンルに特化した空間として、”work in progress”で壊されていく過程をもコンセプトとした、生きた美術館が誕生します。
岡山の歴史と現在と未来を見据えた、創造性を育む土壌づくりの拠点として
このラビットホールのディレクターは異なる背景や専門性をもった4名の共同制というユニークな形式で美術館運営にとりくみます。
また、当館ではイシカワコレクションの一般公開とともに、こどもたちに向けたラーニングプログラムやリサーチ(研究)などの活動を通じて、ここ岡山から、未来をつくるこどもたちを含めたすべての人に向けて、創造力の源となる新しい価値に出会える機会を創出していきます。
岡山市で始まる新しい美術館の試みにどうぞご期待ください。
The コンテンポラリーアート空間。
とても眺めが良い場所で(昔のお城の丸の内か)大きなガラス窓から岡山城が見える。

で、手前に現代美術。
マーティン・クリード
Work No. 1350 Half the air in a given space


なんか、こういうの昔デイリーポータルzで見たな。部屋を風船で満たしてみる、みたいな記事。
あった、これだ。めちゃくちゃ笑った覚えがある。現代美術の文脈ってデイリーポータルと結構近いところにあるよな。
入館後、第一室目へ進もうとしたら、
「どうぞ、こちらお入りください!」
と狭い廊下で言われたのだ。

「え、入るってどういう…」
「風船の部屋入れますんで、下の方にある入口からどうぞ」
「えっ…」
いや、入りましたけどね…一人でも。



私、さっき岡山駅に到着したばかりなんだけども。

外のガラスまで行けるか?
1人なのにわーきゃー言っている状態。


この後お姉さんが一つ一つ戻してた。
どっちが出口かわからなくなる
静電気ひどい。耳がなんかモワッとする。
なんか破りそうな気がする!(実際破れるのは想定済みで音に驚き慌ててしまう人もいるとか)
という、なんか美術鑑賞とか方向性の違う体験ができた。
いや、外から見るだけでもよかったんですけどね。でもお一人様だろうが「入れますヨ」と振られたら入ってしまう、このサガ。
その後、各フロアは静電気でもじゃもじゃになった髪の毛のまま見学。
へろへろになって2階、3階へ。
フィリップ・パレーノ
My Room Is Another Fish Bowl


しかし本当に良いキャッスルビュー。
あ、昨年、POLA美術館でみた魚達だ!
が、しかし大部分はGWの疲れなのか床付近を頼りなく彷徨っていた。
いくつか宙に浮いてそれらしく漂っている魚もいたけれど。
なんかここはどこなんだ?私はどこまで来たんだ?
と思う。


ダグラス・ヒューブラー「Bradford Series 3」
奥に見える黒電話は
ジョン・ジョルノ「Dial-A-Poem (Museum Edition)」
リカちゃん電話の様にダイヤルを回すと
それぞれ違う音声が。

ガラスの向こうには城下町らしい石垣。
めちゃくちゃ尖った施設である。
でもふと窓に目をやると伝統的な石垣がのぞいている。
周辺は歴史的な建物や施設が多いせいで余計に目立つとは思う。
でもここに同時代の美術をあえてもってくる、提示する。
その意味とは。
地域の方にどれくらい知られているか、来てもらえるか。
10年維持できるか。試しが始まったのだ、と思った。
解体、再生
さて岡山県立美術館へ移動しようとした時。
(あれ、なんか結構古そうな建物をぶっ壊しているな?)
と解体現場を通りかかった。

岡山市民会館だった。
あぁここは。
89〜90年頃まだホールクラスでツアーしていた頃のB'zの岡山公演の場所だったところだ。
もちろん、B'zだけでなく、いろんなアーティストが来たはずだ。
数々の思い出と共に解体されていくのだな。
跡地は公園として整備されるそうだ。
きっと公園になったら、また誰かの思い出になったり大切な場所になっていくのだろう。
諸行無常。
