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誰も作らなかったホッピーの説明書

ホッピーとは何なのか。酒飲みが本気で説明してみる

ホッピー。

酒を飲まない人からすると、

「居酒屋でおじさんが飲んでる茶色い炭酸」

くらいの認識だと思う。

だいたい合っている。

しかし、

それではあまりにもホッピーに失礼である。

今日は酒飲み代表として、

ホッピーという偉大な文化について説明したい。

ホッピーって何?

まず勘違いされやすいが、

ホッピーそのものはお酒ではない。

正確には、

ビールっぽい風味を楽しむために作られた炭酸飲料である。

アルコールは入っていない。

「えっ、じゃあ何で酔うの?」

いい質問だ。

酒飲みも最初はそう思う。

答えは簡単。

焼酎をぶち込むからである。

結局酒なのである。

ホッピーは言ってみれば「割りもの」。

カルーアミルクにおける「ミルク」。

カシスオレンジにおける「オレンジジュース」。

ウィスキーロックにおける「氷」である。

さすがの私もホッピーだけ飲んでる人を見たことがない。

ホッピーは、

焼酎と出会って初めて完成する。

もっとわかりやすく言えばカルピスソーダでもいい。

焼酎=「カルピス原液」

ホッピー=「ソーダ」

と考えてもらって差し支えない。

何で焼酎なの?

これもよく聞かれる。

個人的には、ぶっちゃけアルコールならなんでもいいという気もしないでもない。

焼酎はクセが少ない。

だからホッピーの香ばしい麦の風味や爽快感を邪魔しない。

ビールより軽く、

炭酸も心地いい。

「気軽にビールっぽくビール以外の酒を飲みたい」

そんな人にぶっ刺さる。

あと財布にも優しい。

酒飲みは最終的にここへ帰ってくる。

人生とホッピーには、

帰る場所が必要なのだ。

ホッピーセットとは何なのか

さて。ここからが重要である。

居酒屋では、まずホッピーセットを頼む。

すると、

・焼酎が入ったジョッキ

・ホッピーの瓶

この二つが来る。

これを自分で混ぜるのだ。

ここで初心者は、焼酎の入ったジョッキに、注げるだけのホッピーを入れる。

だが、酒飲みは違う。

様子を見る、慎重に注ぐ。

「今日はどのくらい酔いたいかな」

と、アルコール欲求度に対するファーストアクションが繰り広げられる。

一本で何杯飲めるの?

ホッピーは、自分で作るカクテルなのである。

ここがホッピー最大の魅力。

提供される焼酎ジョッキに対してどれだけのホッピーを注ぐか。

その塩梅によって、ホッピーは普通なら二杯作れる。

そう…普通なら。

酒飲みは違う。

私は基本3杯いく。

さて、ここでもう一度説明しよう。

ジョッキの焼酎にホッピー1本まるまる使わない。

つまり、ホッピーがあまる。

そこで、新たに焼酎をお代わりし、そこにホッピーをまた注ぐ。

この時のお代わり焼酎のことを「中(ナカ)」というのだ。

なんのことはない、ただの焼酎である。

ただ、居酒屋においては「中」という言葉は「ホッピーで割る用のおかわり焼酎」という意味になる。

すると、

またホッピーが飲める。

また中を頼む。

また飲める。

「え、永久機関じゃん。」

そう、ホッピーとは人類が生み出した絶えることのない飲酒プログラムなのである。

ちなみにホッピーのお代わりを頼む時には「外(ソト)」という。

そして両方頼む時は「ホッピーセット」だ。

ちなみにホッピーには種類がある。

通常は「白」が基本なのだが、「黒」や「赤」が置いてある店もある。

白ホッピーは、すっきり爽やかな王道の味。

黒ホッピーは、黒ビールのような香ばしさとコクが特徴。

赤ホッピーは、麦芽感とコクを強めたちょっと贅沢なプレミアム版。

特に赤は珍しいので、見かけたら一度試してみるのがおすすめだ。

中のおかわりが異常に早い

ここがホッピー最大の発明。

「中ください。」

店員さんが焼酎を注ぐ、終了。

早い。

間違いなくドリンクの提供速度ナンバーワンである。

異常に早い。

早すぎて、

頼んだことを忘れる前に来る。

しかも常連になると、

「お代わり用の中も置いといてください」

なんて技まで使い始める。

いわゆる「ストック」だ。

もう配給である。

店員さんも

「またこの人か」

という顔をしながら、

淡々と中を並べる。

店員とホッパー(ホッピーを飲む人:大佐の造語)による阿吽の呼吸である。

味はどうなの?

一言で言う。

うまい。

終わり。

……では記事にならないので説明する。

ビールより軽い。

炭酸は爽快。

麦の香ばしさもある。

だから料理を邪魔しない。

焼鳥。

もつ煮。

ハムカツ。

ポテサラ。

全部勝つ。

酒界の大谷翔平である。

守備位置が存在しない。

そして人は"ダブル"を知る

ここまでは初心者。

しかし、

ある日、

禁断の言葉を覚える。

「中ダブルで。」

これである。

焼酎を通常より多めに入れてもらう。

つまり、

濃さを自分で調整できる。

「今日は疲れた。」

ダブル。

「ボーナス入った。」

ダブル。

「月曜日だった。」

ダブル。

理由は何でもいい。

酒飲みは、

ダブルに理由を後付けする生き物なのである。

そして気付く。

ホッピーが減らない。

焼酎だけ減る。

おかしい。

物理法則がおかしい。

でもうまい。

だからもう一杯。

こうして人類は、

ホッピーに人生を支配されていく。

結論

ホッピーとは、

酒ではない。

文化である。

システムである。

そして、

「今日は軽く飲もう」という言葉を信用できなくする飲み物である。

もし居酒屋で誰かが、

「今日はホッピーだから大丈夫。」

と言ったら、

その人はもう大丈夫ではない。

二時間後には、

中ダブルを頼みながら、

「これ実質スポーツドリンクだから。」

とか意味の分からないことを言い始める。

私は知っている。

昨日の私だからである。

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