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未経験からフリーランスへ転身。時給100円からスタートした僕が、10年食いっぱぐれなかった全戦略

ライターの中村です。まったくの未経験から、ライターとして独立して今年で11年目、法人化してから5期目を迎えました。

大手メディアへの執筆や、二冊の商業出版、業界最大規模のオンラインコミュニティ(約1000人が所属)の運営など、幅広く活動しています。

フリーランスになる前は8年ほど会社員をしており、マンションを売ったり、企業の採用を手伝ったりと、ライターとは全く関係のない世界にいました。文章を書いた経験は、大学のレポートや、せいぜいmixiの日記くらい。

この話をすると「未経験から独立して10年も生き残れているのはすごいですね。秘訣はなんですか?」とよく聞かれます。

「目の前の仕事を一生懸命やってきたから」が答えではあるのですが、よくよく振り返ると自分なりの戦略がいろいろあったので、今回はそれをぜんぶ書きます。

話の根っこにある考え方はどんな仕事にも共通すると思うので、こんな人のお役に立てるかと!

  • 独立した or 副業を始めたけど、思うように結果が出ていない人

  • 独立や副業を検討している

  • この先の働き方に不安があるフリーランスの人

ライターの話を軸にしていますが、根っこの考え方はどんなフリーランスにも共通すると思います!


前提の話:目の前の仕事に本気で取り組む&勉強する

次章から具体的な戦略について書きますが、その前に
・目の前の仕事に本気で取り組むこと
・勉強すること
が大事という話をします。

当たり前っちゃ当たり前なんですけど、忘れがちなんです。

目の前の仕事に本気で取り組む

僕は過去に、仕事が雑になって継続いただいていた案件がすべて終わったことがあります。

独立して1年が経った頃、報酬も上がってきて「あれ?もしかしたら本当にフリーランスとして食っていけるのでは?」と思ったタイミングがありました。そこで、僕は調子に乗ってしまったんです。

もっと収入を上げたいと思って、「時給〇〇円以上を稼ぐ」という目標を立てました。金額目標をおくこと自体は悪くないと思うのですが、問題はそれを最優先にしたことです。

時給を最優先におくと、いかに早く仕事を終わらせるかを考えてしまいます。当然、納品する記事の質は落ち、気づけば継続依頼はゼロになりました。当たり前ですよね。自分のために仕事をしていたんですから。

最優先すべきはクライアントが望む成果物をつくること。言い換えると、目の前の仕事に本気で取り組むこと。それを忘れると戦略うんぬんの話ではなくなります。

勉強する

お金をもらって仕事をする以上、当たり前ですが「プロ」です。この道20年の同業者が競合になるため、未経験であれば当然、勉強する必要があります。

学び方は、書籍、動画、スクール、ゼミ、コミュニティなどいろいろありますが、ポイントは無料のコンテンツから手を出すこと。

僕はフリーランス4年目のとき、プログラミングに興味をもち、何を血迷ったか、いきなり40万円の入学金を払ってスクールに入りました。が、残念ながらプログラミングは僕には全然合わなかった。40万円をドブに捨てることになりました。

これはスクールが悪いわけではなく、いきなり高価なものに手を出した僕が悪いのです。

なので、最初は無料のYouTube動画やWebメディアで勉強しましょう。そのあと書籍を買ったり、安価なコミュニティやゼミに入ることをおすすめします。無料で乗り切れそうなら、もちろんそれでOKです。


……とこんな感じで、
・目の前の仕事に本気で取り組むこと
・勉強すること
が大事という、大前提の話でした。

さて、前置きはこのくらいにして、次章から戦略の話をします!

1.肩書きをつける

まずは肩書をつけようという話です。

独立した当初の僕は、クラウドソーシングでいろんなジャンルの記事を受注して、ひたすら書く生活を送っていました。

経験も実績もない僕が、高単価の案件を受注できるわけもなく、書いている記事はどれも単価が低い。たぶん時給換算すると100円とかだったと思います。

仕事を重ねるうちに書くスピードも上がり、少しずつ時給は上がっていきましたが、まだ苦しい。ひたすら書きつづける日々。

転機となったのは、3年目に「不動産ライター」と名乗ったことです。そこから収入はグンと伸びました。

たまたまクラウドソーシングで見かけた人が、「不動産ライター」という肩書きにしていたんですよね。これいいなと思って真似しました。

僕はもともと不動産会社で働いていましたし、自分自身が住んでいたマンションを売買した経験もありました。ライターとして不動産系の記事を書いた経験もあったので、名乗ってもいいかなと思ったんです。

クライアントはプロに発注したい

肩書きを変えてから、今まで受注できなかった高単価な案件に通るようになりました。理由は専門性の高さが一目でわかるからです。これは発注者の立場で考えると分かりやすい。

たとえばクラウドソーシングで、不動産系の記事を書けるライターを募集したとします。仮に提案文が2通届いたとして、名前が以下であれば、どちらに依頼したくなりますか?

①中村昌弘(不動産ライター)
②中村昌弘(Webライター)

たぶん①ですよね。理由は専門的な知識をもっているプロに見えるから。

もちろん発注するときは他の要素もチェックしますが、肩書きをつけることでクライアントの目に留まりやすいのは間違いありません。

今回の事例はわかりやすく2通の提案文が来たことにしましたが、実際は20〜30通の提案が来ることも少なくないため、そのなかで目立つのは大事なんです。

経験があることもアピールする

また、肩書きを変えたことで、提案文の冒頭に経歴を入れるようになりました。「不動産ライターの中村と申します。僕はもともとマンションディベロッパーにいて〜〜」みたいな感じですね。

不動産ライターと名乗ったからには、その根拠を書かなきゃな〜と思って追記したのですが、今思うとこれが効いた気がします。プロとしての実体験があることを冒頭にアピールできたので、発注者の印象がよくなったのでしょう。

発注者は「ライター」では検索しない

「不動産特化ライター」と名乗ることで、間口が狭まるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、むしろ狭めた方がいいです。なぜなら、間口が広いと相手から見つけてもらえないから。

発注者がライターを探すときは、「不動産 ライター」「埼玉県 ライター」「取材  ライター」みたいに、ジャンルや仕事の種類を付け足して検索します。

そうなると、「ライター」という肩書きより、「不動産ライター」や「取材ライター(埼玉県在住)」みたいに、あえて狭めた方が検索に引っかかりやすいんです。

実際、僕が運営するコミュニティで「noteやX経由でオファーをもらったことがある」と言っている人の大半は、肩書きを狭めています。

過去の経験から肩書を見つけ出す

自分には特化できる経験なんてないと思った人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。自分では普通と思っている経験が、肩書きにつながることはよくあります。

たとえば、投資をした経験があるなら金融系、料理が好きならグルメ系、旅行が好きなら観光系、美容にお金をかけてきたなら美容系、筋トレをつづけててきたならフィットネス系など。最初は「他の人よりちょっと詳しい」くらいで構いません。名乗ってから、どんどん深めればいいのです。

どうしても思いつかなければ、自分が今まで取り組んだことをガーっと箇条書きしてみるといいです。学生時代のことでも構いません。たとえば僕の場合はこんな感じ。

(学生時代)
・漫画や小説が好きだった
・モスバーガーでアルバイトしてた
・アメフトを7年間やった

(1社目)
・マンションを販売してた
・自分自身でマンションを売買した
・マネジメントを経験した

(2社目)
・異業種へ転職した
・法人向けの営業をした
・採用関係の仕事をした
・メンタル不調になった

書き出すとキリがないのでこれくらいにしておきますが、これだけでも専門性につながる要素があります。たとえば、「アメフト」の経験を生かしてスポーツ誌で何か書けるかもしれませんし、「法人営業」の経験を生かして体験談を書けるかも。「転職」経験があるので、その分野も書けます。

僕の知人には、前職は現場監督で今は金融ライターという人もいます。その人は、親からの相続を経験したことで、お金まわりの知識をつけようとFPを取りました。その経験と資格を活かして金融ライターとして活躍しています。

肩書は変えていい

最後に補足すると、肩書きは一度決めたら一生モノ、ではありません。僕の場合、Webライター → 不動産ライター → Kindle編集者 → インタビューライターと、時期ごとに変えてきました。

市場も自分も変わるので、肩書きも変わって当然です。「いま、誰に、何ができる人だと思われたいか」で決めればOKです。

2.公開できる実績を集める

独立して3年、4年と順調に歴を重ねていったところ、どんどん仕事を受注しやすくなりました。なぜかというと実績が増えたからです。

実績とは、ライターなら過去に書いた記事、デザイナーなら過去につくったロゴやバナー、コンサルタントなら過去に支援した企業や成果など。その重要性に気づいてから、僕は公開できる実績を集めることに重きを置いてきました。

「株式会社〇〇」という看板がないフリーランスにとって、実績はそのまま自分の看板になります。

実績公開OKか?だけ聞くのは失礼

実績を集める方法は実にシンプルで、「この仕事をポートフォリオに掲載していいですか?」とクライアントへ聞くこと。理想は受注前に確認しておくことですが、それだけ聞くのはNGです。

以前、Xでライター募集をしている投稿があり、そのリプ欄に「これは実績公開OKですか?」と一文だけ送っている人がいました。クライアントからしたら「まずあなたは誰?」という感じなので、提案文をつくったうえで最後に「ひとつ質問ですが〜」という感じで聞きましょう。

掲載許可を聞くだけで実績になる

実績の重要性に気づいたのは4年目くらいでした。それからは、受注した案件では必ず「ポートフォリオに掲載していいか?」と聞くようにしたのですが、よく考えたら過去に納品した記事も実績になると気づいたんです。

そこで僕は、過去に取引したことのあるクライアントへこんなメッセージを送りました。

ご無沙汰しております。ライターの中村です。〇〇の案件では大変お世話になりました。
あのとき制作した〇〇について、私のポートフォリオサイトに掲載していいでしょうか?お手数ですが、ご確認よろしくお願いします。

簡易的に書いてますが、こんな感じ

意外と「いいですよ」と言ってもらえます。もちろんNGの場合は、粘らずにすぐ引き下がりましょう。

なお、クライアントによっては、ポートフォリオに掲載していいかどうかを社内で確認する必要があるため、面倒に思う人もいると思います。その点に配慮して、失礼のないように聞きましょう。

実績がないなら自分でつくる

昔の僕がこの記事を読んだら「そもそも仕事を受注できないから、実績を集めようにも集められないんだよ!」と思うでしょう。当時の僕は、こんな負のループにハマっていました。

  1. 実績がない

  2. だから提案が通るのは低単価案件ばかり

  3. 実績も貯まらない(低単価な案件は実績公開できないケースが多い印象)

  4. 1に戻る

実績もツテもないなら、低単価の案件しか通りません。であれば、まずは実績を作っちゃった方がいいです。

たとえば「不動産ライター」を名乗るなら、「マンションを売却する手順」や「土地を売買する際の注意点」など、不動産に関連したテーマで記事を書きます。

その記事を、自作したWordPressブログやnoteで公開してポートフォリオに掲載すれば、それが実績になるのです。

この話をすると「自分のnoteやブログに書いた記事が実績になるのか?」と質問されますが、「なる」と断言できます。発注者が最もチェックしたいのは「どんな記事を書くのか」なので、形式はなんでもいいからです。

むしろブログは編集が入っていないので、そっちのほうがありがたいと言う人さえいます(メディアに掲載されている記事は、編集者の修正が入っている場合が多い)。

もちろんメディアに掲載されている記事も強い実績になります。特に、同じメディアに継続して何記事も書いているなら、コミュニケーション面でも信頼性は高まるでしょう。

でも自身のメディアに掲載した記事も実績になる点は、意外と知られていないので、強く言っておきたいです。

3.目立つ実績をつくる

実績の中でも、目立つ実績は別格です。

たとえばワイドショーに作家が出ていたとして、その人を知らなくても「芥川賞受賞」とか「直木賞受賞」とか言われたら、すごそうな人だなと思いません?少なくとも「作家」と紹介されるよりは信頼性が増すでしょう。

これはフリーランスも同じです。誰もが知っている会社や人、誰もが知っているメディアと仕事をした実績は、看板の中でもひときわ光ります。

僕にとって分かりやすい実績は、堀江貴文さんのnoteの企画、構成をさせてもらったことでした。

堀江さんのメルマガで営業した

独立して5年目のとき、僕は堀江さんの有料メルマガを購読していました。そのメルマガには、ルールを守って質問すれば堀江さんが絶対に回答してくれるQ&Aコーナーがありました。僕はチャンスだと思い、こんな提案文を送りました(原文ママ)

当方ライター&ディレクターです。

このメルマガのQ&Aをまとめて、有料noteとして販売する編集をしたいです!もちろん、収益は全て堀江さんへ。過去1年のメルマガを遡って、「マネタイズ方法」「事業に関すること」「仕事の悩み」「生き方・生活」など、カテゴライズします。

私が読者目線で一般の方が知りたいであろう質問を厳選。メルマガ読者は無料で閲覧可能。最終的には編集のSさんに校閲していただきたいのですが、9割方手を動かす作業は私の方でやらせていただきます!

報酬は一度だけ堀江さんのツイッターで「編集者」として紹介いただければと思います。いかがでしょうか?

これが通ったんですよ。「担当編集者から連絡させます」的な回答でした。そのメールを見たとき、文字通り跳びはねて喜んだ記憶があります。

提案のキモは「断られる理由を潰す」こと

当時僕は大した実績もないライターでした。そんな僕の提案が通った理由を自分なりに分析すると、堀江さんの手間がかからない & デメリットがないように設計したことが大きかったと思います。

言い換えると、断られる理由を前もって潰したということ。次の2つがポイントです。

  1. 具体的にどういうnoteかイメージできる

  2. 無償でおこなうので堀江さんの支出はゼロ

僕が提案したのは「堀江さんのメルマガのQ&Aをこういうカテゴリーでまとめます」という具体案。これなら成果物のイメージがわくので、安心して発注できます。

仮に「なんでもいいので仕事をやらせてください」と言ってしまうと、僕に何を依頼するかを堀江さんが考える必要があります。これは手間がかかるので、通らなかったでしょう。

また、「有料でやらせてください」でも通らなかったと思います。少額だとしても、実績がないうえに、顔も知らない相手に有料でオファーするのはリスクが大きいからです。

実績になるなら無償でもやっていい

無償で仕事を受けることについては賛否両論あります。なんでもかんでも無償(あるいは低単価)で受けるのはやめたほうがいいと思います。

でも僕は、双方にメリットがあるなら無償で受けるのもありだと考えています。こちら側のメリットは、もうお分かりかと思いますが「強い実績になる」ことですね。

先ほど紹介した堀江さんのnoteは、『Q&Aコーナー+ビジネスモデル教えちゃいます塾』としてリリースされ、企画・構成として僕の名前を載せてもらいました。この実績はやはり強かった。

このnoteがリリースされて以降、案件に提案するとき「堀江貴文さんのnoteの企画・構成を担当させていただいたことがあるため、その経験を活かして〜」と提案文に書けるので、受注率は跳ね上がりました。そして新たに受注した実績が、また僕の看板を強くします。

また、Xでも僕を紹介してくれました。これも僕の信頼性を担保する武器になりました。

4.経験を積み「やったことがある」を増やす

強い実績になる仕事以外にも、経験になる仕事なら無償(あるいは低単価)で受けることがあります。自分の引き出しが増えれば将来につながりますからね。

ゼロとイチは決定的に違う

独立して4年目くらいのとき、SEO記事の執筆を依頼してくれていたクライアントから「インタビューをやってくれませんか?」と相談されたことがあります。移動時間や事前リサーチなどを加味すると、時給はいつもの半分以下になりそうな案件です。

報酬だけで考えるなら断りましたが、当時はインタビューを経験したことがなかったので喜んで引き受けました。今思うと、これが仕事を広げるきっかけになりました。というのも、この案件を経験したことで「インタビューをしたことがある人」になれたからです。

一回でも経験しておけば、インタビューライターを募集している案件に提案しやすいですし、実績が1記事あるのでゼロよりは断然通りやすい。ゼロとイチの差は大きいんです。

AI時代に価値が跳ね上がった

ゼロイチの価値は、AI時代になって跳ね上がったと思います。なぜならどの職種でも、できることを増やす重要性が一段と高まったからです。

たとえばSEOライターの場合、このまま「SEO記事だけを書いていく」ことで生き残れる人は少ないでしょう。この分野のライティングはAIが得意だからです。そのため、やれることを増やすのがリスクヘッジになります。

具体的には、SEOだけでなくインタビュー記事やメルマガやLPも書く、あるいはより上流レイヤーに食い込み、サイト設計まで担当する。こういう動き方をしないと、フリーランスとして長く生き残るのは難しいでしょう。

そして、これらに挑戦できるかどうかを分けるのは、「やったことがある」という経験の数です。

僕自身、期せずにして「SEOライター→Kindle編集→セールスライター(LPやメルマガ)→インタビューライター」と、できることをどんどん広げていきました。おかげさまでAIが台頭している今も、色んなお仕事をいただけています。

繰り返しますが、仕事を無償で受けたり、低単価で受けたりすることを推奨しているわけではありません。ただ、その経験が長期的に見て価値になるなら、無償で受けてもいいと僕は思います。

5.提案して自ら仕事をつくる

独立して6年目くらいのとき、僕は「Kindle編集者」と名乗って、インフルエンサーや経営者のKindleをひたすらつくっていました。年間で30冊ほどつくったのですが、半分以上は自ら営業しました。

フリーランスとして10年生き残れているのは、積極的に営業し、自ら仕事をつくったことも大きいと思います。

鍵は成果物をイメージしてもらうこと

堀江さんのnoteの事例のときにも言いましたが、成果物をイメージしてもらえれば、営業の成功確率はグッと上がります。

そもそも僕がKindle制作を受注したのは、あるインフルエンサーへの営業がきっかけでした。相手はブロガーだったので、まずはブログをすべて読み込みました。

読み込んだ内容をもとに「あなたは〇〇というテーマでブログを運営していますよね。だから〇〇というタイトルで、こういう構成でKindleをつくるのはどうでしょう?」と、売り込んだのです。

その提案を見たインフルエンサーからは「おぉすごいですね!ぜひお願いします」と返信が来ました。それまで全く絡みのなかった相手がOKしてくれたのは、どんなKindleになるかイメージできたからだと思います。

提案はスピード勝負

提案するときはスピード勝負です。先ほどの話の続きですが、そのインフルエンサーのKindleが無事に出版され、本人が「Kindle出しました!」とXで宣伝していました。

するとリプ欄に、ある経営者から「自分も出してみたいです」とコメントがついていました。それを見た瞬間、即提案しようと決めました。経営者のnoteとYouTubeをすぐにチェックして、この人がKindleを出すならこれだ、というタイトル案と構成案を作りました。そして「初めまして」と前置きしつつ、タイトル案と構成案を添えてDMしました。

その経営者がインフルエンサーの投稿にリプをしてから、12時間経っていません。今がチャンス!と思って、深夜まで企画を練っていた記憶があります。結果は無事に受注。

提案が1週間後とかになっていたら、たぶん受注できなかったと思います。こういうときの熱は一気に冷めますからね。

とはいえ、毎回こんなスピード感で提案するのはしんどいので、僕はここぞというときだけこのスピードでやっていました。

ちなみに、元ブロガーのインフルエンサーはイケハヤさん。
経営者は、旅行サービス「Relux」を立ち上げ、現在は令和トラベルの代表をしている篠塚孝哉さんです。

▼イケハヤさんのKindle

▼篠塚さんのKindle

記事をつくって売り込む

もうひとつ、提案した事例を挙げます。僕は某大手ビジネスメディアで記事を書かせてもらったことがあるのですが、きっかけは問い合わせフォームに営業メールを送ったことでした。

憧れのメディアで、どうしても書きたかったので、まず記事を何十本も読み込みました。「どういう人にインタビューをしていて、読者に何を伝えたいのか?」を自分なりに分析するためです。

次に、メディアの方向性に合いそうな人を探しました。なかなか見つからなかったのですが、アパレル事業をやっている知人を思い出し、彼にこう頼みました。

あなたの事業についてインタビューして、記事を書かせてくれないか?メディアに掲載できるように売り込む。もしかすると断れられるかもしれないが、そのときは僕のnoteに掲載する。

ありがたいことに知人から「OK」の返事が来ました。その後インタビューして記事を書き、完成品を添えて、そのメディアの問い合わせフォームから営業しました。するとありがたいことに編集者さんにつないでいただき、無事掲載に至りました。

「提案されるのは嫌じゃない」が業界の本音

「営業メールなんて迷惑がられるのでは」と思う人も多いかもしれません。実は僕もそう思っていました。

でも知人の編集者に聞いてみたところ、「企画はいつも足りないから、提案は逆にうれしい」「ライターを探しているから、提案されるのは別に嫌じゃない」という答えが大半だったんです。

「提案なんて絶対にしないでほしい、面倒くさい」という人に、僕は会ったことがありません。

もちろん、ただただテンプレの営業メールは嫌がられると思いますよ。「わたしに仕事をください!」的な気合いだけのメールもスルーされるでしょう。でも相手のメリットを考え抜いた提案なら、嫌がられることはないと思います。熱量の高い提案は相手に伝わるんですよね。

採用されなかったとしても、編集者から「こういう企画はどうですか?」と逆に提案されることもあります。これは多くの業界で同じことが言えるでしょう。

「営業」という言葉が苦手なら、「相手をハッピーにする提案」と言い換えてみてください。

6.人と会って情報を得る

最後は「人と会うこと」ですね。生々しい情報は「人」からしか手に入らないんです。「ぶっちゃけ、今受けているインタビューの報酬っていくらですか?」なんて話、SNSにも書籍にも書けないですからね。

あと、同業者と会話をしていると、ふとしたことが刺激や気づきになるんですよ。「へぇそういう仕事もあるんだ」とか、新しい発見もある。僕が案件の幅を広げられたのは、人との会話が刺激になったからです。

同業者との会話でキャリアが広がった

僕は独立してから約5年間、同業者の誰とも喋ったことがありませんでした。オンラインでもオフラインでも、ただの1人とも、です。転機はライター5年目の終わりに訪れます。

Xでゆるくつながっていたライターさんが「オンライン交流会やります」と告知していたんです。そのときになぜか手を挙げました。本能的に「5年間、誰とも交流しないってやばくね!?」と思ったのかもしれません。それが、人生で初めての「同業者の集まり」でした。

そこで交わしたのは、本当にたわいない雑談です。

「最近どうですか?」 「どんな仕事してるんですか?」 「単価ってどうやって決めてます?」など。ライターとひとくちに言っても色んな人がいて、色んな仕事の取り方があるんだなぁと大きな気づきがありました。

SEOライティングと並行してインタビューや動画制作までおこなっている人もいれば、ディレクターに気に入られて編集プロダクションで社員みたいに働いている人もいる。
クラウドソーシングにひたすら応募している人もいれば、Facebookを通じて知り合いから仕事をもらった人もいる。

当時は発信しているライターは今より少なかったので、より生の情報に触れたときの衝撃は大きかったですね。

僕はその後、Kindle制作、ブックライティング、インタビューなど仕事の幅を広げていきますが、そのきっかけのひとつは間違いなく、同業者との交流で刺激をもらったことでした。

AI時代こそ人に会うしかない

AIが台頭するほど、人から得る情報の価値は高まります。検索して出てくる情報はAIが教えてくれるので、ネット上の情報だけで戦っていたら差別化はできないからです。

人からしか得られない情報とは、相場観や現場の温度感、まだ言語化されていない需要などです。

たとえば、雑談で出た「最近こんな仕事が増えててさぁ」という一言が、実は今後需要が伸びる仕事のヒントだったりします。あるいは、「この前、面白い人に会ってさぁ」という会話から、「このメディアにぴったりじゃない?企画出してみたら?」という流れになるかも。

こういうのは、ネットの情報だけ追っていたら起こり得ないです。

コミュニティに所属したり、Xで同業者をフォローして集まりがないかチェックしてみたり、人に会うチャンスはいくらでも見つかります。オフラインで会うのが苦手なら、まずはオンライン交流会に参加するといいかもしれません。

「未経験」は挑戦しない理由にならない

長い記事になりました。最後に、6つの戦略をまとめます。

  1. 肩書きをつける

  2. 公開できる実績を集める

  3. 目立つ実績をつくる

  4. 経験を積み「やったことがある」を増やす

  5. 提案して自ら仕事をつくる

  6. 人と会って情報を得る

これらはどれも、単体では機能しません。

肩書きを変えて仕事を受注できても、納品する記事が雑なら次はありません。実績をかき集めても、その実績に中身がなければ見抜かれます。いくら提案しても、過去に書いた記事の質が低ければ、受注できないでしょう。

つまり、すべての戦略は「目の前の仕事に本気で取り組む」という土台の上でしか機能しないのです。時給を最優先して継続案件をすべて失った僕が、その生きた証拠です。皆さんはそんなことがないように……。


長文でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。何かひとつでもお役に立てたなら、うれしい限りです!



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