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ろろろのめ第2回 フジロック、動員数が減った本当の理由と復活のカギとは?

ろろろのめ②フジロック、動員数が減った本当の理由と復活のカギとは?



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フジロック、動員数が減った本当の理由と復活のカギとは?

かつて12万人以上を集めた国内最大級の音楽フェス、フジロック。
しかし、近年の動員数は減少の一途をたどっています。2018年・2019年には約12〜13万人を記録していた延べ来場者数は、2024年には9万6千人。ピーク時からおよそ3万人も減少しています。

果たして、その背景には何があるのでしょうか? そして、あの熱気を取り戻すにはどうすればいいのでしょうか?



「価格の高騰」が来場者の足を遠ざけた?



データを見てみると、チケット代と宿泊費の上昇が顕著です。

フジロック3日通し券(一般販売価格):

2018年:45,000円

2019年:45,000円

2021年:49,000円

2025年:59,000円


エンゼルグランディア越後中里(4泊5日):

2018年:69,600円

2019年:70,700円

2021年:94,200円

2025年:222,240円


たとえば、2018年にフジロックに行くにはチケット+宿泊で約11〜12万円だったのに対し、2025年にはその倍近い28万円超えに。しかもこれは交通費を含まない金額です。

「行きたくても行けない」「コスパが悪すぎる」という声が聞こえてくるのも無理はありません。

コロナ禍で切れた"フェスとの縁"



2021年のフジロックは、コロナ禍の中での開催。動員数は35,449人と激減しました。これは当然の結果とも言えますが、このタイミングで一度フェスから離れた人たちが、戻ってきていないのが現状です。

「オンラインで音楽を楽しむ」ライフスタイルが定着し、わざわざ高額を払って山奥まで行くという選択肢に、魅力を感じにくくなっているのかもしれません。




サマソニはどうやって復活したのか? ― 回復へのヒントがここにある


フジロックと並ぶ国内2大フェスの一角、サマーソニック(サマソニ)。
こちらもコロナ禍で大打撃を受けたイベントのひとつですが、驚異的な回復を見せています。

サマソニ 延べ動員数の推移(大阪・幕張・ソニマニ含む)

2018年:150,000人

2019年:300,000人(20周年で3日間開催)

2021年:13,351人(SUPERSONIC 幕張のみ)

2022年:160,000人

2023年:210,000人

2024年:258,000人


わずか2年で20万人超の回復を果たし、2024年には史上最多の25.8万人を動員。これはフジロックの2.5倍以上です。

フジロック復活に向けて ― サマソニに学ぶ3つのポイント



1. アーティストの多様性と「今」を捉える感度

サマソニは、トレンドを意識したラインナップで若年層の興味を引くことに成功しています。K-POPからTikTokで話題のアーティスト、さらに海外の大型ヘッドライナーまで、今話題の名前がしっかり揃っていることが来場者増加のカギ。

→ フジロックも"伝統と革新"のバランスを見直し、「今の熱狂」を取り入れる柔軟さが必要です。

2. 都市型フェスの利便性を活かした参加ハードルの低さ

サマソニは都心開催のため、交通・宿泊の負担が少なく、日帰りでも参加可能。この点が「とりあえず行ってみよう」という層を呼び込む要因に。

→ フジロックも、サテライト開催や関東圏でのプレイベント、日程短縮型の新企画など、"小さく参加できるフジロック"の導入が新規層開拓に有効かもしれません。

3. タイムリーなプロモーションとSNS戦略

サマソニはアナウンスのスピード感とSNSを活用した情報発信で、若い層へのリーチが非常に上手いです。来場者による自主的な投稿(UGC)も促進しており、「行かなくちゃ出遅れる」空気感を醸成しています。

→ フジロックもSNSを主戦場とするプロモーションに本気で取り組む時期かもしれません。

景気は上がっても、フジロックには人が戻らない。その理由とは?



ここ数年、日本経済はコロナ禍からの回復とともに株価も上昇を続け、2024年7月11日には日経平均がついに42000円を突破、史上最高値を更新(ドル円161.5円)。
米国のダウ平均も2024年12月5日45000ドル台(ドル円150.44円)を記録し、一見「お金の巡りが良くなった」ように見えるこのタイミング。(2025年4月24日現在ダウ平均39606.57、日経平均35039.15円、ドル円142.58円)

しかし、その追い風をフジロックは活かしきれていません。



2024年はインバウンド需要の再拡大、株価の過去最高更新、企業収益の増加など、明らかに「使えるお金」は増えている局面でした。

それなのに、フジロックの動員数は9万6千人と低迷。一方で、サマソニは25.8万人と過去最高を記録。

なぜこの差が生まれているのでしょうか?


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経済回復が「追い風」にならなかったフジロックの課題



1. 円安による宿泊費・チケット代の急騰

経済指標の中で特に注目すべきは「ドル円」の急上昇です。2021年の109円台から2024年には156円へと40%以上の円安が進行。

この影響で、海外アーティストの招聘コスト、輸送費、スタッフ賃金、食料調達コスト…あらゆる運営費が高騰し、結果としてチケットや宿泊費に反映されています。

実際、エンゼルグランディアの宿泊費は:

2018年:69,600円

2025年:222,240円(約3.2倍)


チケット代も:

2018年:45,000円

2025年:59,000円(約1.3倍)


インフレと円安のダブルパンチが、ユーザーの参加意欲を削いでいます。


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なぜサマソニはその中で動員数を伸ばせたのか?



1. 都市型ゆえの「参加コストの低さ」

同じ円安や物価高の状況でも、サマソニは宿泊不要・交通の便が良い都市型フェス。
ホテルに泊まらず、日帰りで参加できる気軽さが、コスト上昇のダメージを緩和しています。

2. 柔軟な規模・構成調整とマーケティング

サマソニは復活後、ラインナップの柔軟さ、SNSやタイムリーなプロモーション強化で、20代〜30代の新規層獲得に成功。
また、大阪・東京2拠点で一極集中ではなく分散型で開催することで、より多くの客層にリーチできているのです。


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フジロック動員数回復への道筋



経済は好調でも、フェスの魅力が「コスパ」に勝てなければ人は戻らない。
では、フジロックが今後動員数を回復するにはどうすればいいのでしょうか?

1. 「体験価値の再定義」と“選ばれる理由”の明確化

単なるライブフェスではなく、自然・キャンプ・アートを融合させた総合フェス体験の独自性を再アピール。

高額である理由を「納得」してもらう設計が必要です。


2. 日帰り参加や短期プランの導入

たとえば「1日だけ参加できる東京⇔苗場シャトル+日帰りチケット」の導入など。

「苗場に行く」というハードルを下げる設計が鍵。


3. 国内アーティストとグローバル・トレンドの融合

円安で海外勢の招聘が難しい今こそ、国内人気アーティストやボーダレスなネット発スターの活用を。

TikTok・YouTube世代とリンクするラインナップが不可欠です。


4. 価格の見直しと透明性のある運営

チケットや宿泊費が高騰している理由について、主催側からの説明が少ないことも不信感の要因です。物価や人件費の高騰は理解できますが、明朗な価格設定とそれに見合う価値提供が求められています。

5. 「行きやすさ」の強化

苗場という立地のハードルは昔からの課題ですが、新幹線やバスとの連携を強化し、ツアーやパッケージのバリエーションを増やすことで「遠い・大変」というイメージを払拭できます。

6. 若年層へのアプローチ強化

コロナ禍以降、若い世代はフェスに対する憧れや熱量が薄れつつあります。SNS施策やYouTuberとのコラボ、10代・20代向けの特別チケット企画など、ライトな参加層を増やす試みがカギになりそうです。

7. 都市型フェスとの連携や新たな提案

苗場以外でもフジロックの世界観を体験できるサテライトイベント、または都市型ミニフェスとのコラボなど、ハイブリッドな展開も必要かもしれません。


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かつての“夢の場所”を、再び

フェスは「非日常」だからこそ魅力的。でもその非日常が「手の届かないもの」になってしまったとき、人は離れていきます。もう一度、フジロックを「誰でも参加できる夢の場所」に戻すために、今こそ変化が必要です。

サマソニは「今の空気を読み取り、柔軟に変化」したからこそ、経済回復の波をうまく乗りこなしました。
一方、フジロックは「昔ながらの良さ」にとどまりすぎて、参加者の生活や感覚の変化についていけていない部分も見えます。

ここで「昔ながらの良さ」に偏りすぎた結果、望むような成果を上げられなかったフェスの話も交えて考えていこうと思います。




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なぜrockin’on sonicやロックアンセム
は満足いく結果を出せなかったか?


1. 懐かしさだけでは「体験」は売れない

ロックアンセムは「往年の名曲」「懐かしいバンド」を軸に30代〜50代をターゲットにしていましたが、それだけでは「フェスに行く理由」にはなりませんでした。

音楽は過去の記憶を刺激しても、「今ここに来る動機」を与えることができなければ足が動かない。

2. 都市型かつドライな設計が「わざわざ行く理由」にならなかった

郊外やリゾート的な非日常を演出できなかったことで、「それならSpotifyで聴けばいいや」「YouTubeで充分」という判断になった可能性も。


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フジロックの「多世代戦略」はどう差別化できるか?

フジロックが狙うべきは「30〜50代をノスタルジーで呼ぶ」のではなく、「自然・音楽・時間」を使って“今を楽しんでもらう”ことです。

つまり:

■ ノスタルジー「だけ」に依存しない

たとえば、2000年代の名バンドを呼ぶとしても、その周辺に新進気鋭の若手や海外インディーを配置し、“親子で違うバンドを見る体験”を演出する。
→ 世代を分断せず「共存」させるデザイン。

■ 都市では得られない“価値”を強調する

フジロックは「空気」「景色」「雨」「虫」までも含めた“まるごと体験”が最大の強み。

30代〜50代は忙しい世代でもあるが、逆に「自然の中で3日間、何もしない贅沢」を打ち出すことで、都市型フェスとの差別化が可能。



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つまり、フジロック復活の糸口は「分断」ではなく「重なり」

若者世代には新しさと熱狂を

ミドル世代には癒しと発見を

家族連れには安心と共有を


これらを同時に成立させるには、「誰のためのフェスか?」ではなく「どんな時間を過ごすか」という視点の再設計が必要です。

“個々の正しさ”を同居させる場――それこそが本来のフェスの姿であり、フジロックだからこそできること。


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答えは「ジャンル」ではなく「空間の設計」にある


「30〜50代を呼ぼう」とするだけなら、rockin’on sonicやロックアンセムで十分。でも、彼らがフジロックに来るとき、それは“青春の回帰”ではなく、“今この瞬間の解放”を求めている。

だからこそ、ノスタルジーに留まらない空間設計、体験設計、参加動機の提供が鍵になります。

この「多層のニーズに応える空間の再構築」こそが、フジロックが動員数を回復するための、唯一無二の糸口です。


原点を守りつつ、新たな価値を提案できるか。
それがフジロック復活のカギなのかもしれません

来年2026年はフジロック30周年。
あなたは次のフジロック、どうしますか?


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