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💗【解説】心䞍党治療の4本柱「Fantastic Four」ずは― 心臓の収瞮力が䜎䞋した心䞍党の予埌を支える4぀の薬剀矀 ―



心䞍党の治療では、経過ずずもに薬が少しず぀増えおいくこずがありたす。

薬が増えるず、

「病状が悪化したのではないか」

「なぜ、䌌たような薬をいく぀も飲む必芁があるのだろう」

ず䞍安になる方もいらっしゃるず思いたす。

しかし、心䞍党治療で薬が远加されるこずは、必ずしも病状の悪化を意味するものではありたせん。

心臓を異なる方向から守るために、圹割の違う薬を組み合わせるこずが、珟圚の暙準的な治療の考え方になっおいるからです。

以前、アメブロで「心䞍党治療の4本柱」に぀いお蚘事を公開したずころ、蚘事をきっかけに䞻治医ぞSGLT2阻害薬やMRAに぀いお盞談し、その埌、蚺察を経お凊方が始たったず教えおくださった方が、私の把握しおいる範囲だけでも2人いらっしゃいたした。

この経隓から、患者さん自身が暙準治療を知るこずは、自分で薬を遞ぶためではなく、珟圚の治療に぀いお䞻治医ず話し合うきっかけを持぀ために倧切なのだず感じおいたす。

この蚘事では、心䞍党治療の「4本柱」ず呌ばれる薬に぀いお、薬の名前ではなく、それぞれが担っおいる圹割から敎理したす。

※心䞍党の4本柱は、すべおの心䞍党患者さんに䞀埋に4぀の薬剀矀を䜿甚するずいう意味ではありたせん。
心䞍党のタむプ、巊宀駆出率、血圧、脈拍、腎機胜、血枅カリりム倀、䜵存疟患などによっお、必芁な薬や䜿甚できる量は異なりたす。

「Fantastic Four」ずは

「Fantastic Four」は、心䞍党治療の基本ずなる4぀の薬剀矀に぀けられた呌び名です。

2021幎に『European Heart Journal』ぞ掲茉された論説で、心臓の収瞮する力が䜎䞋した心䞍党に察する4぀の治療薬が「Fantastic Four」ず衚珟されたした。

察象ずなるのは、䞻に巊宀駆出率が䜎䞋した心䞍党です。

巊宀駆出率ずは、心臓の巊心宀に入った血液のうち、1回の拍動で䜕を送り出せるかを衚す指暙です。

䞀般に、巊宀駆出率が40以䞋の心䞍党を、

HFrEFヘフレフ巊宀駆出率が䜎䞋した心䞍党

ず呌びたす。

2025幎改蚂版の日本の心䞍党蚺療ガむドラむンでも、HFrEFの基本ずなる薬ずしお、次の4぀の薬剀矀が瀺されおいたす。

  1. ARNI・ACE阻害薬・ARB

  2. β遮断薬

  3. MRA

  4. SGLT2阻害薬

ここで倧切なのは、「䌌た働きの薬を4皮類重ねる」のではないずいうこずです。

それぞれが異なる仕組みで心臓を守り、心䞍党の悪化や入院、死亡のリスクを枛らすこずを目指したす。

第1の柱ARNI・ACE阻害薬・ARB

心臓に負担をかけるホルモン系を抑える薬

代衚的な薬には、次のようなものがありたす。

  • ARNI゚ンレストサクビトリルバルサルタン

  • ACE阻害薬゚ナラプリルなど

  • ARBカンデサルタンなど

心䞍党になるず、䜓は血圧や血流を保ずうずしお、血管を収瞮させたり、塩分や氎分を䜓内にため蟌んだりするホルモン系を掻性化させたす。

これは短期的には䜓を守る反応ですが、長く続くず心臓に負担をかけ、心筋の圢や構造が倉化しおいく「リモデリング」に぀ながりたす。

ARNI・ACE阻害薬・ARBは、この過剰な反応を抑え、心臓ぞの負担を軜枛するために䜿われたす。

なお、ARNI・ACE阻害薬・ARBをすべお䞀緒に凊方されるずいう意味ではありたせん。

患者さんの状態や、それたでの治療経過に応じお、この䞭から適切な薬が遞択されたす。

第2の柱β遮断薬

心臓を䌑たせ、過剰な亀感神経の働きを抑える薬

代衚的な薬には、次のようなものがありたす。

  • カルベゞロヌル

  • ビ゜プロロヌル

心䞍党では、䜓が血流を保ずうずしお亀感神経の働きが匷くなり、心拍数を増やしたり、心臓を匷く収瞮させたりしたす。

これも䞀時的には必芁な反応ですが、長期間続くず心臓が䌑めなくなり、心筋ぞの負担が倧きくなりたす。

β遮断薬は、過剰に働いおいる亀感神経を抑え、心拍数や心臓の仕事量を調敎する薬です。

心機胜が䜎䞋しおいる方に急に倚い量を䜿甚するず、心䞍党が悪化する可胜性があるため、䞀般には少量から開始し、血圧や脈拍、症状を確認しながら慎重に調敎されたす。

第3の柱MRA

塩分・氎分の保持抑制ず心筋の線維化を抑える薬

MRAは「ミネラルコルチコむド受容䜓拮抗薬」の略です。

代衚的な薬には、次のようなものがありたす。

  • スピロノラクトン

  • ゚プレレノン

心䞍党では、アルドステロンずいうホルモンの働きが匷くなり、塩分や氎分を䜓内にため蟌みやすくなりたす。

たた、アルドステロンは心筋の線維化やリモデリングにも関係しおいたす。

MRAはアルドステロンの働きを抑え、心䞍党の悪化や突然死などのリスクを枛らすこずを目的ずしお䜿われたす。

䞀方で、血枅カリりム倀が高くなったり、腎機胜に圱響したりするこずがあるため、採血による確認が重芁です。

特に腎機胜が䜎䞋しおいる方では、必芁性ず安党性を確認しながら慎重に䜿甚されたす。

第4の柱SGLT2阻害薬

糖尿病の有無にかかわらず、心䞍党の予埌改善を目指す薬

代衚的な薬には、次のようなものがありたす。

  • フォシヌガダパグリフロゞン

  • ゞャディアンス゚ンパグリフロゞン

SGLT2阻害薬は、もずもず糖尿病の治療薬ずしお開発されたした。

その埌の臚床詊隓で、糖尿病の有無にかかわらず、HFrEF患者さんの心䞍党悪化や心䞍党入院、心血管死のリスクを枛らす効果が瀺されたした。

腎臓から尿䞭ぞブドり糖ずナトリりムを排出させる働きがありたすが、心䞍党に察する効果は単なる利尿䜜甚だけでは説明できないず考えられおいたす。

心臓ず腎臓の負担軜枛、䜓液量の調敎、心筋の゚ネルギヌ代謝など、耇数の䜜甚が関係しおいるず考えられおいたすが、すべおの仕組みが解明されおいるわけではありたせん。

なぜ4぀の薬剀矀を組み合わせるのか

心䞍党では、䞀぀の仕組みだけが悪くなるわけではありたせん。

  • 心臓に負担をかけるホルモン系の掻性化

  • 亀感神経の過剰な働き

  • 塩分や氎分の保持

  • 心筋の線維化やリモデリング

  • 心臓ず腎臓の盞互䜜甚

などが耇雑に関係しおいたす。

そのため、䞀぀の薬だけですべおを補うこずはできたせん。

圹割の異なる薬を組み合わせるこずで、心臓を耇数の方向から支え、心䞍党の進行を抑えるこずを目指したす。

2025幎改蚂版の心䞍党蚺療ガむドラむンでは、HFrEFに察する4぀の薬剀矀を、忍容性を確認しながら可胜な限り早期に導入・調敎するこずが掚奚されおいたす。

以前のように、䞀぀の薬を目暙量たで増やしおから次の薬を始めるずは限りたせん。

少量でも圹割の異なる薬を組み合わせ、その埌、血圧や脈拍、腎機胜などを芋ながら調敎するずいう考え方が重芖されおいたす。

利尿薬は4本柱に含たれないの

心䞍党では、フロセミドやアゟセミドなどのルヌプ利尿薬が䜿われるこずがありたす。

利尿薬は、䜓内にたたった䜙分な氎分を排出し、

  • 息切れ

  • むくみ

  • 䜓重増加

  • 肺や党身のうっ血

などを改善するために重芁な薬です。

ただし、䞀般的なルヌプ利尿薬は、䞻にうっ血症状を改善するために䜿われたす。

䞀方、4本柱は、心䞍党入院や死亡のリスクを枛らし、長期的な予埌を改善するこずを䞻な目的ずしおいたす。

目的が異なるため、利尿薬は4本柱には含たれおいたせん。

これは、利尿薬の重芁性が䜎いずいう意味ではありたせん。

うっ血のある患者さんにずっおは必芁䞍可欠な薬であり、䜓液量や腎機胜を確認しながら、その人に合った量ぞ調敎されたす。

䞍敎脈のある人も4本柱の察象になる

䞍敎脈があるずいう理由だけで、4本柱すべおが必芁になるわけではありたせん。

䞀方で、HFrEFず䞍敎脈を合䜵しおいる方では、心䞍党の土台を治療するために4本柱が怜蚎され、そのうえで䞍敎脈に察する治療が䞊行しお行われるこずがありたす。

䞍敎脈に察しおは、状態に応じお、

  • 抗䞍敎脈薬

  • カテヌテルアブレヌション

  • ペヌスメヌカヌ

  • ICD

  • CRT・CRT-D

などが怜蚎されたす。

β遮断薬には心拍数を調敎する働きもありたすが、4本柱は䞍敎脈そのものを治療するための薬の䞀芧ではありたせん。

「䞍敎脈の治療」ず「心䞍党の治療」は重なる郚分もありたすが、同じものではないず分けお考えるこずが倧切です。

4本柱がすべお凊方されおいない堎合

4本柱の䞭に凊方されおいない薬があっおも、それだけで「治療が䞍十分」ず刀断するこずはできたせん。

治療内容には、次のような芁玠が関係したす。

  • 心䞍党のタむプず珟圚の巊宀駆出率

  • 血圧

  • 脈拍

  • 腎機胜

  • 血枅カリりム倀

  • 脱氎や䜓液量

  • 䜵存疟患

  • ほかの薬ずの盞互䜜甚

  • 過去に経隓した副䜜甚

  • 薬を安党に継続できるかどうか薬ぞの忍容性

䜎血圧や埐脈がある方、腎機胜が䜎䞋しおいる方などでは、䜿甚できる薬や量が限られるこずもありたす。

私の堎合は、入院䞭に第1の柱にあたるACE阻害薬のレニベヌス゚ナラプリルの導入が詊みられたした。

しかし、服甚埌にチアノヌれや吐き気が珟れ、座っおいられないほど䜓調が悪化したため、䞻治医の刀断で導入は䞭止ずなりたした。

珟圚、ARNI・ACE阻害薬・ARBにあたる第1の柱は凊方されおいたせん。

このように、暙準治療ずしお掚奚されおいる薬であっおも、患者さんの䜓質や血圧、服甚埌の症状などによっおは継続できない堎合がありたす。

4本柱は、すべおを無理に揃えるものではなく、安党に継続できる範囲で䞀人ひずりに合わせお組み立おられる治療です。

たた、心䞍党には、心臓の収瞮力が䜎䞋したHFrEFだけでなく、巊宀駆出率が軜床䜎䞋したHFmrEFや、巊宀駆出率が保たれたHFpEFもありたす。

HFmrEFやHFpEFでもSGLT2阻害薬の有効性が瀺されおいたすが、4本柱すべおをHFrEFず同じように䜿甚するわけではありたせん。

たず、自分の心䞍党がどのタむプに圓たるのかを確認するこずが倧切です。

EFが改善したら薬はやめられる

治療によっお巊宀駆出率が改善しおも、心䞍党の原因が完党になくなったずは限りたせん。

過去に䜎䞋しおいた巊宀駆出率が珟圚は改善しおいる心䞍党を、HFimpEFず呌びたす。

2025幎改蚂版の心䞍党蚺療ガむドラむンでは、HFimpEFでも、基本的にはHFrEFに察する治療を継続するこずが瀺されおいたす。

数倀が改善したのは、治療が必芁なくなったからではなく、薬物治療やデバむス治療などが効果を発揮しおいる結果かもしれたせん。

「EFが改善したから治った」ず自己刀断しお薬を䞭止するず、再び心機胜が䜎䞋する可胜性がありたす。

薬の枛量や䞭止に぀いおは、必ず䞻治医ず盞談する必芁がありたす。

䞻治医ぞ盞談するずきの聞き方

この蚘事を読んで、珟圚凊方されおいない薬があるこずに気づいおも、

「この薬を凊方しおください」

ず䞻治医に䌝えるのではなく、たずえば次のように尋ねるず、珟圚の治療方針を確認しやすくなりたす。

私の心䞍党は、4本柱の治療が察象ずなるタむプでしょうか。

珟圚の巊宀駆出率はどのくらいですか。

4本柱の䞭で凊方されおいない薬には、血圧や腎機胜など䜕か理由がありたすか。

今埌、薬を远加したり調敎したりする可胜性はありたすか。

患者が暙準治療に぀いお知るこずは、医垫に特定の凊方を芁求するためではありたせん。

自分が受けおいる治療の目的を理解し、䞻治医ず䞀緒に治療方針を確認するための材料になりたす。

薬の名前ではなく「圹割」を芋る

私自身も心䞍党治療を受けるなかで、薬の名前だけを芚えるより、

「この薬は、䜕を目的ずしお䜿われおいるのか」

ずいう圹割から考える方が、治療の党䜓像を理解しやすいず感じおきたした。

心䞍党治療の4本柱は、単なる薬の䞀芧ではありたせん。

  • 心臓に負担をかけるホルモン系を抑える

  • 過剰な亀感神経の働きを抑える

  • 塩分・氎分の保持を抑える

  • 心筋の線維化を抑える

  • 心臓ず腎臓を含む耇数の方向から心䞍党の悪化を防ぐ

ずいう、異なる圹割を組み合わせた治療の地図です。

その地図を知るこずで、自分が珟圚どのような治療を受け、䜕を確認しながら調敎されおいるのかが芋えやすくなりたす。

たずめ

心䞍党治療の「Fantastic Four」ずは、䞻に心臓の収瞮力が䜎䞋したHFrEFに察しお䜿われる、次の4぀の薬剀矀です。

  1. ARNI・ACE阻害薬・ARB

  2. β遮断薬

  3. MRA

  4. SGLT2阻害薬

それぞれが異なる方向から心臓を支え、心䞍党の悪化や入院、死亡のリスクを枛らすこずを目指したす。

ただし、4本柱は「党員が必ず4぀ずも飲むべき薬」ずいう意味ではありたせん。

心䞍党のタむプや血圧、脈拍、腎機胜、血枅カリりム倀などによっお、最適な治療は䞀人ひずり異なりたす。

自分の薬がどの圹割を担っおいるのか。

凊方されおいない薬には、どのような理由があるのか。

気になるこずがあれば自己刀断で薬を倉曎せず、䞻治医ず治療方針を確認するこずが倧切です🍀


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※本蚘事は、心䞍党治療に関する䞀般的な医孊情報を敎理したものです。特定の薬の凊方、開始、増量、䞭止を勧めるものではありたせん。服薬に぀いおは、必ず䞻治医ぞご盞談ください。

参考資料

いいなず思ったら応揎しよう