葛藤①息子を愛せるようになるまで | 原因は私の偏見にあった | ダウン症
こんにちは。2歳のダウンの息子と4歳の娘の母、あおいです。
息子のダウン症を受け入れるまでというテーマで連載中です。
葛藤①息子を愛せるようになるまで
葛藤②運命を受け入れるまで
葛藤③人目を気にしなくなるまで
今日は葛藤①について書きます。
偏見とは自分では気づかないところに潜んでいるものです。そして、その自分の偏見で自分が苦しめられることになるとは。
息子の誕生は私に大切なことを教えてくれました。
葛藤①息子を愛せるようになるまで
焦る気持ち
途方もない絶望感の中、一刻も早く解決したいことがありました。それは、
生まれた我が子を愛せないこと。
ダウン症であることに気づいた瞬間、息子から距離を置いてしまった私の心を、なんとしても元に戻さなければいけませんでした。
次息子に会ったときに、また我が子だと思えないかもしれない。「ダウン症の子」「他所の子」にしか見えなかったら…。それが何より恐怖でした。
でも一人の病室で、どこにそんな答えがあるのか。頼れるのはSNSだけでした。まだ夢か現実か分からないような混乱状態のまま先輩ママたちの経験を読みあさり、「大丈夫、時間が解決してくれるから。」という言葉には救われました。今思えば先輩ママたちの言う通り。愛を育むには一緒に過ごす時間が一番なんです。
でも私は一刻を争っていました。
このままの気持ちで明日息子に会うわけにはいかない。
愛情を取り戻すという壮大なミッションを明日までになんとかしようという、我ながら無茶苦茶です。でも自分の中に答えが見出せるはずだという期待もありました。昨日までお腹の中にいた我が子なんだから愛せないわけがないと。
原因は私の偏見にあった
手探りでしたが、まず、ダウン症について知ろうと思いました。
染色体異常とはどういうことなのか。
なぜ似たような顔つきになるのか。
調べていくと、ダウン症の人の顔つきが似るのは、顔の中心部分の発達が遅いという特性があるからだと分かりました。
私がダウン症の息子の顔つきを見たときに他所の子のように感じてしまったのは、顔つきが似ているところに血縁関係のような繋がりを感じてしまっていた偏見によるものだったんです。
当然ですが、ダウン症の人の顔は一人ひとり違っていて、それぞれ親や兄弟に似ています。でも私は無意識のうちに、「ダウン症の人たち」と一括りに見てしまっていたんだと気づきました。正しく知ることが大事だとつくづく考えさせられる経験でした。
そしてこれが1つ、解決の糸口となりました。染色体異常についても調べたことで、「私と夫の遺伝子から息子が誕生したことには変わりない」と再確認でき、
この子には別の家族なんていない。
私だけがこの子の母親で、私たちだけが家族なんだ。
と思えるようになりました。当時の私にとっては
すごくすごく大きな一歩に感じられました。
実感を求めて
でもまだこれは机上の空論。息子に会って実際にこの心で感じた違和感はそうそう覆りません。だから何とか自分の心に訴える方法はないかと模索しました。
そうこうしている間に、夫から娘の様子を伝えるLINEが届きます。そこに写る娘の姿が愛おしくて、何度も何度も見返して泣きました。
この気持ちだよ!私が探しているのは!
そう思いながら、アルバムを遡っていたとき、大きなお腹の私の横で娘がはしゃぐ写真が目に止まりました。そこには息子が私たちの家族とずっと一緒過ごしてきた実感がありました。
そして、息子の妊娠が判ったときのこと、お腹を蹴り始めたときのこと、切迫流産でとにかく無事産まれて欲しいと願ったときのことが一気に蘇り、
確かにこの子が私のお腹にいたんだ
という実感がじわじわと湧き始めたんです。
小さな病室で一人の私にできることはここまででした。後はこのようやく芽生え出した気持ちを大事に何度も何度も思い起こしながら面会のときを待ちました。
息子を愛せるようになった瞬間
そして翌日の面会のとき。まだドキドキはしましたが、恐れではなく、息子に会いたいという気持ちで会いに行くことができました。
息子はやっぱりダウン症の顔つきでした。でもちゃんと我が子だと感じられました。抱っこしていると温かくて、確かに愛おしさが込み上げてきました。
ずっと張り詰めていた糸が切れ、初めてちゃんと息を吸えた感じがしました。
これが私が息子を愛せるようになった瞬間です。一番の苦しみから解放された私の心は一気に軽くなりました。この愛があれば大丈夫だ!そう思えたことが大きな自信になっていきました。
次回
葛藤①で修羅場を抜けた私は、一筋の光を浴びていました。今ならこの運命を受け入れられるかもしれない。そう思った私は畳み掛けるように葛藤②に入ります。
次回、
葛藤②運命を受け入れるまで
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