七敗の中に、三割の光がある。
こんにちは、長期投資家@VOOです。
最近、こんな夜はありませんでしたか。
「今日も、うまくいかなかったな」
仕事で企画が通らなかった。
子どもに、つい強く言いすぎてしまった。
投資でも、自分なりに考えて買ったものが、翌日から下がり続けている。
一日の終わりに思い出すのは、
なぜか、うまくいったことより、
うまくいかなかったことばかり。
私にも、そういう夜があります。
むしろ、そういう夜の方が多いかもしれません。
そんなとき、ふと思い出す言葉があります。
失敗を気にしていては革新はできない。
打率三割といえば強打者と呼ばれるが、
それは十回のうち七回までが失敗だったということである。
アルフレッド・スローンの言葉です。
なぜ、この言葉が心に残るのか
この言葉のすごさは、
「失敗してもいい」
と慰めているわけではないところです。
スローンが言っているのは、
「打率三割は、七割の失敗でできている」
という、とても単純な事実です。
慰めではなく、統計です。
だから、この言葉は綺麗事にならない。
強打者と、そうでない打者を分けているのは、
「失敗しなかったこと」
ではありません。
三振しても、
凡打に倒れても、
また次の打席に立つ。
その繰り返しの先に、
「三割」という数字が残る。
つまり私たちは、
成功している人を見るとき、
どうしても「三割」の方ばかりを見てしまうんですよね。
でも、その人の人生には、
表からは見えない「七割」がある。
ここが、この言葉の面白いところだと思います。
「打率三割」は、投資にもよく似ている
ここで、少し視点を変えてみます。
長期投資も、
毎回うまくいく世界ではありません。
積立を始めた直後に下落することもあります。
追加投資した翌日から、
さらに下がることもあります。
一年間、ほとんど資産が増えないことだってある。
そして、ときどき大きな暴落もやってきます。
そんなとき、
「もうやめようかな」
という声が、頭の中に聞こえてきます。
でも、長期投資家が目指しているのは、
すべての打席でヒットを打つことではありません。
底値で買うことでもない。
天井で売ることでもない。
毎年プラスになることでもない。
負ける時期も含めて、
市場に居続けることです。
考えてみれば、
積立投資は少し不思議です。
今日買ったものが、
明日下がるかもしれない。
来月もっと下がるかもしれない。
それでも買う。
なぜなら、
私たちが見ているのは、
「今日の打席」ではなく、
何十年というシーズン全体だからです。
なるほど。
そう考えると、
長期投資とは「勝つ技術」というより、
負ける時間と付き合う技術
なのかもしれません。
暴落は「退場してください」という合図ではない
相場が大きく下がると、
それまで長期投資を語っていた人まで不安になります。
私も同じです。
頭では分かっていても、
資産が大きく減れば気持ちは揺れます。
でも、
野球で一度三振したからといって、
「自分は野球に向いていない」
とユニフォームを脱ぐ選手はいません。
長期投資も似ています。
暴落は、
長い投資人生の中に最初から含まれているものです。
言ってみれば、
想定内の三振です。
大切なのは、
三振しないことではなく、
その一回でバットを置かないこと。
相場も人生も構造は同じです。
うまくいかない時間まで含めて、
長い目で考える。
そこに長期投資の強さがあるのだと思います。
会社も社会も「七割の失敗」の上にできている
投資脳で世の中を見ると、
この話はさらに広がっていきます。
新しい商品。
新しい事業。
新しい技術。
私たちがニュースで見るのは、
基本的に「成功した三割」です。
でも、その裏側には、
世の中に知られることすらなかった「七割」があります。
AIだって同じです。
今、私たちが便利に使っている技術の裏には、
うまくいかなかったモデルや、
採用されなかったアイデア、
途中で終わったプロジェクトが山ほどあるはずです。
会社も同じでしょう。
一つのヒット商品の裏には、
売れなかった商品がある。
一つの成功した新規事業の裏には、
撤退した事業がある。
でも私たちは、
成功した結果だけを見て、
「あの会社はすごい」
「あの人は才能がある」
と思ってしまう。
もしかすると、
才能の差だと思っているものの一部は、
失敗できた回数の差
なのかもしれません。
これは、投資にも通じます。
一度の下落で市場から離れた人と、
何度も下落を経験しながら市場に残った人。
10年、20年後に大きな差を生むのは、
投資商品の違いだけではなく、
「打席に立ち続けた時間」なのかもしれません。
私自身も、何度も三振してきました
私も投資を始めた頃は、
下落するたびに一喜一憂していました。
「今回は違う」
「これは本当にまずいかもしれない」
ニュースを読めば読むほど不安になり、
何かしなければいけない気がする。
今振り返れば、
相場ではなく、
自分の感情と戦っていたんですよね。
でも、長く市場を見ているうちに、
少しずつ考え方が変わりました。
「暴落は、想定内の三振の一つだ」
そう考えるようになってから、
以前ほど慌てなくなりました。
もちろん、
今でも下落は嫌です(笑)
資産が減って喜べるほど、
私は達観していません。
ただ、
「これも長いシーズンの一試合」
と思えるようにはなりました。
そして、
誰にも見せないところで、
いつもの積立を続ける。
その地味な時間こそ、
あとから振り返れば、
自分を支えてくれる資産になるのだと思っています。
三割の光は、七敗の中にある
スローンの言葉を考えていると、
成功についての見方が少し変わります。
私たちは、
失敗を減らせば成功に近づくと思いがちです。
もちろん、
同じ失敗を何度も繰り返さないことは大切です。
でも、
失敗を完全になくそうとすると、
今度は「打席に立たない」という選択をするようになります。
それでは、
三振もしない代わりに、
ヒットも生まれません。
人生も投資も、
完璧な一打を待ち続けるより、
自分なりのルールを持って、
打席に立ち続ける方がいいのかもしれません。
うまくいかなかった日。
資産が減った日。
仕事で失敗した日。
「ああ、今日は三振だったな」
それくらいでいい。
また次の打席があります。
七敗の中に、
三割の光がある。
そして、その三割は、
七敗を避けた人ではなく、
七敗しても立ち続けた人にしか見えない。
人生も投資も、
そんなふうにできているのかもしれません。
あなたにも、
「あのとき打席を降りなかったから、今がある」
と思える出来事はありますか。
よかったら、コメントで教えてください。
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