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haru_kousho
線香花火を、ひとりで - 短い火と、長くなった夜 -
こんにちは、ルーシーです。
お盆休みを前にした、しずかな週末の夜のこと。引き出しの奥にしまっていた小さな袋から、一本だけ線香花火を取り出してみました。
ベランダに出ると、夜の空気にはもう昼間の熱がだいぶ抜けて、足の裏に触れる床の冷たさがすこし心地よく感じます。小さなブリキのバケツに水を張って、用意はそれだけ。ろうそくの代わりに、お気に入りのキャンドルにそっと火を移して、それから線香花火の先をふっとさし出しました。
しばらく沈黙のあと、ぱちっと小さな火種が灯って、すぐに儚い火花が降りはじめます。ぱちぱち、ぴちぴちと、ちいさな粒のような光が足元に向かって落ちていく。赤と黄色の中間のような色の火が、夜のベランダの一角を丸く小さく明るくしてくれました。
ひとりで線香花火を眺める時間って、なんだかいいものですね。じっと見つめていると、こちらの呼吸までその小さなリズムに合わせてゆっくりになっていくのを感じます。わずか1分ほどの命なのに、終わるまでに心の中のいろんな引き出しを開けてくれる不思議な火。
最後のひと粒がぽとりと地面に落ちて、夜はもとの静けさに戻りました。バケツの水に燃えカスがちいさく溶けていく。夜空を見上げると、まだ昼の名残のような白さが空の端のほうに残っていました。
一本の線香花火でこんなに静かに自分と向き合える時間が来るのだと、毎年思い出させてくれます。にぎやかな夏もいいけれど、ひとりで小さな火と過ごす夜もこれはこれで、大切な楽しみ方なんですよね。
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