気づいたらまた、帰り道|不器用な笑顔
逢えない時間が、気持ちを育てるなら。
逢えている時間は、何を育てるのだろう。
一緒にいられれば、それだけでいいの?
頭の中に浮かぶ思いは、行ったり来たり。
逢いに行く時間は楽しいのに、
帰り道になると、足が重くなる。
浮かんだ想いを書いては消して、
ガラスに映る自分を見つめる。
そんな姿に微笑んでみたけれど、
目元だけは笑えてない。
どんな顔で、あなたを見ていたんだろう。
それすら覚えていないのは、
逢えている時間が短く感じるから?
それとも――
逢えない時間が、気持ちを育てる。
逢えている時間は、気持ちを忘れる。
想いがいつか溢れそうで、
いっそ全部、
あなたに見せたくなる。
まだ早い。
もうちょっとだけ、
いまの時間を大切にしたい。
あと少し。
帰る前の儀式の時間。
今日も私は、笑顔を作る。
手を振るあなたに、
知られないように。


