【届くかわからないけれど】世界一まわりくどいラブレターを書いてます
【好きな人へ】
私が物語を書き始めたのは、私の好きな人が本を読む人だったから。
私は読書に興味がなかった。
これまで書いたことがあるのは、夏休みの読書感想文ぐらい。
でも、仕事では文章を書くことは多かった。
報告書や案内文、さまざまな文書を書く。
職場では「わかりやすい」「要点がまとまっている」と言われ、少しいい気になっていた。
私は昔から、寝る前に妄想する癖があった。
ファンタジーの世界を考え、その世界を少しずつ広げるために、細かな設定を組み立てながら眠りにつく。
ある日、物語を書いてみようと思った。
私の好きな人が、本を読む人だったから。
読んでほしかった。
私のことを知ってほしかった。
そして知りたかった。
本を読む人は、何を見ているのか。
昔から頭の中にあったファンタジー世界が土台になった。
いくらでもアイデアが湧いてくる。
まるでその世界が実在するかのように、細かな設定があふれ出した。
書き始めは楽しくて、面白くて、寝る間を惜しんで書いた。
書いた物語を読み返し、書き直す。
そんな中で、noteに投稿してみようと思った。
とても心配だった。
恥ずかしかった。
下手だと思われるかもしれない。
理解されないかもしれない。
そんな反応が返ってくるのが怖かった。
それでも、好きな人が読んでくれたらと思って、投稿ボタンを押した。
反応は、とても静かだった。
コメントもつかない。
viewも増えない。
まさに無風。
批判されることを恐れていたけれど、現実はもっと厳しい。無風。
でも、それがよかった。
読まれなくていいや。
私の物語の保管庫にしちゃおう。
そんな気持ちで、書いては載せ、書いては載せ。
気づけば、毎日物語を投稿していた。
無趣味を自認していた私に、初めてできた趣味だ。
そんなとき、初めて「スキ」がついた。
うれしかった。
誰かが読んでくれた。
--本当に?
疑いながらも、その一つの「スキ」を見て喜んだ。
それから、たくさん物語を書いた。
少しずつ「スキ」も増え、フォロワーもできた。
うれしかった。
でも――
私の好きな人は、読んでくれているのだろうか?
書き始めたきっかけは、ほんの些細なこと。
今日も、届くかわからないけれど、物語を書いています。

もし、どこかに届いていたなら。
それだけで、十分です。
(スキは静かな足跡になります)
