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ムチャ振りは、「場」をつくる。【振り子のエッセンスシリーズ⑥】

その日は、
午前中で精神科の仕事を終えて、
午後から教育センターでの活動の日だった。

専門的教育相談員
として、

市内の小・中学校から
要請の上がった学校に訪問し、

学校だけでは対応が難しい
ケースへの助言を行なったり、

心理学の視点から
教育センターの先生方に
助言を行なったりするのが
基本的な活動内容となる。

※教育センターでの活動はこちら↓

予定を確認すると、
最後の枠に

市の教育委員会からの
アポイントが入っていた。

あまり見ない来客なので
内容が掴めない。

気にかけつつも
他の仕事をこなす。

約束の時間になると、
見慣れた先生がやってきた。

昨年まで小学校の教頭をしていた
先生で、学校訪問の際に色々とお話
していた先生だった。

話を聞くと、

もう1ヶ月もしないところまで
迫っている研修会の講師が
まだ決まっていないこと、

それを出来たら私に
お願いできないかと
考えていること、

という趣旨だった。

目的は不登校等の現状共有を含めた
専門性の向上と横のつながりの強化。

研修対象者は
市内全域のスクールカウンセラー、
スクールソーシャルワーカー、
不登校支援担当職員。

テーマはほぼお任せ。
持ち時間90分での内容だった。



私には、よくこの手の

「ムチャ振り」

がやってくる。

「お、来たか」

と思いながら、

とりあえず、
スケジュールを確認する。

予定が詰まっているのは
詰まっているけど、

頑張れば
できないことも無いか…?

しかしスライドを作っている
時間は無さそうだ。

さて、どうしたものか…。

そこで、とりあえず
いつも通り対話を繰り返し
イメージを膨らませているうちに

閃いた。

そうだ、研修会を

即興のシンポジウム

にしよう

——と。

一旦こうなると、
あとのアイデアは
次々と出てくる。

シンポジストは
私がその場の直感で
フロアから指名する。

まずは
小・中・高の校種別で3名欲しい。

さらに経験年数で分けて

15年以上、
5~10年、
5年未満、

で3名いたら、
視点も違って楽しそう。

併せて6人の
スクールカウンセラーに

「シンポジスト」

として話してもらう。

そして、
指定討論は職種別で分ける。

そうすれば、

私が全部話す必要はない。
シンポジストに振るテーマだけ
決めれば、

あとは場が勝手に回ってくれる。

シンポジウムの名前は
市教委にお任せしようっと。

——こうして、

「『ちがい』が学校を支える

― 多様な専門性を活かす対話と
実践のシンポジウム ―」

が出来上がった。



私たちは、
自分の頭だけで
考えているようで、

その実
他者との対話の中でしか
考えられないことがあると思う。

そして、
異なる立場や経験に
触れることで、

「迷っているのは
自分だけではない」

と知ることができる。

「自分だけではない」

を知ったとき、
その迷いを抱えながら
前に進む力が育ってくる。

そして、
シンポジウムでの
何気ない会話が、

新たな挑戦へと
つながっていく。

  • 学びは、本ではなく人から得る。

  • 成長は、違いを受け入れるところから始まる。

  • 人生を豊かにするのは、人との縁。

この研修会にご縁があって、

私が大切にしている価値観を
改めて再認識することができた。


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