33年間の会社員生活を辞めた3つの理由
GenZee、この7月AppsFlyerという、モバイルアプリの効果計測プラットフォームで世界トップシェア企業を退社します。わずか16ヶ月でしたが、貴重な経験をさせていただきました。
そして同時に、今回の退社を機に、セミリタイアすることを決めました。1990年春、新卒で就職して以来400ヶ月(33年と4ヶ月)の間、一度も無職になることなく会社員を続けてきましたが、誕生月を良い機会と捉え、定年退職宣言して円満退社となりました。
そしてまた、このノートを実名で書くことにしました。両面の再スタートの印として、この記事をポストします。
33年間の会社員生活を辞めた3つの理由
1. ワークライフバランス
実名を明かしたので、多少明かしてしまいますが、GenZeeには息子と娘がいます。息子は既に社会人。めちゃいい稼ぎをしており、もう”すねかじり”はされていません。娘はまだ高校生だけど、親の遺伝子とは関係無く非常に優秀で、希望の大学に進学できそう。
また家のローンは既に完済しており、子育てとハードな仕事が重なっていた30-40代の頃に比べて、ようやく肩の荷が軽くなっています。GenZeeもその奥様も倹約が身に染み付いているので、貯金と年金で十分に生活していけそう。
一方で、両親は高齢で、母親は認知症を患っており、実家に帰省する頻度が徐々に上がってきていました。
そんな折にGenZeeは考えました。
最近は人生100年と言います。会社員の定年は60歳が最短、会社によっては65歳まで延長する企業が増えています。長く働ける時代、とも言えます。一方で、定年を過ぎてからも、まだ人生は数十年残っています。それまで仕事一筋、会社一筋で生きてきたら、その定年後にも続く長い時間を、趣味がなく、会社以外の友人は少なく、感謝を伝えたかった親はもういない…。
こんな人生の後半を過ごしたら、全く楽しくありません。
筋トレ、自転車、登山、ヨットなどが趣味のGenZeeは、体が強いうちに、たくさんやりたいことがあります。そして定年時期を迎える前に、会社に属さなくとも楽しく充実した時間の過ごし方と、社会貢献しながら多少の収入を得る方法を考えていかねば、と思ったからです。
理由その1:仕事は好きだし大事ではあるけれど、仕事オンリーの人生になりたくなかったから。

2. ストレス
良し悪しの問題ではなく、イスラエル企業文化はユニークです。同じ外資系でも米国系とは違います。
一例を挙げると、①ルールや方針が度々変わる。②綿密に戦略を練るよりも、まず実行してみることを優先する。③そのためドキュメント化していないことが多く、口頭で浸透させようとする。④その過程では激しい議論が交わされる。口論ではないらしいのだが、かなり激しい議論を好む。
さながら戦場のような、超高速流動型アジャイル文化。これが悪いということではなく、この文化のおかげで、様々な優れた技術系のスタートアップが生まれ、育ち、GAFAなどの米系テック企業に良い買収をされるケースがあります。が、カントリーマネージャーのGenZeeにはストレスになりました。
そしてもう一つ。一般的に、成長過程の(未成熟な)外資系企業の日本支社には、社内に様々なチャレンジ(問題)が転がっています。特に人事マター。これらを適切に対処していくのがカントリーマネージャーの仕事です。でも、かつては何十億円、時には百億円の痺れるビジネス開発ディールを扱ってきたGenZeeですが、56歳を迎えた今、人事関連のストレスには結構弱くなっていたのです。
外資系のカントリーマネージャー職は、ストレスとの戦いかもしれません。
これは、若い人には参考にはならないか、理解できない意見だと思いますが、年齢と共にキャリア開発に必要なストレスと不要なストレスがあると思いました。
理由その2:今後の人生の糧にはならない、不要かつ過度なストレスは避けたかったから。

3. ワクワク感
これを言ってしまうと社員の人たちには申し訳ないのですが、最も大きな理由がこれです。
「自分が扱うプロダクトにワクワクしなかった」から。
プロとして自分では認めたくなかったけれども、この事実がずっと喉の奥につっかえていたことが、退社の決断に大きく影響しました。
これもまた良いとか悪いとかの話ではなく、向き不向きの視点ですが、GenZeeはB2C事業向きだな、と。消費者の視点で、自分自身がファンである製品を扱う会社だと情熱を捧げられる。ということに今更ながら強く気付かされました。
音質が良くデータ通信に向いているPHS、世界一のプロバイダAOL、挑戦的な音楽配信サービスNapster、ヘビーユーザでもある食べログ、そしてGoogle検索。これらを扱う会社で働けることに喜びを感じていました。
一方で、B2B事業のプロダクトは、一個人として日常に触れる機会が少ないです。でも、その製品を導入したクライアント企業が、その先の製品を普及させることを支援する、ということにプロとして喜び、充実感、達成感を味わえるタイプの人には向いているのでしょう。当社にも、「分析のダッシュボードを眺めているとワクワクします」、と言う社員がいます。彼女は情熱をもって、製品と顧客に向き合っています。一方、その画面に情熱を持てない自分が申し訳ないなと思いました。
理由その3:自社製品に対する”ワクワク感”を持ち続けられないことが申し訳なかったから。

以上が、33年間の会社員生活引退のきっかけとなった、最後の会社を辞めようと思った、3つの理由です。これからは、自分の心に正直に、ワクワク感を大事にして人生を過ごしていきたいと思っています。
GenZeeから将来を担う会社員への助言
そんなGenZeeから、同年代のシニア会社員と、これから何十年と働くことになる若い世代への助言です。
自分自身が利用者の立場になって自社製品を考えた時、ワクワクしないようでは、どんなに報酬が良くとも長続きしないし、いい成果を出せません。自分自身の胸に当てて、理性や条件よりも、感情と感性を優先して仕事選びをしましょう。
学びの時期、経験を深める時期においては、ストレスは必要で、成長の糧、将来の肥やしとなります。その先のゴールが見えていれば、必要なストレス。でも、いつも、ずっとストレスを抱える必要はありません。耐えるのが無理だと思ったら、逃げてもいいのです。
年齢を重ねると共に、また、家族構成やステージの変化に伴って、仕事と趣味および家族に、時間とエネルギーを注ぐバランスは変わっていきます。ハードワークする時期とハードに遊ぶ時期やそのバランス、スローライフに切り替える時期、を自分自身でよく考えましょう。
ここまで長文をお読みいただき、ありがとうございました。関連する他の記事もお読みください。
