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【登山と経営】備えは命を守る ─ 登山と経営に共通する“バッファ”の重要性

昨日は山の日でした。ちょうどいいタイミングで「登山と経営」シリーズを執筆しているなと、自画自賛です。w
シリーズ第5弾は、”バッファ”の重要性について。

1. 登山における予備品の重要性


登山では、荷物を軽くすることが鉄則と言われます。
軽ければそれだけ体力の消耗が減り、長時間の行動が楽になります。

しかし、軽さを追求しすぎてしまうと、命に関わるリスクが高まります。

飲料水をギリギリの量しか持たない。
行動食を削ってしまう。
救急セットや雨具を置いていく。
こうした判断は、順調なときには何の問題もないかもしれません。
しかし、途中で思わぬ足止めを食らったり、天候が急変したりした場合──

予備の飲料、非常食、万が一に備えた装備があるかどうかで、その後の行動や判断は大きく変わります。

そして何よりも、"心の余裕"がまったく違います。

2. 経営でも“バッファ”が命を守る

これは、経営の世界でもまったく同じです。
会社を軽く、効率的に回すことは大切ですが、バッファを削りすぎると、いざというときに耐えられません。

たとえば、ある日突然、製品の不具合が発覚して全品回収しなければならなくなったら。
あるいは、コロナ禍のように、社会経済活動が数ヶ月単位で止まってしまったら。
売上がゼロに近づく状況でも、半年間は生き延びられる運転資金が手元にある──
これは多くの経営の教科書や実務家が口を揃えて言う“最低ライン”です。

現金の余裕があれば、"心の余裕”となり、危機の中でも冷静に動けます。

資金繰りに追われて判断を誤ることも減りますし、時には攻めの一手を打つチャンスにもなります。

3. 人的リソースにも余裕を

バッファが必要なのは、事業運転資金だけではありません。
人的なリソースも同じです。

人員をギリギリで回している組織は、休暇を取る余裕がなくなり、心身の疲労が蓄積します。
体力的にも精神的にも限界に近づけば、判断力や創造力は確実に落ち、離職リスクも高まります。
こうした負のスパイラルに入ると、組織全体が疲弊してしまいます。

一方で、人員や時間にバッファのあるチームは違います。
突然のトラブル対応や新しい挑戦にも柔軟に動けますし、改善活動や学びの時間を持つことができます。

メンバーにとっての“心の余裕”は、組織全体の安定感につながります。

4. バッファはコストではなく投資

登山では、非常用の水や食料、救急セットを持つことは「重くなるからやめよう」とは考えません。
それは余計な負担ではなく、生きて帰るための最低限の備え、リザーブ的な装備品だからです。

経営における現金の余力、人員の余裕、時間のバッファも同じです。
平時には“無駄”に見えるかもしれませんが、有事にはそれが唯一の命綱になります。
そしてその余裕こそが、次の山を登るための力を蓄える期間にもなります。

軽さと予備、すなわちバッファのバランスをどう取るか。
登山でも経営でも、そこに真の力量が表れます。
ゴールに辿り着くために、そして安全に帰るために──

バッファを持つことは、”心の余裕”を生むという効果があり、成功に導くための何よりの戦略となるのです。

このように、”備えの重要性”という点で、登山と経営は非常に似ていると思います。



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