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社員ファーストな子育て社会を目指して〜あなたは悪くない、次は社会だ〜

「この記事を読んでほしい方」

  • 子育て世代のビジネスパーソン
    日々の子育てと仕事の両立に悩んでいるワーキングママ・パパ

  • 育休を取りたいけれど躊躇している方
    「同僚に迷惑をかけるのでは…」と心苦しく感じている方

  • 同僚や部下が育休を取る側にまわり、負担を抱えている方
    「なんで私ばかり大変なんだろう」とモヤモヤしている方

  • 管理職・企業側の立場の方
    「育休を応援したいが、現場が回らない」と悩む経営者・人事担当者

  • 制度設計に関わる国会議員や行政担当者
    これまで「育休を取る人」への制度は整ってきたが、
    「取らせる企業」「残された社員」への仕組みがまだ弱い。
    そのギャップに現場が苦しんでいる現実を、ぜひ知ってほしい。

育児をする側、会社に残る側、それぞれの想い

あなたは悪くない。環境がまだ整っていないだけ

子どもが熱を出したとき、会社に電話をかける手が震える。上司や同僚からの冷たい視線に耐える。そんな日々に疲れてしまうこともありますよね。

一方で、同僚の育休を祝福したい気持ちはある。でも自分の仕事は増える。子どもを産み、育てながら働く。頭では「大事なこと」だとわかっているのに、実際には「どうして私ばかり大変なんだろう」と感じてしまう。

まず最初に伝えたいのは——あなたは悪くないということです。


日本はここまで整ってきた

実はここ数年、日本でも子育て支援は急速に充実してきました。政府が打ち出した「子ども未来戦略方針」には、次のような制度が並んでいます。

  • 出産育児一時金が42万円から50万円に引き上げ

  • 児童手当の拡充(第三子以降の増額、所得制限の撤廃)

  • 大学授業料の減免や後払い制度

  • 住宅ローンや公営住宅の優先入居など住まい支援

  • 「こども誰でも通園制度」で、親が働いていなくても時間単位で保育利用が可能

  • 放課後児童クラブの拡充、医療費の自己負担軽減

  • 育児休業給付率の引き上げ、男性育休取得を促す「産後パパ育休」制度

  • 中小企業が社員の育休を取りやすくするためのインセンティブ

これだけ見れば「ずいぶん整ってきたな」と思えますよね。実際、昔と比べると格段に制度は整いました。


それでも出生率は下がっている

でも現実はどうでしょう。出生率は1.2を割り込み、「過去最低」を更新し続けています。支援策は増えているのに、子どもを産み育てる人は減っているのです。

なぜなのか?

答えのひとつは、制度の整備が「休む人」ばかりに偏っていて、「休ませる企業」や「残された社員」への支援が十分ではないからです。

育休は“取れるチケット”のように配られました。でも、そのチケットを切ろうとした瞬間、周りから「また抜けるの?」と冷たい目で見られる。
権利としては与えられているけれど、環境が整っていないから使いにくい。——そんな矛盾を、多くの人が日々感じているのではないでしょうか。


世界と比べると見える「日本の中途半端さ」

海外に目を向けると、状況はまた違って見えます。

北欧諸国のように産休・育休が2〜3年ある国では、企業は最初から「長期不在が前提」として、代替要員を雇う仕組みが根づいています。
逆にアメリカやメキシコのように育休が数週間〜数か月しかない国では、社内でやりくりして乗り切るのが一般的です。

一方、日本は1年前後。長期でもなく短期でもない、いわば“中途半端”な長さなのです。
だから、企業も「代替を雇うほどではない」と考え、結局は残された社員の負担が重くなる。かといって数週間で済むわけでもないので、負担はじわじわ積み重なっていきます。

この「中途半端さ」こそが、出産・育児をめぐる分断を生んでいる最大の要因なのではないでしょうか。


👉 では、日本がこの“中途半端さ”を乗り越えるにはどうしたらいいのか?
ここから先は、海外の事例や日本での新しい取り組みを紹介しながら、解決のヒントを考えていきたいと思います。


【海外事例+解決策提案】(以下有料部分)

海外の実態:長期と短期、それぞれの戦略

ヨーロッパの職場調査では、育休が長い国ほど「有期契約や派遣で代替要員を確保」する傾向が強いと報告されています。ベルギーやデンマークでは、4割以上の企業が派遣で対応しているというデータもあります。
逆に、イギリスやギリシャのように休暇が短い国では「残ったメンバーで仕事を再配分」が主流でした。

つまり世界では、長ければ雇う・短ければ回すという割り切りが成り立っているのです。

日本はそのどちらでもない。だから「雇えないし、回しきれない」という最悪のパターンに陥っているわけです。

母親が利用可能な有給の育児休業および在宅育児休業の期間、ならびに全国平均賃金を得ている個人を基準とした場合の、それら休業に対する平均的な給付率 
OECD Family databaseより抜粋

https://www.oecd.org/en/data/datasets/oecd-family-database.html


日本の現場で起きていること

実際、日本の企業調査でも「代替要員を確保できない」が育休推進の最大の課題として繰り返し指摘されています。
残った社員にしわ寄せがいくことで、

  • 職場の不満が高まる

  • 育休を取った人が復帰後に気まずくなる

  • 「次の子どもは無理かも」と思ってしまう

こうした負のスパイラルが、少子化にもつながっているのです。


解決策の方向性

  1. 代替採用を後押しする仕組み

    • 有期契約や派遣を活用する企業に対して助成金や税制優遇を設ける。

    • 補充人員への賃金補助。

    • 育休○人に対して補充人員1人と法制化。

  2. 残った社員への人件費補填

    • 育休者の人件費の一部を「残存メンバーの時間外・応援要員」に振り替えられるようにする。

    • 部署の負担が可視化されることで、不公平感を減らす。

  3. 段階的復帰と短時間勤務の強化

    • 復帰前から「週○日・短時間」など段階的に戻れる制度を整備。

    • 給与減を補填する仕組みを国が後押し。

  4. タレントバンクの整備

    • 育児や介護中の有資格者やセカンドキャリア人材を登録する仕組みを作り、即戦力としてマッチング。

    • 「誰かが抜けても代わりがいる」という安心感を企業に与える。


男性育休は「分散型」がこれからの鍵

もう一つ大事なのが、男性の育休のあり方です。
これまでの議論は「まとめて数か月取れるかどうか」に偏っていました。でも実際の子育ての現場では、日々の細かな時間需要が圧倒的に多いのです。

  • 子どもの急な発熱で病院に連れて行く

  • 遠足や運動会に参加する

  • 毎日30分だけ早く帰って送り迎えする

こうした「日常のすき間」に父親が関われることが、母親のキャリア継続や家庭の安心につながります。

だからこそ、「1年のうち1か月分を細切れにして使える男性育休」が現実的で効果的だと思うのです。
北欧では子どもの病気のときに両親が休める「看護休暇」が整っています。日本も「まとめて取る」だけでなく「分散して取る」形をもっと広げるべきでしょう。

おわりに:次世代へ残す社会

これまで日本は、出産・育児をする人の権利を守る制度を必死に整えてきました。それ自体は大きな成果です。
でも、まだ足りないのは「企業側」や「残された社員」への支援です。ここを埋めていかなければ、分断は広がり、制度は形骸化してしまいます。

子どもを安心して産み育てられる環境を作ることは、将来の社会保障を支える基盤を作ることです。
そして何より、次の世代のパパママが「子どもを産んでよかった」と思える社会を残すことにつながります。

そのために今必要なのは——
「休む人」「残る人」「企業」すべてに目を向けた仕組みづくりです。

そして、この現場の声は、制度を設計する国会議員や行政担当者の方々にもぜひ届けたい。
「子育て世代が安心して休めるだけでなく、残された仲間も気持ちよく働ける仕組み」こそ、これからの少子化対策の核心だと思います。

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