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製造業の営業課長、初めてのアメリカで打ちのめされてきた話【第1回】ハンドルが勝手に動く車に乗った日

どうも、こーたんです。

シリーズ第1回は、完全無人の自動運転タクシー「Waymo」に乗った話です。

ただ、いきなりWaymoの話をしても感動が伝わらないと思うので、まずはその前に僕が体験した"人間のタクシー"の話からさせてください。

Uberという洗礼

今回の出張で、移動手段として使ったのがUberでした。

最初に使ったとき、正直「これは便利だな」と思いました。アプリで行き先を入れると、乗る前に料金が表示される。日本のタクシーみたいにメーターを気にしなくていいし、ぼったくられる心配もない。

ただ、サンフランシスコ国際空港からサニーベールまでの料金を見て、少し目を疑いました。約57ドル。日本円でおよそ8,900円。アメリカの物価が高いとは聞いていたけど、タクシー代でこれか、と。

まあ仕方ない、これがアメリカか。そう思って乗り込んだ初日のドライバーは、到着するなりこう言いました。

「チップ20%でも少ないぜ。25%くらいが普通だよ」

Uberのアプリには、ちゃんとチップの選択画面があるのは知っていました。チップの文化があることも理解していました。ただ、まさかドライバー本人から直接パーセンテージを指定されるとは思っていなかった。

電卓を叩くと、25%で約14ドル。日本円で約1,800円。日本なら、ちょっといいランチが食べられる金額です。

異国の地で揉めるわけにもいかないので、言われるがまま払いました。

これだけならまだいいんです。

2日目、またUberを呼んだんですが、今度はドライバーが来る前に勝手に「乗車完了」にされて、乗ってもいないのにキャンセル料を取られました。

ChatGPTの力を借りて英語でカスタマーセンターにクレームを入れました。やり取りには3日かかりましたが、最終的に返金してもらうことができました。ただ、英語でのクレーム対応を異国の地で3日間続けるストレスは、なかなかのものでした。

正直、この時点でUberに対する信頼はゼロです。

チップを強要される。乗ってないのにお金を取られる。次はどんなトラブルが来るんだろう、と。

「あれ乗りたい」

そんなUber不信の状態で迎えた2日目の午後。

上司と一緒にGoogleのビジターセンターを見た帰り道、道路を走る不思議な車が目に入りました。

屋根の上にセンサーがついていて、運転席に誰もいない。

それがWaymoでした。

上司が一言、「あれ乗りたい」と。

ただ、僕はWaymoのアプリなんて入れていません。出発前に準備していたのはUberとLyftだけ。その場でアプリをダウンロードしたんですが、なぜかデフォルトの言語がポーランド語で、画面が全く読めない。

ここで頼ったのがChatGPTです。

スクリーンショットを撮って送り、「これ何て書いてある?英語に切り替えるにはどうしたらいい?」と聞きながら、言語設定を変更して、決済方法を連結させて、なんとか配車完了。

数分後、本当に誰も乗っていない車が、静かに目の前に止まりました。

未来に乗った15分間


Google visitorcenterへ停車する自動運転タクシー

ドアを開けて乗り込むと、後部座席と前列にモニターがありました。

画面には、3D LiDARで読み取ったリアルタイムの周囲映像が表示されています。50メートルくらい先の歩行者、バイク、自動車まで、全部検知されていました。

モニターにルートと周囲の車や、人を検知して表示

そして走り出すと、ハンドルが勝手に動き始めます。

右折、左折、車線変更。まるで誰かが運転席に座っているかのように、滑らかにハンドルが切られていく。でも、そこには誰もいない。

上部に大きな3D Lidarを搭載

約15分間の乗車でしたが、その間に感じたことをまとめると、こうです。

チップの要求、一切なし。乗車トラブル、一切なし。法定速度を厳守した、安全運転。

Uberで散々な目に遭った直後だったから、余計にそのギャップがすごかった。

普段はスパルタで表情を崩さない上司も、この時ばかりはテンション上がってました。「これはすごいな」と。2人して、まるで未来の乗り物に乗った子どもみたいにはしゃいでいたと思います。

製造業の人間として思ったこと

僕は製造業でフィルム加工の営業をしています。ダイカットや、ラミネート、スリットといった加工を扱っていて、電子部品や半導体の周辺部材に関わることも多いです。

だからこそ、Waymoに乗って感じたのは「感動」だけじゃありませんでした。

この車を構成しているセンサー、カメラ、LiDAR、制御基板、それらを保護するフィルムやテープ。自動運転が普及すれば、僕たちの業界にも確実に影響が来ます。

そしてもう一つ感じたのは、この現実を知っている日本人が、あまりにも少ないだろうなということです。

日本では自動運転の話題はニュースで見る程度で、「まだ先の話でしょ」という空気が強い。でも、サンノゼの街中では、Waymoが普通に走っています。信号待ちしてる隣のレーンにWaymoがいる。それがもう日常なんです。

日本は規制や利権の問題もあって、普及にはまだ時間がかかるんだろうと思います。けど、この温度差を知らないまま仕事をしているのと、知った上で仕事をしているのでは、見えるものが全然違うはずです。

少なくとも僕は、あの15分間で「見えるもの」が変わりました。

次回は、Googleのビジターセンターで感じた「日本人がいない恐怖」について書きます。

▶ 第2回:Googleの前で感じた、日本人がいない恐怖(来週土曜更新)

次回予告

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