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生活保護の子供は進学できないのか?

【支援員の裏話】

〜書類の向こう側で、胃薬を飲む仕事です〜

ここから先は、

パンフレットにも

役所の説明資料にも

絶対に載らない話です。

私たち支援員は、「世帯分離」や「奨学金制度」を説明するとき、いつも心の中でこう思っています。

「説明はするけど、うまくいくかどうかは正直、五分五分だな…」

「制度としては可能です(成功するとは言ってない)」

親御さんに説明するとき、支援員はこう言います。

「制度上は、大学進学は可能です」

この「制度上は」という言葉。ものすごく重たいです。

本音を翻訳すると、「制度は整ってます。でも生活は整ってません覚悟はありますか?」という意味です。

しかし、それをそのまま言うと「夢を潰す冷たい職員」認定されます。

なので我々は、笑顔で資料を出しながら胃を痛めるのです。

書類は増える、責任は減らない

世帯分離が決まると、支援員のデスクはこうなります。

住民票関係

福祉事務所への連絡

学校とのやりとり

奨学金の確認

親への説明

子どもへの現実説明

気づくと、書類の山が富士山級。

そして不思議なことに、トラブルが起きると必ず言われます。

「あの時、ちゃんと説明してもらってない」

説明しました。

3回。

図も描きました。

赤ペンも使いました。

でも現実は、聞きたい話しか耳に残らない。

大学生になった途端、連絡が途絶える

進学直後はいいんです。

「順調です!」

「バイトも決まりました!」

「頑張ります!」

LINEも返ってきます。

電話も出ます。

ところが――

半年後くらいから雲行きが怪しくなります。

未読スルー

折り返しなし

「忙しくて…」

「今ちょっと…」

支援員の頭に浮かぶ言葉は一つ。

「あ、来るな」

再会は、だいたい役所か施設の玄関

数年後。

福祉事務所から電話が来ます。

「以前そちらで世帯分離した方なんですが…」

はい、分かりました。

もう説明はいりません。

数日後、

施設の玄関に立つ若者。

目が合った瞬間、お互いに一瞬で理解します。

「ああ…」

「あの時の…」

会話は短いです。

支援員「久しぶりだね」

本人「はい…」

支援員「大学は?」

本人「途中で…」

この沈黙。

慣れても、辛い。

親の前では言えない本音

親御さんは言います。

「大学に行かせてあげたかっただけなんです」

それは本当です。

責める気なんて、ありません。

でも支援員の本音はこうです。

「行かせる、より続けられるか、の話をもっと一緒に考えたかった…」

夢を否定しない。

でも現実から目を逸らさせもしない。

このバランスが、この仕事で一番しんどいところです。

支援員は「失敗の回収係」ではない

世間では、「支援員がいるから何とかなる」と思われがちです。

でも実際は、

借金は消せない

単位は戻らない

時間は巻き戻せない

できるのは、転んだあとに一緒に立ち上がることだけ。

そしてまた、生活保護受給者施設に一人分の布団が増えます。

それでも、説明をやめない理由

じゃあ、「世帯分離」や「大学進学」を最初から止めればいいのか。

答えは、NOです。

なぜなら――

本当に自立して、戻ってこない子も、確かにいるから。

割合は少ない。

でもゼロじゃない。

だから今日も支援員は、

資料を用意し

現実を説明し

胃薬を飲み

それでも背中を押す

この矛盾した仕事を続けています。

支援員の最後の本音

もしこの記事を読んでいる人が、

生活保護世帯で進学を考えているなら、

これだけは覚えていてください。

制度は味方になる。でも計画しないと敵にもなる

そして支援員は、魔法使いではありません。

できるのは、現実を一緒に見ることだけ。

それでも今日も、施設の玄関は開きます。

希望と書類と、ちょっと重たい未来を連れて。


【支援員の裏話・成功したケース】

〜戻ってこなかった子の話は、なかなか語られない〜

生活保護受給者施設で働いていると、

どうしても「戻ってきた話」ばかりが記憶に残ります。

施設の玄関で再会する若者。

自己破産の書類。

奨学金の残高。

……正直、そっちの方が圧倒的に多い。

でも今日は、あまり語られない話をします。

「戻ってこなかった子」

「施設に再入所しなかった子」

「たまに近況報告だけ送ってくる子」

確かに、いました。

最初から「夢見がち」じゃなかった

成功したケースに共通するのは、意外にも熱血タイプではないことです。

その子は言いました。「大学に行きたいです。でも、もし無理なら途中で辞める覚悟もしてます」

この時点で、支援員は心の中でチェックを入れます。


現実を見ている


プライドが高すぎない


相談する気がある

この3つが揃うと、成功率が上がる。

世帯分離前から「数字」を出してきた

その子は珍しく、支援員にこう聞いてきました。

「月の生活費、最低いくら必要ですか?」

「バイトは何時間まで現実的ですか?」

「奨学金って、卒業後いくら返すんですか?」

夢の話をしない。

数字の話しかしない。

親御さんの横で、少し空気が重くなりましたが、支援員的には内心ガッツポーズです。

「あ、この子、ちゃんと生き延びるな」

アルバイトは「盛らない」

成功した子は、アルバイトでも無理をしませんでした。

週5 → やらない

掛け持ち → しない

深夜連勤 → 避ける

その代わり、

出席率100%

単位最優先

レポートは早め

結果どうなったか。

留年しなかった。

これ、めちゃくちゃ大事です。

支援員に「困った」を早めに言う

この子が一番違ったのは、ここです。

「ちょっと今、生活費きついです」

「このバイト、合わないかもしれません」

「奨学金の書類、確認してもらえますか?」

詰む前に連絡してくる。

支援員は、事後処理より事前相談の方が100倍楽です。

だからこの子のLINEは、既読が早い(笑)。

卒業式の日、施設には来なかった

数年後。

その子は、施設に来ませんでした。

代わりに来たのは、一通のメッセージ。

「無事に卒業しました。春から就職します。今までありがとうございました。」

支援員室、一瞬静かになります。

そして誰かが言います。

「…戻ってこなかったね」

それが最高の報告です。

成功した理由を一言で言うと

支援員目線でまとめると、成功したケースの理由はこれです。

「自立を“気合”じゃなく“設計”で考えていた」

夢はあった。

でも、夢だけじゃなかった。

制度を知り、

限界を知り、

失敗の逃げ道も確保していた。

支援員の本音(希望編)

正直に言います。

成功例は、全体の中では少数派です。

でも――

ゼロじゃない。

だから我々は、今日も説明をやめません。

成功した子の話は派手じゃない

ドラマにもなりにくい

noteのPVも伸びにくい

それでも、

確実に人生が変わった一人がいる。

それだけで、この仕事は続けられます。

最後に一言だけ

もし今、

生活保護世帯で進学を考えている人がいたら、

支援員からの本音を一つ。

「大丈夫ですか?」より、「計算できてますか?」と聞かれたら、それは本気で応援されている証拠です。

戻ってこなかった子は、今もどこかで生活しています。

それが、支援員にとって一番の成功報告です。


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