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「現場は変わらないと思っていた」 第8話 「この子な

結婚祝いの食事の日。

現場で会う陽菜とは、まるで雰囲気が違っていた。

いつもは作業着にヘルメット。

それが私服になるだけで、こんなに印象が変わるものなのかと思った。

また、ギャップだ。

本当に、この子は何度俺を驚かせるんだろう。

思わず笑ってしまった。

娘より年下の子と二人で食事をするなんて、今まで考えたこともなかった。

正直、少し緊張していたのは俺のほうだった。

でも、話し始めると、その緊張はすぐになくなった。

仕事のこと、学生時代のこと、将来のこと。

話せば話すほど思った。

「この子は頭がいい。」

学歴があるからじゃない。

相手の話を聞いて、自分の考えを持って、言葉にできる。

その賢さに、何度も感心させられた。

今思えば、この頃からだったのかもしれない。

俺が陽菜に期待するようになったのは。

期待と言っても、「いい監督になれよ」というだけじゃない。

現場には、昔から変わらない悪いところがたくさんある。

「なんでこんなやり方なんだ。」

「もっとこうすれば、みんなが仕事をしやすいのに。」

そんなことを何度も思ってきた。

だから、陽菜にはよく話した。

「お前が偉くなったら、こういうのはなくせよ。」

「職人が仕事をしやすい現場を作れよ。」

そんな話を、よくしていた。

陽菜は笑いながら聞いていたけど、俺は結構本気だった。

「現場は変わらない。」

ずっとそう思ってきた。

でも、もし変わるとしたら。

それは、こういう若い人たちが中心になったときなんじゃないか。

そんな期待を、陽菜には持っていた。


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