ブランチについて考える
はじめに
企業陣営、ルビコニアン、オールマインドと比較すると今一つ考えがハッキリしないブランチ。そこに焦点を当ててみようと思います。ブランチメンバーの機体構成が好きでオフセット機体でクリアをしてみた経験やリプレイミッションでの積み重ねも踏まえて、機体構成、テキスト、セリフなどから想像される人物像の輪郭を思い描く試みをしていこうと思います。
これは基盤にある考えなのですが、アーマード・コアの背景や人物について思いを巡らせるときには、いつもの自分の倫理、道徳に引っ張られないように注意しながら進めてみました。
※注意 以下の文章よりストーリーのネタバレが含まれます。
集団の概要は?
「入れ替わり続ける4人」というテキストがあります。流動性を持つという事が大切なのでしょう。また、彼らの紹介文に「ハクティビスト」という言葉が使われていました。私は初めて知ったのですが、検索によると「政治的や社会的な主張、目的のためにハッキングを行う個人や集団:SOMPO CYBER SCURITYより」のようです。ストーリー上で描かれているのは、ハッキングではなく実力行使のようですが、ハクティビストの伸長した解釈、もしくはハッキングとACによる行動をする集団であるか。こういった集団は団体や組織といった形式ではなく概念や目的を重視するため、匿名性や実態の曖昧さによって、形が固まることを遠ざける印象があります。ふとナパーム・デスというバンドを思い出しました。基本四人メンバーですでに初期メンバーはおらず、参加メンバーも15~20名はいるのではないでしょうか。最近のライブもベースが変わっていたような気がします。脱線してしまいましたが、ブランチについては入れ替わるというルールを設けることで、組織として固まることを避けているのでしょう。また、全員がAC乗りではないこともハクティビストという表現が正しいのかもしれません。
目的は?
ステーション31(LOCステーション31?)襲撃がこの星におけるルビコンの主要な活動のようです。惑星封鎖機構は衛星砲によって侵入者に睨みを効かせていた。これにダメージを与えてルビコン3入植への風穴を開けたということなのでしょう。この活動に至った思想の根源、目的は以下の3点だと予想しました。
1.ルビコン3への往来の自由化
初めに思いついたのは惑星封鎖機構による行動の制限の解除です。そして、ルビコンについて隠している情報をつまびらかにすることを動機にして始まったのではないでしょうか?組織がルビコン星系に生きる人の行動を制限し、行動範囲を決定するそういった支配に対しての反抗と考えました。素直な行動理念ではありますが、「企業もそう考えるのでは?」、「ハクティビストというのはもうちょっとひねくれてても良さそうかも?」と、今一つしっくりこないところもあります。政治家ではなく、ブランチで活動することを由とする彼らの動機としてはやや弱めな気がします。
2.惑星封鎖機構という組織へのアンチテーゼ
ドーザーのテキストに「惑星封鎖機構はAIが指示を出しているらしい。」というような内容があります。また惑星封鎖機構のメンバーも「システムの判断、解析…」という言い方をしています。AI(人ではない何か)によって統治、判断、指示が出される組織であると予測されます。意外と遠い未来ではないかもしれませんが、SFですね。つまり、人ではないものの決断に人生を委ねることへの疑問を投げかける(もしくは反抗)ことが目的なのではないでしょうか?1の目的同様に惑星封鎖機構に対しての不満ではあるのですが、こちらは組織そのものをより攻撃の対象にしているように思います。そのため、ルビコンでどのように利益を得るかにはそれほど執着しておらず、人らしく生きて、自分らしく決断することを良しとすることが根底にあるように思います。これはレイブンの自ら選び闘うという考え方にもつながりますね。
3.企業介入による活性化
コーラルという資源をめぐり、企業が競い合う状況を求めたのではと考えました。独立傭兵である以上、企業間の摩擦があることが望ましい(仕事の確保)という現実的な理由もあるでしょう。ただ、これをより概念や理想という抽象的なとらえ方をすると欲望を生命力として精力的に活動する様こそ人のあるべき姿であるという言葉にも言い換えてもよいのではないでしょうか。女神転生シリーズのカオス教のようですね。真の渾沌ということではなく、衝動、直感、欲求による人間の解放をルールに縛られることなく表現するという考え方です。ある種の芸術運動にもある考え方ですが、ちょっと調子に乗って想像が突っ走り気味な気も…反省
※私の持っている思想ではなく、映画、漫画、ゲームなどなどの経験から登場人物がどう考えたか予想したものです。
ACから見る人物像
AC乗りである3名について簡単に印象を書いていこうと思います。
キング(AC:アスタークラウン)
このnoteを始めたころに長々とアスタークラウンについて書き連ねておりましたが、ここでは短くまとめて書きます。
制空権を支配する頭脳派ではないでしょうか?FCSとスクトゥムから近距離の印象を受けがちですが、安易に近距離戦に持ち込むと外装パーツの脆さからAPが溶けます。タイミングを見計らって、ここぞというときにHarris(ベイラム製リニアライフル)で一刺し、そして距離を詰めて仕留めるというのが彼の戦い方だと思います。
対大型の兵器(シースパイダーやエンフォーサー)や多数の敵を相手することはできませ。しかし、それ以外のミッションであればかなり堅実にこなせます。スクトゥムとホバリングの持続時間の長さから空中に浮いて有利な距離を維持したまま一方的に攻撃できます。ただ、スタッガーが本当に危ないのでACS負荷の管理は慎重にしなければいけません。イメージとしてはマタドールの様に距離を保ちながら、飛び込んでくる牛を躱して、一刺し。堅実、慎重とスリルとが共存するような性格なのではないでしょうか?
シャルトリューズ(AC:アンバーオックス)
いい機体ですね。火力という正攻法がACにはあると確認させてくれる機体です。イヤーショット(メリニット製グレネードキャノン)以外はリロードもしくは攻撃の回転が速いことも素晴らしいです。ただ、繊細に扱わないと火力を思う存分には発揮できません。慣れるまでは、弾が全然当たらずにリロード時間にイライラを募らせたものです。
こういった火力の高い武器であればあるほど、読みや決断というものが大事になります。これらは主に観察と経験によって導き出される回答です。一見、自分の意見を押し付けるような武器構成ですが、丁寧な観察、決断力、引き出しの多さが実は必要になると私は考えます。
また、火薬を用いたアーティスト(北京オリンピックで有名な)がいらっしゃるように爆発をある種の表現手法(美学)として捉えている可能性もあるかもなどと邪推してしまいます。
レイブン(AC:ナイトフォール)
「気が付くと自分のAPが0になっている。」というのが最初の感想です。APが低く、パルスアーマーもない。安易にパイルバンカーを当てに行こうとするとボカンっです。ソングバード(メリニット製二連バズーカ)も地上で撃ってしまうと容易に的になる。しかし、このようにも思いました、
「こういうことがコア理論なのかも?」
つまり、操作者の技量によって金にも砂にも化けるACである。ギリギリの機体で緊張感を味わいながら、ACで戦場を駆け、躍動する。天本英世さんは著書で「死が激しいからこそ、生が激しい」ということを書いてらっしゃいました。そんな燃え盛るような生命力を感じる機体です。理想に対して激しく情熱を燃やし、挑戦をするタイプなのかもしれません。
三者三様の尖った機体構成に強く自分らしさが出ているように思われます。自分の命を乗せるACに自分の信念や闘いの美学を載せているようにも感じます。
まとめ
有体に申し上げれば、ブランチが何をしたいかというのは分かりません。ただ、このゲームの大筋は、密航で名義を手に入れて、ラスティ―に「背景を手に入れろ。」と言われ、二者択一の決断に迫られるだと捉えています。個人的な感想として自分が何者であるか?何者であろうとするか?という呼びかけが様々な登場人物の声を通して問いかけられるゲームだと思います。ブランチもまた「お前がレイブンであるか?」という問いかけをしてきます。誰かに与えられた名義であっても、限られた選択肢であっても、誰かの判断や指示ではなく、自分が選択して進むことに重きを置く考え方を、ゲーム内でもブランチは強く主張していたのではないでしょうか。依頼内容や報酬よりも自身の目的を優先するセリフは特に印象的でした。そういった彼らの考えの一端に触れられただけでも収穫があった考えたいと思います。
三文文士の駄文は以上でございます。AC6は人物表現の幅の豊かさや想像を許容する描き方には脱帽でございます。まだまだ、ルビコン3から移住はできなさそうです。
2026/8/6 初稿
2026/8/7 武器補足の修正
