航海ログ #25 AIツール沼
あの日。
アテナから
「AIを使う側になれ」と
教わったあと。
俺はすぐに
動き出した。
ChatGPT。
画像AI。
動画AI。
音楽AI。
自動化AI。
調べれば調べるほど
新しい名前が出てくる。
ひとつ見つけるたびに
思った。
🔴
「これも必要そうだ。」
「いや、こっちの方が凄そうだ。」
「待てよ。
次はこれを覚えた方がいいか?」
気づけば俺は
進んでいるつもりで
まったく前に進めていなかった。
⸻
朝から晩まで
AIの情報を見て。
新しいツールを調べて。
保存して。
比較して。
また次を見つけて。
だが──
何ひとつ
使いこなせていない。
何も生み出していない。
俺は思わず言った。
🔴
「アテナ……」
「なんか俺、
進んでるようで進めてない。」
アテナは静かに答えた。
🔵
「船長。」
「それが
AIツール沼です。」
⸻
AIツール沼
それは
学んでいるようで
行動が止まる罠。
調べているだけで
前に進んだ気になる罠。
新しい武器を
集め続けることが
目的になってしまう罠。
⸻
🔵
「船長。」
「多くの人はここで勘違いします。」
「AIで結果を出す人は
一番たくさんのツールを知っている人ではありません。」
「少ない武器でも
使いこなして
実際に形にする人です。」
俺は少し黙った。
たしかにそうだ。
剣を100本持っていても
1本も振れなければ
意味がない。
逆に
たった1本でも
振り切れるなら
戦える。
🔴
「じゃあ……」
「全部追わなくていいのか。」
🔵
「ええ。」
「全部追う必要はありません。」
「大切なのは
今の自分に必要な武器を選び」
「それを使って
ひとつ結果を出すことです。」
⸻
その瞬間。
俺はやっと分かった。
AIの海で怖いのは
AIそのものじゃない。
選べないこと。
調べ続けること。
学んだ気になって
動けなくなること。
それこそが
本当の沼だったんだ。
⸻
俺は決めた。
全部を欲しがらない。
まずは
今手にしている武器を
使い切る。
ひとつでいい。
ひとつ形にする。
そこから
次の武器を持てばいい。
⸻
AI航海は続く。
⸻
次回予告
航海ログ #26
AIは道具か、第二の脳か
AIは
ただ便利な道具なのか。
それとも──
人間の思考そのものを
拡張する存在なのか。
⸻
船長
ヤマザル 🏴☠️
#AI海賊記
