ホピ族の精霊たち カチーナ人形 モノとルキ#22
本棚から、僕を見つめる顔がある。
コオロギの精霊、シーシパだ。
「HOPI Kachina Dolls ホピ族の精霊たち カチーナ人形」
という本の表紙に、その顔はある。
2007年のカチーナ人形展の公式ガイドブック。
会場では買わず、数年後に気になって探した。
もともと本屋さんで売られていたわけでもないこの本を、
古書店で偶然見つけたのは、奇跡としか言いようがない。
カチーナとは精霊のこと。
ホピ族は古くからの教えをカチーナ人形で伝えてきた。
この人形は主に女の子へのプレゼントで、
アートとしても評価が高い。
本には28体のカチーナが紹介されていて、
それぞれにエピソードがある。
そのうち3つをここで紹介する。
マタヤはランナーの精霊で、力試しを仕掛けてくる。
負けると、ススで手形をつけてくる。
負けると腹いせをしてくるとは、なかなか厄介だ。
ティリは唐辛子の精霊で、やはりランナー。
負けると相手の口にトウガラシの粉をすりこんでくる。
激辛カレーを頼んで口がひりひりする時は、
もしかしてティリの仕業かもしれない。
そして表紙のシーシパ。
これもランナー。
でも主食のピキパンを人にあげている間に、
レースに負けてしまう。そして、仕返しもしない。
勝つと恨まれる。お人好しだと搾取される。
バランスが大事、ということなのだろう。
ホピ族はずいぶん昔から、そのことを知っていたらしい。

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