タラヲガズームの話(交流編)
令和8年8月8日。
PM8時。
……
8が多い。
多すぎる。
令和8年8月8日PM8時。
ここまで8が揃うと、もう普通のZoomではない。

何かある。
絶対に何かある。
前回は国家機密のサミットだった。
内容は極秘。
ゴルゴ13やらOO7やらイーサン・ハントやらが狙っている可能性があるので、詳しいことは書けない。
そんな危険な会合だった。
そして今回は、
「お酒を準備しておいてください」
とのこと。
……
お酒?
8月8日。
PM8時。
お酒。
これはもう……
儀式やろ。
儀式といえば御神酒。
御神酒といえば神様。
神様といえば……
……
いかん。
これ以上考えると、私まで消される。
いざ、Zoomルームへ
恐る恐るZoomに入る。
「こんばんはー」
……
あれ?
なんか違う。
前回までと空気が違う。
みんな、
めちゃくちゃ機嫌がいい。
そして、
喋る。
喋る。
とにかく喋る。
「こんばんは!」
「お疲れ様です!」
「今日はよろしくお願いします!」
「〇〇さんだぁー!」
「〇〇さんこんばんは!」
……
会話が飛び交う。
チャットも飛び交う。
もはや、
激流。
川というより、
濁流。
いや、
ナイアガラの滝。

「こんばんは」の「こ」が打てない
私は恥ずかしがり屋である。
こういう場所では、
まず様子を見る。
みんなの会話を聞く。
そして、
タイミングを見計らってチャットを打つ。
「こんばんは」
これだけ。
たった5文字。
簡単である。
よし。
いくぞ。
「こ」
……
その瞬間。
チャットが、
ドドドドドドドドドド……
「こんばんは!」
「よろしくお願いします!」
「〇〇さんも来た!」
「今日は楽しみ!」
「そういえば〇〇さん!」
「それ分かります!」
「笑」
……
私、
まだ「ん」を打っていない。
私が、
「こんばんは」
を完成させる頃には、
100件くらいチャットが流れている。
※あくまで私の体感です。
実際には100件もないかもしれない。
でも、
私の心の中では100件。
いや、
1000件。
もはや、
チャットのF1グランプリ。
私のキーボードだけ、
徒歩である。
負けた……
しばらく眺めていた。
そして思った。
……
負けた。
完全に負けた。
この人たち、
強すぎる。
会話のテンポ。
チャットの速さ。
人との距離の縮め方。
全部が自然。
私はというと、
「今、コメントして大丈夫かな?」
「変じゃないかな?」
「こんなこと書いたらどう思われるかな?」
などと考えている。
その間に、
みんな次の話をしている。
遅い。
私、
Wi-Fiの届かない山奥か。

でも、ここで気づいた
最初は、
「無理や……」
と思った。
自分にはハードルが高すぎる。
でも、
少し時間が経つと、
別のことを考えるようになった。
「こういう場所に慣れたら、もっと人と話せるようになるんじゃないか?」
「もっと自分から入っていけるようになるんじゃないか?」
「今まで苦手だったことが、できるようになるんじゃないか?」
そう思った。
居心地の良い場所にいるだけでは変わらない
私は今まで、
一人で何かをすることが多かった。
一人で走る。
一人で筋トレする。
一人で考える。
一人で記事を書く。
もちろん、
一人で頑張ることも悪くない。
でも、
自分が得意な場所だけにいると、
いつまでも得意なことしかできない。
今回、
「チャットが速すぎてついていけない」
という、
なんとも情けない敗北を味わった。
でも、
その敗北がちょっと嬉しかった。
「まだまだ俺、できないことあるやん。」
と思えたから。
絶望の中に希望があった
正直、
最初は絶望した。
「この人たちに追いつける気がしない。」
でも、
逆に考えれば、
追いつける余地がある。
今の自分にできないことが、
目の前で普通に行われている。
だったら、
真似すればいい。
少しずつ参加すればいい。
最初は、
「こんばんは」
だけでもいい。
次は、
一つコメントしてみる。
その次は、
誰かに話しかけてみる。
いきなり、
「はい!私、司会やります!」
なんて無理である。
私はそんな人間ではない。
まずは、
「こんばんは」
からでいい。

ヒトタラヲ氏の周りには人が集まる
今回改めて思った。
ヒトタラヲ氏の周りには、
本当にいろいろな人が集まる。
そして、
その人たち同士も繋がっていく。
一人ではできないことが、
人が集まることでできるようになる。
それって、
すごく面白い。
私は今回、
「交流」というものを少しだけ体験した気がする。
今までなら、
「こういう場所は苦手だからいいや。」
で終わっていたかもしれない。
でも今回は違った。
苦手だからこそ、
ちょっと入ってみたいと思った。
早く追いつきたい
今回のZoomを終えて、
一番強く思ったのは、
「早く追いつきたい。」
だった。
もちろん、
すぐには無理。
私が「こんばんは」の「こ」を打っている間に、
みんなが100件コメントする世界である。
いきなり追いつけるわけがない。
でも、
少しずつでいい。
「こんばんは」
から始めよう。
そのうち、
「こんばんは!」
くらいにはなるかもしれない。
さらにそのうち、
「こんばんは!今日は〇〇さんの話が楽しみです!」
くらい言えるようになるかもしれない。
そしていつか、
チャットの激流に乗れるようになる。
……
いや、
そこまでいったら、
もうランマッスルじゃない気もする。
でも、
少し変わるくらいがちょうどいい。

8月8日、8時
令和8年8月8日PM8時。
8がこれでもかと並んだ日に、
私は一つ勉強した。
人は、
自分一人では気づけないことを、
人と会うことで気づける。
「自分はまだまだだな。」
と思える場所に行く。
そこで少し悔しくなる。
でも、
その悔しさが、
次の一歩になる。
今回の私は、
チャット欄で完全に敗北した。
しかし、
心の中では少しだけ勝った気がする。
なぜなら、
「もっとここにいたい。」
と思えたから。
絶望したけど、
希望も見えた。
そんな不思議な儀式だった。
そして最後に一つだけ。
ヒトタラヲ氏、
参加された皆さん、
ありがとうございました。
次回は、
「こんばんは」の「こ」を、
もう少し早く打てるようにしておきます。
……
たぶん。
今日はそんな話。

今日も皆さんが笑顔で過ごせますように♪
いってらっしゃい♪

おまけ

実は…

