太平記 現代語訳 23-2 足利直義、重病に

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この現代語訳は、原文に忠実なものではありません。様々な脚色等が施されています。

太平記に記述されている事は、史実であるのかどうか、よく分かりません。太平記に書かれていることを、綿密な検証を経ることなく、史実であると考えるのは、危険な行為であろうと思われます。
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世間の声A 最近ほんまに、吉野朝(よしのちょう)側、さっぱりワヤになってしまいましたなぁ。

世間の声B ほんにまぁ・・・。日本国中の吉野朝側勢力の勢い、完全に衰えてしまいましたわいな。

世間の声C 天下はいよいよ、足利幕府ががっちりと掌握するところと、なってきました。

世間の声D おかげでなぁ、この京都にも、再び平和な日々が蘇ってきましたわ。

世間の声E うーん・・・そうかしらぁ? これからの日本の事、そんなに楽観視してて、いぃんだろうか?

世間の声D あんさん、ナニそないに心配しておいやすねん?

世間の声E 今の世相、あたくしには、なんだか非常にアブナイものが感じられましてねぇ。

世間の声C いったい何がやねん?

世間の声E 神仏を敬おうという気風が、最近とみに、薄れてきてません? 仏、法、僧の三宝(さんぼう)が近頃すごく、ないがしろにされてるような気がするんです。

世間の声一同 ・・・。

世間の声F 朝廷の最高位にあるお公家さん方でさえも、領地をガンガン、武士に横領されてまってるでね。

世間の声G いやはや、もう・・・ご政道も、まっこと、地に落ちてしもとるばい。

世間の声H この先、世の中、いったいどないなっていくんでっしゃろなぁ。

世間の声C ほんまにもう! 先帝が吉野でご崩御(ほうぎょ)あそばされてからは、あれやこれやと、いろんな流言蜚語(りゅうげんひご)飛ばす輩(やから)が多いよってになぁ、おたくさんらみたいな、悲観論者がどんどん多なってきてしまうんや。ほんま、どんならんで。

世間の声A いやいやぁ、そらな、えぇかげんな話もいっぱいあるけどやな、中にはホンマモンもあるんやで。例えば、あの光物(ひかりもの)の話。

世間の声B あぁ、あの「京都目指して毎夜飛び来る、光り輝く未確認飛行物体」ってやつかいなぁ。あれ、ほんまかいなぁ?

世間の声F あれはぁ、ほんとの話だでぇー! わし、この目で見たが!

世間の声一同 エーッ!

世間の声E どんな形してました? やっぱし円盤形?

世間の声F いいや、車輪のような形だったわ。光輝く車輪、そうや、まさに光輪(こうりん)だが。。京都の上空に飛んで来ては、あれやこれやと不吉な相を現しよるんやねぇ。

世間の声A ほんま、不思議な話やなぁ。

世間の声F 最近、京都に病気の人間多いやろぉ? きっと、その光輪の出現と大いに関係あると思うよぉ。

世間の声G そうだねぇ・・・最近、上下貴賎を問わず、京都、まっこと、病人多いっす。

世間の声A ほんまに、こらタイヘンなこっちゃ。

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そのような中、2月5日の暮れ時頃より、足利直義(あしかがただよし)は、気分がすぐれなくなった。

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